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『今年の新人』 R.A.ラファティ
R.A.ラファティの短編がおもしろくて、いくつもの読みかけの本が中断させられている。そのモチーフの奇想さも愉快なのだけど、一つひとつの表現がとてもおもしろい。例えば『今年の新人』では、新人のダサさを次のように表現している。“タートルネックのセーターを着て、ニラレバ炒めを食べる連中だ”
原文での表現がわからないので、もしかするとコレは翻訳の妙なのかもしれない。それにしたって、である。小説を読んでいて笑いを堪えることが、みなさんの人生にあっただろうか。少なくとも僕の記憶にはない。海外の作品におけるユーモアを、その場で笑うという稀有な経験をラファティは与えてくれる。