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『あめのアンセム』

あめの日なのに、こんなにもあめの日なのに、部屋の中はちっとも濡れない、音のひとつもきこえてこない。
なんだかとても、異常なことだね。

あめが降るから傘をさすのに、まるで自分がよばれたというような顔をして咲いてる。あなたは風を防げないし、足先を濡らすからだめだけど、音をかくす気が微塵もないとこ、わたしは結構きらいじゃないよ。ちがう遺伝子が鳴らす音、鉄のお化けの唸る声、ぜんぶぶっ壊して鳴り響け、わたしを包んだあめのアンセム。

ほんとうは傘の音だってこと、
わたしは小6からしってる。
せかいは塗りつぶせばひとつです。

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