啓蟄(二十四節気)・蟄虫啓戸(七十二候)と春茅一束
3月5日頃は二十四節気の啓蟄です。暦便覧には『陽気地中に動き、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也』とあり、七十二候では『蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)』です。蟄は土に隠れた虫の事、啓は、開放する、導く、申し上げるといった意味があります。蟄が開放されて春が近いことを伝えてくれる、そんな意味合いが伝わってきます。啓蟄という言葉は古くから使われており、古代の礼文献をまとめた大戴礼記に含まれている、夏王朝時代に書かれた中国最古の暦書「夏小正」に記載されています。 少しずつ暖かくなって冬眠していた虫も春の到来を感じて目を覚まして動き出す時期です。文人華にも春の到来を表現する盛物に、松と蝋梅、水仙を取り合わせた「春茅一束」があります。
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