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【詩】あたしに何ができるのか

 あたしには力がない
 少しくらいなら重い物を持てるけど
 男に比べたらちっぽけだし
 体育が苦手で 女にも負けるときがあるし

 あたしには知識もない
 たぶん 完璧なマナーなんて守れない
 一番得意なのは国語だったけれど
 読めない難読漢字はいっぱいあるし

 あたしにはお金もない
 借金もないけど 貯金もないし
 お寿司も焼肉も滅多に食べれないよ
 あっ でも恵方巻は欠かさないけどね

 ないない尽くしの この人生
 ときどき 巨大な何かになって
 あたしの心を真っ黒に埋め尽くす
 そんなときは暗い部屋に逃避行
 目を閉じて 体育座り
 ただ ただ 深く息をしているだけ

 ただ ただ 生きていることに集中する

 そうして心がふと 白くなったり
 立ち上がりたくなったときは
 逃げたときと同じくらいの勢いで挑む
 がむしゃらに じたばたして
 あたしの大切な人たちの良いところとか
 自分の輝く記憶で 頭の中を散らかす

 あたしは ただの人間だけど

 それでもできる仕事があって
 それでも知恵も持っていて
 それでもプチご褒美は買えたりして

 選ばれたあなたには負けるかもしれないけど
 そもそも勝負って何なのかわからないし

 とびきりのことは できないかもしれない
 でもそれって 何もできないわけではない

 だから何なのと言われても困るけど
 この気持ちを抱えてどうにか行くのが
 この世界を生きることだとも思える


 ……よし 頑張りますか!
 なんにも問題は解決していないけど

 あたしはやってみるよ!

 とりあえず何かやってみますか!
 上手くいくかは別として
 何かをやってみますかぁ!

 わかっているんですよ
 定期的にこう考えることこそが
 世界の摂理なんだってこと

 あたしたちは確かにできている
 この世界に 存在するってことが






トップ画像は、Atelier hanami@はなのす|フリーイラストさんよりお借りしました。まっすぐに見つめる彼女の瞳がいいなぁと思い、使わせて頂きました♪

書くうちに、当初の予定とは違う趣向の詩になりましたが、確かに、これも私の作品であります。それだけ、言いたくなりました。

あとがき?


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