
断じて粗末にはしていない
食べ物は、明日の命。
神に祈るつもりはないけれど、だから私は、食事がある生活に日々感謝しているつもり。
そう。断じて私は、食べ物を粗末にはしていない!
それなのに、時間とは残酷で
私は料理の食べ残しを滅多にしない。買った野菜は大概使い切る。人参はや生姜は皮ごと食べるし(玉ねぎは剥く)、賞味期限をいつの間にか過ぎてしまったものも、気づき次第しれっと食す。
味付けを間違えたり焦がしたりしても、よほど健康に支障が出そうなレベルでなければ、食べる。ポロッと床に落としたものも、埃が付いてなかったら、食べる。
あれ、単なる意地汚い人になってない?
──いや違う! 食べ物を大事にしているだけだ。
ちょっと口に合わなかったり、インスタ映え目的で買っただけくらいで、すぐゴミ箱に捨てる恥知らずと一緒にされては溜まったものじゃない。
私は食べ物を粗末にしたいわけではない。
でも、そう。……たまに失敗をしてしまう。
例① ジャガイモ
常温保存に向いている野菜は、常温放置し過ぎると芽吹いてしまうことがあるんだよ。

例えば、ジャガイモだ。冬の間、なかなか自炊をする元気がなくて、つい消費を怠っていると、春先にこうなってしまう。ちなみに、このジャガイモは暗所に保管していた。
これは去年の写真だ。正直、この時点で芽を切り取って食すのは、もったいない心境に陥っていた……。
ということで、育てることにした。

結局、このジャガイモがどうなったのかというと、途中で水をやり過ぎてしまったようで、ダメにしてしまった。
でも、ジャガイモの生命力の強さは凄まじいもので、全盛期には、トップ画像のように青々と茂った。もしも、上手く育てて実を生らすことができたら、調子に乗ってまた育てようとしたかもしれない。
こんなの間違っている。食べるために買ったんだぞ。
例② 玉ねぎ
だから、芽吹いてしまうと言っているだろう!?

なぜ過ちを繰り返してしまうんだ。放置なんてするから、愛情を外に求めた野菜が、また子供を作っちゃったじゃないか!!

いやしかし、可愛らしいポニーテールだな……。
何を隠そう、こちらは今年の春の画像。玉ねぎを含む野菜の高騰化を受けて、すぐに食べることを躊躇しているうちに、こうなってしまった。
そして、例の冬からの自炊無精も相まって、またしても、すくすくと、育ててしまった。途中で千切ったりしたけれど、今日も逞しく生きている。

幸いなことに芽吹いた玉ねぎには毒性はないので、本当に枯らす前に炒め物にする予定だ。ネギと玉ねぎの間のような薬味がするらしい。ネギねぎ。
それでも、断じて粗末にはしない
食品ロスは、食品工場のような企業単位のものばかりが問題なのではないことは分かっている。むしろ圧倒的多数である家庭単位でも減らしていかないと、社会問題は解決しないんだろう。
急にマジメにマトモなことを言いましたけれども。
先週、ちょうど今みたいな夜(21時頃?)に、究極の2択を迫られる事態になった。
酎ハイの素(原液のやつ)を割ろうと、冷蔵庫の物を取り出したとき。希釈タイプのアセロラ酢で飲もうと、コップにコポコポと注いだ。
でも、注いだ物のパッケージを確認すると、白出汁だった。
なぜ……なぜ?
私は絶望しながら、酎ハイの素と白出汁が混じった原液を眺めた。……温めた方がいいだろうか?
いや、ここで負けてはいけない。
私は思い直した。そして、水を足したその酎ハイを、冷水スープのように飲んだのだった。
喉が焼けそうだった。
それは、アルコールか、塩分のせいか……。
自分のおっちょこちょいを直すのが、食品ロスへの一番の近道なのではないかと、気づいた瞬間だった。
最初から最後までボケ倒してみようと思って『脱力タイムズ』みたいなマジメな感じで書いてみました。正解か不正解なのかわからないけれど、悔いはない(笑)。