見出し画像

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』未来のために戦う父達の物語

 もう既に、何度、私の記事に登場したか……。
 大事なことほど慎重になり伝えられない。
 そんな私の、決死の感想文でございます。

ネタバレあり、ですが、未鑑賞の方にも読んで頂けるように、ネタバレ直前に告知をしています。
きっと、鑑賞済みのファンとも語り合えますように。
どうかたくさんの人に、この映画の良さが伝わりますように。



『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の紹介文

 まずは、未鑑賞の方のために、ざっくりと内容をご紹介させて頂きます。と、その前に、恒例の星評価!

実はこの両脇に幻の星があるので、実質は七つ星です!

 満を持しての記事なのに、満点ではないという茶番があるわけないのですよ(笑)。食い気味の主張。
 でも書かずにはいられない。推しだ! おススメ!
 押せ押せ押せ~っ!! 絶対に引かないぜ!


──どんな映画なのか?

昭和31年、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配する哭倉なぐら村。帝国血液銀行に勤める水木は、龍賀一族の当主・時貞の死の弔いを建前に、ある密命を背負って村を訪れる。一方、後に鬼太郎の父となる男は、行方不明になった妻を捜すため村へやって来る。時貞の跡継ぎを巡って醜い争いが繰り広げられるなか、神社で一族の者が惨殺される事件が発生。それは、恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。

映画.comの解説文より

 映画の舞台となるのは、哭倉村。
 山奥にあるひっそりとした村で、外部から人が訪れることは滅多にありません。そこに2人の主人公・水木とゲゲ郎(鬼太郎の父に付けられたあだ名/後の目玉の親父)が、それぞれやって来ます。

 水木とは? ゲゲ郎とは?
 哭倉村を取り仕切る龍賀一族とは?
 それぞれの謎が、少しずつ明らかになっていきます。

 昭和31年という時代設定もそうなのですが、閉鎖的な村、そこで起きる殺人事件、そして断たれる外界との移動手段というシチュエーションから、話の前半は「犬神家の一族」のような雰囲気を楽しめます。
(※実際にオマージュを意識して制作されています)

 とは言え、これは妖怪アニメ映画。あくまでオマージュで、推理ショーは行われないし、後半は雰囲気が変わっていくので、悪しからず(笑)。

 ちなみにメイン2人組・水木とゲゲ郎は、話が進むにつれバディ感が出てきます。2人の活躍がカッコ良くて爽快! もっともっと観ていたい!


──どんな人にオススメ?

 ちなみに、この手の映画ではテレビシリーズなどの「予習」をしないと楽しめないケースもありますが、『ゲゲゲの謎』ではそんなに必要ないかなと思っています。

  • 鬼太郎と目玉の親父は幽霊族という妖怪

  • ねずみ男と猫娘は馴染みの妖怪

  • そういや「水木」って原作者と同じ苗字だなぁ……

 これだけ知っていれば、テレビアニメを観ていなくても大丈夫!
 オプションで、原作者の水木しげるさんが世代的にも戦争経験者だということを知っていれば尚良しでしょうか。

 さらには、個人的に、こんな人に観てもらいたいですね。

  • 『鬼太郎』=子供向けアニメとしか思っていない方

  • 『鬼太郎』で感動なんてするかよと思っている方

  • 目玉の親父を非力な親父だと思っている方

  • 外国の戦争を人ごとのようにしか感じられない方

 この作品をジブリやディズニー映画のように捉えてみると、頭の中が真っ白になることでしょう。『ゲゲゲの謎』は最初から大人をターゲットにした作品だし、世の中の不条理をしっかり描いています。

 つまり、ぼんやりと生きている人ほど『ゲゲゲの謎』はガツンと脳天に響いて、新しい価値観を与えてくれるのかも。私もその一人でした(笑)。
 正直、かなりショッキングな展開もあります(初めからPG12レートでしたからね……)が、私は観て良かったです。皆様もいかがですかっ?


『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の感想文

 私がこの映画のことを知ったのは、詳しく記録していませんが、確か11月~12月の狭間の時期だと思います。月またぎの頃って感じです。映画公開日が11月17日なので、公開された後ですね。


──なんで知ったのか?

  • 映画の広報活動を観た

  • ネットサーフィンで偶然CMが出てきた

  • 映画レビューサイトなどで見つけた

 すべて違います。
 実は、いわゆるファンアート(二次創作作品)を見たんです。

 具体的にはネットサーフィンで見つけた、pixivというサイトにて。最初は「鬼太郎のお父さん……?」って流し読みしていました。そのうち「あれ、なんでこんなのあるの?」と疑問を持ち、映画の存在を知りました。


──なぜ、観ようと思ったのか?

 記憶を辿っても、明確な瞬間は思い出せません。
 ただ、ファンアートを読んでいて察したのは、この映画が、戦後を舞台にした作品にして、戦争をモチーフに選んでいるということです。

 原作者の水木しげる先生は戦争経験者です。
 戦争により、左腕も失くしています。

 そして、映画の主要キャラクターとして「水木」というキャラクターが登場するのです。四肢健全ですが、耳は欠けているし、顔にも傷があります。

 映画を観ようと思ったのは、ここに思い立った頃でした。私は『ゲゲゲの鬼太郎』にも好意はありましたが、そこではなくて「水木」という戦争経験者が出てくるというところで、観たくなったんです。

 ちょっとマジメ過ぎる動機かな?(笑)

 ロシア-ウクライナとか。
 イスラエル-ガザ地区とか。
 コロナ禍が明けるのを待たずに始まった戦争を、どう感じたらいいのか分からなくて、知りたかったのです。

 戦争を知らずに、ただ漠然と「戦争はいけない」と思うだけの自分に嫌気が差していました。だから「水木(しげる)」の物語を知りたかった。……そうした結果、観て良かったと思います。


ここからネタバレです。読みたくない人はスクロールなどしてください!
(※ネタバレ終わり地点にも告知があります)




──観て、何を思うのか?(ネタバレ)

『ゲゲゲの謎』は、決して戦争がメインテーマではありません。でも私は、作品モチーフは戦争×妖怪だと思っています。
 戦争が先だと思うんです。

 他作品ですが、朝ドラ『虎と翼』を観ていると「戦争が終わっても、戦争の感覚はしばらく忘れられない」というメッセージが伝わってきます。

『ゲゲゲの謎』は昭和31年の話(※終戦は昭和20年)。
 加えて、水木の戦争の記憶のフラッシュバックのシーンがあったり、そもそも龍賀一族がやらかしていることは戦争ありきの所業であって、令和の時代に生々しい残香を吹かせているのです。

 きっとこの点が、大ヒットの一因だと思います。

 もちろん要因は、水木たちの活躍や、それに繋がる鬼太郎たちの存在もあるのでしょう。
 でも哭倉村の龍賀一族は、戦争国家の縮図でもある。
 何回も観てきて、私はそのように考えています。


──何が一番好きか?(ネタバレ)

 私には推し作品が幾つかあります。例えば『鋼の錬金術師』とか『鬼滅の刃』とか。それらと『ゲゲゲの謎』に共通して言えるのは……推しが過ぎて、特定のキャラクターでは足らないということでしょうかね(笑)。

 いわゆる「箱推し」ってやつですね。
 もうみんな大好き。なんなら、安定のクソ爺である時貞さえ愛せるかもしれない(嫌だけど)。

『ゲゲゲの謎』は残酷な作品。
 でも、何度も観て、何度も何度も思い出して、何度も何度も考えるほどに、登場人物はすべて生きた人間なのだろうと思えてくる。
 私の心の中で、彼らは自由に生き始めます。

 沙代ちゃんも時弥くんも。
 時麿や乙米たちも。
 名もなき村人たちも……。

 私はたくさんの同志ファンの描くファンアートを嗜みながら、あったかもしれない幸せな未来を考えるのが好きです。

『ゲゲゲの謎』は未来を夢描く作品。
 探してみると、公式グッズでもそのようなものがあったりして嬉しいです。私自身はグッズを買ったりしないですが、すいません(笑)。

 もうね、『ゲゲゲの謎』のことを考えるだけで幸せ。
 水木もゲゲ郎も、鬼太郎も、幸せになって欲しい。




ネタバレは以上です。
以下は、まとめの文書です。

『ゲゲゲの謎』真正版を観に行きます

 明日、リテイク版の『ゲゲゲの謎』の再上映に行ってきます。

 いかように成っているのか……わかりませんが、久々のスクリーンなので楽しみです。なるべく万全の態勢で観に行きます。

 来場者特典、もらえたらいいな。
 楽しみだな~♪

 この再上映も、どうかヒットしますように!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集