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ブラック・フライデイ(Black Friday)の由来...英語ひとくちメモ
アメリカでは感謝祭(Thanksgiving)休日の翌日は、ブラック・フライデイ (Black Friday)、1年で1番活発なショッピング・デイです。感謝祭は毎年11月第4木曜日に行われ、今年は11月28日ですから、翌日11月29日(金)がブラック・フライデイはです。今や日本でもブラック・フライデイ・セールが大流行りですが、その由来については、Why Is It Called Black Friday? the True Story Behind the Name(Business Insider)を読むと、アメリカ人もあまり知らないようです。
大方の人は感謝祭翌日の金曜日に損で赤字(in the red)の店々が儲けで黒字(in the black)になるからだと言うでしょう。確かにそうかもしれませんが、この造語は155年前の1869年に起きた株式市場を揺るがしたある投資詐欺事件にその由来があるそうです。
The 'Black Friday' Gold Scandal | HISTORYによると、泥棒男爵(baron robbers)と称されるようになったJay GouldとJim Fisk 2人 が、金を買い占めて値を吊り上げ、結果、アメリカ株式市場崩壊をひき起こしました。株は20%もの大暴落、海外市場はストップ、トウモロコシと麦の価格は大暴落して農業生産者に大打撃を与えました。Black Fridayは最初このダークな(dark)事件を指す造語だったようです。
その80年後の1950年代から1960年代初期にかけ、フィラデルフィア市の地元民がそこで起きたある事象を指す表現としてこの造語Black Fridayを復活させたようです。当時、感謝祭(木曜日)の翌々日の土曜日(またはその次の日曜日?)には恒例のArmy-Navy Gameが開催されました。間の金曜日には各地からGame観戦の大群衆と感謝祭明けの買い物客が混じり合い、市内はいたるところごった返しになりました。それをへとへとになって捌いていた地元警察が「俺達にはこの日はBlack Fridayだ!」と自虐的に叫び広まっていったとのことです。面白いですね確かにArmy-Navyは犬猿の仲、名画M*A*S*H
でも朝鮮動乱前線でも両軍分かれてフットボールが行われるシーンがありますね。
この造語Black Fridayが1年で最も活気づくショッピング・デイとして使われるようになったの1890年代になってからです。(留学中の1970年代にこんな日あったかな?と思っていた筆者はこれで納得です。)小売業者が損失を赤い( red)のインクで利益を黒い(black)のインクで記載するという日本でもおなじみの会計上の商慣習になぞらえ、商売繁盛して黒字になるFridayというポジテフィブな意味でこの造語を使うようになり今や一大ビジネスイベントして定着しました。
ちなみに、英語の"black"という語は歴史的には(例えばShakespeareの作品などでは)ネガティブなダーク(dark)とかダーティー(dirty)とか邪悪な(wicked)などを暗示する意味( connotations)との連想が強く、1890年代にはまだそれを反映してか、この造語Black Fridayはネガティブなイメージで使われています。それから150年後の現在はとても明るく活気あるポジティブなイメージで使われています。
筆者はMartin luther king jr black is beutiful の影響があると思っています。拙稿「今こそ!名曲"この素晴らしき世界 What a Wonderful World "のメッセージ 」(その1)(その2)では、この点に触れ、"black"の意味論がポジティブなイメージで使われるようになった名曲としてこの曲を紹介しております。
ご存じのように、このBlack Fridayに端を発し、今やSmall Business SaturdayとかCyber Mondayなどというショッピング・ホリデイがあります。
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