沖縄県外でも琉球料理を作ってみよう-新米伝承人の試行錯誤
はいたい。こんにちは。
琉球ごはんの瑞樹です。
先日のnoteにスキをくださり、ありがとうございました。私もスキです。
琉球伝承人として、県外での活動をスタートさせた私。
ですが、この記事のタイトルのように「沖縄県外で琉球料理は難しい」ということ。
一番最初に当たる壁は、
沖縄ならではの食材をどうやって手に入れるか
です。
そもそも琉球料理とは、沖縄県の伝統的な料理です。
野菜は「島野菜」と呼ばれる、沖縄県独自の野菜を使います。
魚介は沖縄近海で獲れるもの、豆腐は島豆腐。豚肉に至っては「鳴き声以外を全て食す」と言われるように、肉だけでなく骨や皮なども使います。
神戸在住の私は、沖縄県にいた時のように食材を手に入れることができません。
以前は自宅で作ることも難しかったのに、こうしてごはん会を開催するところまでに至った私がしていることを今日は紹介します。
県外に住むウチナーンチュ(沖縄県人)や、県外にいながらして琉球料理や沖縄料理を愛する人の参考になれば、と思います。
メニューに沿ってご紹介します。
イナムドゥチ(豚だし・かまぼこ)
お祝いの時にいただく、とろみのある具沢山の汁物。甘さとコクがあり癒されるおいしさです。
材料を見てみましょう。
県外でも買える食材が意外と多くはないですか。
難しいのは「豚だし」「カステラかまぼこ」ですね。
「豚だし」は、本来は豚だし骨を使います。
沖縄県内のスーパーでは冷凍などで手軽に買えるのですが、県外だとそうはいきません。(鶏ガラはあるのですが)
私は神戸にいるときは、基本的には豚肉で豚だしをとっています。
豚バラブロックを買ってきます。
こうすると、あっさりとした豚だしが取れます。
続いて「カステラかまぼこ」
沖縄独特で、卵をたっぷりと使った柔らかめのかまぼこです。お祝いの時に食されるものです。一般的なかまぼこと比べると、塩分も控えめのように感じます。
真空パックなどで売られているので、帰省の時に買って帰ったりはしますが、毎回そうはいきません。
なので、なるべく柔らかい、塩分が控えめのかまぼこを選んでいます。
紅白のものよりも、焼き色がついた種類のかまぼこの方が、それに近い気がしています。
こうして我が家では時々イナムドゥチをいただいています。
娘の一才のお祝い離乳食として、作ってみたりもしました。
ゴーヤーチャンプルー(島豆腐)
次に、沖縄料理の定番のこちら。
ちなみにチャンプルーは「混ぜる」という意味の動詞と捉えられがちですが、そうではありません。「豆腐の入っていない料理はチャンプルーと呼べない」と琉球料理保存協会の安次富順子先生はおっしゃっています。
材料はこちら。
ゴーヤー(にがうり)は、いろいろな地域でハウス栽培されているので、買いやすいですね。なので問題なし。
難しいのは島豆腐。
本場では島豆腐という沖縄独特の豆腐を使います。
しかし県外ではなかなか売っていないですよね。
島豆腐は大豆を生のまま絞って豆乳を作り、にがりを加え加熱し固めたものです。一般的な豆腐よりも固く、風味があり、栄養価が高いことが特徴です。
ここでは手に入らないので木綿豆腐で代用します。
理由は、その他の豆腐よりも製法が島豆腐に近いからです。
ゴーヤーや豚肉と混ぜる前に、豆腐だけ焼くこと(赤ヤーチー、と言います)も欠かせない大事な工程です。
一手間ではありますが、おいしくなるのでぜひやってみてください。
んむくじあんだーぎー(紅いも・芋くず)
最後はこちら。
伝統的な料理「うむくじあんだーぎー」
沖縄の方言で「芋とくず(芋のデンプン)を揚げたもの」という意味を持ちます。
材料を見てみましょう。
はい。県外だと紅芋と芋くずは売っていないですね😅
紅いもは有名なお菓子があるので、知っている方は多いかもしれません。
芋くずは「?」となる方が多いのではないでしょうか。
紅いもは、加工されたものでないと沖縄県外に持ち出すことができません。法律で禁止されています。
ですので、もうそこは仕方なくさつまいもや、紫芋で代用しています。紅芋よりも甘さが控えめだったり、逆に甘すぎたりするので、そこは見極めや砂糖の量を調整する必要があります。
芋くずは、さつまいものでんぷんを取り出し、乾燥させた食材です。これも沖縄ならではのもの。うむくじあんだーぎーの他、「くずもち」や「ヒラヤーチー」などの料理に広く使われます。
芋くずが手に入らないことが多いので、片栗粉を使っています。
片栗粉はじゃがいもから取り出したでんぷんを取り出し、乾燥させたもの。芋くずよりも風味はないですが、生地をまとめ、もちっとした食感を出す機能は芋くずと同じです。
ただし片栗粉で作るうむくじあんだーぎーは、冷めた時に食感が落ちるのが早いです。電子レンジでチンして復活させています。
ここまでが、沖縄県外にいながらにして琉球料理を作る私の試行錯誤な取り組みでした。
ここには書ききれないことも、またどこかで紹介できたらと思います。
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