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8年前の記憶がフラッシュバックして、初めて自分のPTSDに気づいた話



これは、これを書き始めるに至る、たった数十分前に起こった話である。


まず、このフラッシュバックに関連する私のことを軽く紹介しようと思う。

・中学校上がりたて(2ヶ月弱)の頃、全く身に覚えのないトラブルの発端だとでっちあげられ、やがて孤立し不登校に
・中学3年間不登校、高校は広域通信制
・運動がとにかく苦手、嫌い。観るのは大好き
・性格は普段は明るい
・不登校の苦しみは溶けており、中学の同級生はみんな幼馴染だったため恨んでいない

・現在は専門学校生の2年、今年度卒業

こんな感じ。



そして今日のこと。

最後の思い出作りとして、学科で体育館を借りてみんなで遊ぼうという話になった。
笑えないレベルの運動神経の悪さを生まれ持った私は最初から乗り気じゃなかった。

しかし授業も兼ねられていたため、授業部分が終わればすぐに帰ろうと決心して私はその場へ向かった。

(もともと、風邪なのかついに私の人生で花粉症がスタートしたのか分からないが鼻水がここ数日出っぱなしだった)


先生は所用のため到着が遅れるとのことだった。
それまでの間、みんな思い思いにコートを設営したり、ボールで遊んだりしていた。

私の普段仲良い友達がみんな遊んでいて、私は半分嘘の風邪を理由に端でその様子を眺めていた。


すると、突然気分が悪くなり始めた。


8年前の記憶が、うっすらと頭にフラッシュバックする。
あの時の担任はスポ根の化身といったような人間で、体育の授業は地獄だった。

孤立しながらも耐えて学校に通っていた頃、そんな苦しみを知らない担任は「頑張ろう。やる気出して」と私に言った。
怖くて周りを見れなかった、あの空間がとにかく嫌で、苦しくて仕方なかった。



みんな、端に佇む私になんて当然目を向けない。

当然見て欲しいわけじゃないものの、その感じがあの時と酷似していた。

自分の苦手なことを嬉々としてやってのける目の前の同級生たちが、敵とさえ思えた。


涙が目に浮かんで、震えが止まらなくなる。
怖い。自分が情けない。死にたい。

もうここ数年縁のなかった希死念慮が心に湧いてきたことに対しても自己嫌悪がひどくて、それの無限ループ。


今思えば物理的に逃げてしまえばそれで済んだ話だが、ひとりで外に出るのはなんとなく違和感があるかなと思ってしまい、ずっとその場にいた。


忘れたはずの苦しみが蘇る。
完全に記憶を切り離すことに成功して、第2の人生を送れていると思っていた。
勝手に、成長できて自分は全く違う人間に変わることができたと思っていた。


あの時とは違って恋人だってできたし、視界の中には気にかけてくれる仲のいい友達もいる。

そんなはずなのに、8年前のあの頃から何も変わることができずにただ震えている自分が悔しくて仕方なかった。
一生、自分はこのままなのか。


次の予定まで私の家でゆっくりしていた恋人に、メッセージで怖いという旨を伝えても、そういった経験が全く無い彼はよく解ってくれない。

その話の途中で、呑気に「俺が家出るまでに(私)帰ってこれるかなー?」なんて言ってきた彼に、「今それどころじゃない」と少し冷たく返してしまった。


一度この文章は途中で下書きに入れて、今は翌朝に書き足している。

少し時間を置いた今でも、彼への返事をどうしたらよかったのか分からない。でも、私の苦しみをガン無視されたのはとにかく快くはなかったのだ。

もともと、彼は私の暗黒期(不登校だった時、高校に上がってもあまり外に出なかった時)の話題に触れると、私が話を変えるまで気まずそうに黙っていた。
彼にそういった話題に於いての期待はしないほうがいいんだと確信した。



数十分遅れで到着した先生の話が終わると、すぐさま帰路についた。一分一秒でもあの空間から逃げたかった。

先生と少しだけ雑談すると、少し気持ちは落ち着いた。
建物を出て外の空気に触れると、もっとマシになった。
極限まで鎮静しておこうと、人通りの少ない道でタバコを吸った。


明らかなPTSDの症状の発現に、自分でも驚いた。


あの空間にいた時、自分の今の苦しみに向き合うべきなのか、早く蓋をして楽しいことを考えるべきなのかも分からなかった。
今まで、蓋をして、その上に蓋をして生きてきた。

だからその頃の苦しみも、具体的なことは忘れていたし、考えないようにしていた。

ずっと、中学生や高校生が制服着て歩いてるのを見たら、どす黒い青春コンプレックスが自分の中でぐるぐると渦巻いていた。

でも、本当にそれくらいだった。はずだった。

中学時代は駐車場に入ることすら嫌で仕方なかった近所のコンビニも、高校生になってからは余裕で行けるようになっていた。

それ以外は、初めて不登校と引きこもりを経験してると話した人には「(私)が!?嘘だ!!!」と驚かれるほど、普通の人間でいられた。周りの大人に理由を伏せて不登校だったことを話すと、「(私)が学校行ってなかったの!?ヤンキーじゃん…」「よくそこまで明るい人間になれたね。すごいことだよ」と言われていた。


自分でもそう思っていたのに、今回PTSDが発現したことによって、今の自分が本当の自分かどうか分からないというちょっとした恐怖感が生まれてしまった。

あの頃と何も変わってない。全部無理してただけなんじゃないか。


PTSDを少し調べたところ、症状の一部として《回避》というものがあるらしい。

今まで「忘れられた」と思っていたのは全てPTSDの回避症状だったのかもしれないと思うと、気が滅入る。

そうだとしたら、私は8年間ずっとPTSDと付き添っていて、これからも克服できる兆しがないのだ。


あの場から離れて、家に帰ると、恋人は寝ていた。(多分気まずさ回避の寝たフリ)

苦しさとか悔しさを解ってもらいたいと思わないことも無かったが、くよくよしてても何も変わらないし、解ってもらえなかった時彼に失望したくないと思った。

そのまま普段通り接すると、彼も私も本調子に戻ることができた。

だから、今回のことを受けて医療的に改善しようとは思っていない。突然のことだったが、これから子供でも産んで順調に育てない限り、フラッシュバックしそうな環境、機会はもう訪れない。

今までもこれからも、精神科を受診したいと思うことはない。恐らく、このまま目の前の幸せだけを見つめていれば私は生きていけると思うからだ。

たぶん、大丈夫。


忘れたはずの記憶がまた自分を苦しめたことに対しての悔しさはあるけれど、私がこれからも幸せに生きるためには、ネガティブな感情を捨てていくしかない。


出来事、感情、感想が入り交じるぐちゃぐちゃな駄文で申し訳ない。
あんな思いをする人が少しでも減りますように。。

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