見出し画像

第3回 国際発酵・醸造食品産業展

 
 こんにちは! 企画部の(由)です。
 今回は7月30日(火)~8月1日(木)に東京ビックサイト(東展示棟5・6ホール)で開催された第3回 国際発酵・醸造食品産業展についてリポートします。
 国際発酵・醸造食品産業展は、「発酵食品」「醸造食品」にスポットを当てた日本唯一の専門展示会です。
  

エヌ・ティー・エスも出展していました! ご来場いただいた皆さまありがとうございました!

 
 出展されたブースの中からいくつかご紹介していきます。

花がお酒に! 花酵母から作る飲むお花見リキュール「Enju」(Ichido株式会社)


 ブースを見て回っているとひと際華やかなコーナーを見つけました。
Ichido株式会社では、花酵母から作ったリキュール「Enju」を紹介していました。

パッケージも中身もかわいらしいデザイン


 「Enju」は花酵母を使用して醸した米焼酎に飲みやすいようリンゴや桃の果汁で割ったリキュールです。花酵母は大桑原つつじ園の太陽ツツジと、福島県夜ノ森に咲くヤエザクラから採取しているそうです。
 実際に試飲してみると、花の香りが鼻を抜けてその後爽やかな果汁を感じました。まさに飲むお花見、口の中に春が広がるようなリキュールでした。
 また、味だけでなくボトルやパッケージにもこだわりが詰めこまれています。
 飲み終わった後のボトルは花瓶として再利用ができます。花瓶として使いやすいように重心が低く、厚みのあるボトルが採用されています。
 外箱はマグネット式で開閉でき、ボトルを固定する紙を外すと小物入れとして使えます。内側のデザインもかわいらしく、捨てるのがもったいない、と思う作りになっていました。
 

あなたにピッタリな1杯をソムリエAI「KAORIUM」が提案します。(SCENTMATIC株式会社)

 おしゃれなレストランに行って、どのお酒を飲んでいいか分からない、という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
  せっかくおすすめを聞いてもお酒に明るくないと説明を難しく感じることもあるかと思います。悩んだ結果、安全をとって有名な銘柄やいつも飲んでいる銘柄を選択してしまうということもあるかもしれませんね。
 ソムリエAI「KAORIUM」はタブレットひとつであなたにピッタリな1杯を提案します。

気分や味わいなどからお勧めの1杯を提案してくれる

 「気分」や「味わい」、「産地」を選択し、自分がいま求めているものに近い単語を選択していくと条件にマッチしたお酒をAIが紹介してくれます。
 あたたかみ、つめたさといった風味の表現が文字情報だけでなく色であらわされるためお酒の知識がなくても、感覚で自分に合ったお酒を選択できます。今まで辛口、甘口といったアバウトな表現に困っていた方も、これなら手軽に好きなお酒が見つかるかもしれません。
 
 また、今まではおすすめのお酒を聞かれても人手不足のため、あるいは知識不足のために十分な説明ができなかったお店も、AIの力でお客様に寄り添ったおすすめができるようになります。
 会場で実際に操作を体験させていただきましたが、感覚的にピンときたものを選択するだけで自分が好きそうなお酒をお勧めしてもらいました!
 日常的にAIのサポートが受けられる昨今。今後は嗜好の時間での活躍の場もさらに広がりそうですね。
 
 

お弁当箱から蒸気!? いつでもアツアツを食べられるお弁当箱 (株式会社ヨシザワ)


 
 展示会テーマの「発酵・醸造」とは少し離れますが、とても興味深いコーナーを見つけましたので最後にご紹介します。
 
 新幹線の中で駅弁を食べながら景色のうつろいを見る…。旅の醍醐味ですね。
せっかくなら出来立てで温かいとさらに旅のわくわく感が増すのではないでしょうか。
 株式会社ヨシザワのブースでは、いつでもアツアツが食べられるお弁当容器「蒸熱BOX」を紹介していました。
 

2層構造になっていて真ん中から紐が垂れている

 
 2層構造で真ん中から紐が垂れているこちらのお弁当箱。紐を引っ張ると、下層にセットされている生石灰と水が反応し水蒸気による熱を発します。10分ほど待つとアツアツなお弁当の出来上がりです。

実際に湯気が出ているところ

 加熱材は、使い捨てカイロと同じ扱いで処分ができるため手軽です。
 蒸気による熱で温めるため、火の使用を制限される乗り物の中や、災害時でも使用できるのも魅力のひとつだと感じました。
 これからの行楽シーズン、お弁当の容器にも注目ですね!
 
 「発酵食品」「醸造食品」と聞くと昔ながらの技術や、伝統を重んじた製法が思い浮かびますが、今回は最新の技術で伝統を継承する試みがたくさん見られました。
展示会を通して、技術の進歩は伝統を受け継ぐために必要なことなのだと感じました。
 
 私も、日々新たに生まれる技術を皆さまにご紹介できるように、もっともっと勉強重ねていこうと思います!
 会場にてご説明いただいたみなさま、ありがとうございました。

 (取材:由)〈2024.08.16〉 

★伝統食品の美味しさの科学(2024年6月発刊)
★発酵と醸造のいろは(2017年10月発刊)