きっと、うまくいく(3Idiots)
はじめまして。または二度目まして。
にしうらつかさ(@nsurtks)です。
評論ではなくてあくまで「好きなもの紹介」をしたいと思っています。
でもいざ記事にすると決めて、改めてメモをとって調べたりしてると、思考が分析っぽくなっていってしまう。いや、いいことなんやけどちゃうねん。ただ魅力を伝えたいです。頑張ります笑。
好きな映画の紹介です。今回は「きっと、うまくいく」です。
映画の場合、すべてを話してしまえば観る必要がなくなる。観たいと思わせたいのです。ネタバレがどうしても嫌な方はもうTSUTAYAに走るかプライムビデオですぐに視聴してください。できるだけネタバレしないように面白そう!観たい!と思ってもらえるよう頑張りますので、もしよろしければこの先読んでいってくださいませ。
★概要
きっと、うまくいく(3 Idiots)
2009年公開インド映画 / 2013年日本公開
超難関理系大学ICEの学生3人の爆笑学園コメディ。型破りな自由人、成績学年トップのランチョーと、学年でワースト2の成績ファルハーンとラージュー。3人の波乱万丈な学園生活。
エンジニアを目指す秀才たちが命をかけるように競争するキャンパス、「1番になれ、1番でないと意味がない」と煽る鬼学長に真っ向から立ち向かうランチョー。ランチョーと関わることで変化していくファルハーンとラージュー、3人の葛藤と成長、友情のストーリー。
物語は大学卒業から10年後、行方不明のランチョーを探すところから始まる。わずかな手がかりを頼りにランチョーを目指す1日。学生時代は回想シーンとして同時進行で描かれる。
ランチョーはどこにいるのか、何故行方を晦ましたのか、一体なにがあったのか・・・
監督ラージクマール・ヒラニさん
主演アーミル・カーンさん(ランチョー)
★つかみ最高
まさに「ランチョーとは?!」というテーマの冒頭。
旅行へ出発する飛行機の離陸のタイミングで一本の着信により顔色を変えて、仮病を使ってまで飛行機を止めて引き返すファルハーン、休日でまだベッドの上、夢うつつのところへ一本の着信、顔色を変えて5分で家を出るズボンを履き忘れたラージュー、何事か?と思う慌ただしさ。正気ではあり得ないような反応と行動力の2人。
とにかくランチョーにとっても会いたい2人が、わかりやすく描かれている。勢いがあって引き込まれるわくわくする冒頭。
オープニングに限らず10年後の2人は常に“ランチョーに会いたい”の一心で行動している。手がかりを見つけるたびにすごく嬉しそうな表情を見せる。
★キャラクターがそれぞれ良い
ここでは二人ピックアップして書きます。
・学長
完璧主義者。先を越されるのが嫌い。時間を無駄にしたくない。シャツのボタンはマジックテープ仕様、ネクタイはフック仕様。訓練の末、両手で同時に別の文字を書けたりする努力家である。
男はエンジニアに、女は医者にという考えが強く頑固である。
同情は一切しない。−−−−−と、THE悪役であり続けようとするが、、ランチョーたち3人と関わることで明らかに動揺があり、少しずつ影響を受けていく。だが許せない、と自分の信じてきたことを覆すことを容易にしない、軸の強さがある。それでも心が動いていく学長の葛藤がリアルで良い。ずっと悪役であり続けてくれた学長だから最後、あのシーンが胸に響くしすごく愛おしく思える。
・チャトゥル
学年トップ2の成績、いじられキャラ。まさに学長が思い描く正統派の優等生、−−−−−でいることに必死な純粋で間抜けな可愛いやつ。
型にはまることで評価を得て優越感に浸って生きている。長いものに巻かれるタイプ、世間一般的に良いとされるものを鵜呑みにし丸暗記してきた従順なキャラクター。彼の頑張り方、目指すものはこの物語では一見間違っているかのように描かれている。だがしかし本当にそうなのだろうか、、。
成功の形や、勝ち負けをすごく気にしている。でも私が重要だと思うのは学生時代も10年後も、彼は貧困でも孤独でもないし紛れもなく秀才であって、十二分に“成功”していておそらく多くの人に“勝っている”という点。つまりチャトゥルは「1位じゃなくても幸せやん」の象徴なのである。
この作品にとって(ランチョーたち“3人にとって”は同じではない)チャトゥルの存在意義は大きい。いかにもこういうやついるという存在。それに実のところこの10年後の再会も彼のおかげなのだ。彼の生き方や人生を考えることでこの物語の見え方は深みを増すように思う。
ランチョー、ファルハーン、ラージューがいいキャラなのは当然で、サブキャラがいい味出しているのがこの映画の面白いところ。名前だけ出す程度になるが私は“ジョイロボ”や“スハース”もすごく大好きだ。みんなストーリーにかかせない重要な役どころで、それぞれの人生が見えてくる。
★インド映画のイメージ
私はインド映画を観たことがなかった。“すごい踊る”というのはなんとなく知っていたくらい。だから他との比較というのが私にはできない。ストーリーと関係なく突然歌ったり踊るようなイメージを勝手に持っていた。ただこの映画では気にならなかった。というより、歌がすごくいい要素のひとつとなっていた。歌とダンスでとことん明るく楽しく盛り上げたのちに急展開する演出はお見事だった。素晴らしいミュージカル映画だった。
★自分の人生を生きろ
この映画の大きな裏テーマ。自分の人生とは、なんだろう。生きるってなんだろう。確かに“ランチョーのように生きることが正解”というわけではない。ただ“ランチョーのように生きたいと心のどこかで少しでも思う”のなら失敗を恐れず一歩踏み出すべきなのかもしれない。ただその全ての選択が自分の意思で、自分の責任であることが大事なのだと私は思う。この映画を観て思うことは人それぞれだろう、成功の形や幸せの形もそれぞれだけど、私は「みんな“自分の人生”を胸張って生きよう」というメッセージを感じる。
この映画でなにを感じたか、いろんな感想が聞きたい。見たことある方は映画について思うことなどコメントしてくれると嬉しい。様々な受け取り方を知ってまたもう一度角度を変えて観賞したいと思う。
★会う喜び
時事的な話になるが、コロナ禍の外出自粛の最中家で一人でこの映画を初めて観た。滅茶苦茶に心揺さぶられた。人生について考えさせられたのはもちろんだが、もう一点“今だから”強く感じた部分が、“会う”ということ。
大学の卒業以来10年、連絡が途絶え行方不明だった親友に“会いたい”という純粋な思い。会えなくて連絡も取れないのは、安否もわからないのと同じ。確かなのは会うことだけ。10年後のファルハーンとラージューは判断も早くて行動力もありたくましいが、“会いたい”思いは少年のようにまっすぐなものだった。そこが私はすごく微笑ましく思えた。
オンライン化が推奨される現代、便利なものは使うべきだが便利というのは少しあっけなくなることだと思う。面倒なことや必須でないことこそが生きてる実感が湧く選択だったりしないだろうか。“好きだから”とか“やりたいから”とかそういう選択を大切にしていきたい。
メールは本人かわからないし、電話も顔が見えないしテレビ電話も画面外でなにがあるかわからない。便利なツールとして、新しいエンターテイメントの様式として活用はしていくべきだが“会って”感じること、目と目を合わせて一緒に笑うこと同じ空気を吸うこと、その喜びは忘れたくない!そんなこともこの映画から私は感じた。
★おわりに
前回の記事公開直後にこの映画について書くことを決め、締め切りを自ら設定したが驚くほど進まなかった。何度も観るといろんなことに気づくし気になったことを調べるとどんどん面白くなった。同時に矛盾点や違和感も数点でてきた。
でも私が書きたいのはただ“面白いんだよ”“凄いんだよ”の中身だった。だからと言ってその中身だけかいたとて映画を見ていない人には何も伝わらない、。難しかった。今回は何度も全消しした。前回少し長すぎたかなと反省もあったから今回できるだけ絞り込みたかった。だから本当にこの映画を見た人と話したらもっともっと語れるし他にも好きなシーンやキャラクターなどたくさんある。それくらい削った。シンプルに、箇条書きでという形は前回同様ではあるが、これで伝わるのかはまだまだ未知である。でも“うちが強く感じたところ”をピックアップできたので今回はこれで勝負かなと思う。
興味のない文章を長々と読むことはないだろうから、恐らくここまで読んでくれた人は #映画 #インド映画 #ボリウッド #きっとうまくいく #3idiot など何かしらに興味がある方だろう。感謝申し上げます。これを機に #にしうらつかさ にも少し興味を持っていただけると嬉しいな、なんて思います。
映画「きっと、うまくいく」をご覧になっていない方、ためらう気持ちはわかります。170分は長いです!でもお時間がありましたらこの映画を選んでみて損はないはずです。感じ方は私とはまた違うかもしれませんがどんな境遇、環境の方でも、必ず何か影響を受けるだろうと思います。是非!深く考えず170分間ぼーっと楽しんでください。
映画「きっと、うまくいく」のファンの方、拙い文章にお付き合いくださりありがとうございます。私なりに(※ネタバレしない範囲で)この映画の長所であると思ったポイントをピックアップして書きました。この文章に対する感想、ご意見ももちろんですし、映画の好きなシーンなどについてもコメントくださると幸いです。
次はもう少しライトな感じで書くか、1ヶ月以上空いてしまうかと思いますが、自分が感じたことを“考えて”“まとめて”“伝えるために書く”というのは、していくべきだなぁと感じるので、もしよかったら次の記事も楽しみにしていてください。貴重なお時間を私にくださり有難うございました。
にしうらつかさ
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