趣味に「気づく」
自己紹介で趣味を言うのがとても苦手だった。
読書家と言われるほどの量も、難しい文学にも触れていない。
あの大きなスクリーンは好きだけれど、映画鑑賞というほど映画も観ていない(ホラーは観られないし、アクションも音が大きすぎると苦手で観られる作品が少ない)
インドア派の趣味リストとも当てはまらず、長年「無趣味」と答えるか、「(開拓はワンシーズンに一回くらいだけど)喫茶店巡りが好きですかねぇ」と曖昧に答えていた。
ストレスも関係して、体力気力がぐっと落ち病院でも「趣味はあった方がいい」と聞き、趣味を「つくらなければならない!」と本屋の趣味のコーナーをぐるりと見て回ったりもした。
大学時代に魚眼カメラが楽しくて写真を撮っていたりしたので、写真はどうかな、イラストはどうか…塗り絵なら…といったかんじで色々と試してみた。
どれも続かず、あらためて「趣味」ってなんなのさ?と調べたら、「仕事につながるとかほっといて、その個人が楽しみにしていること」との事。
私が楽しさを感じるのはノートに向かう時。それもイラストを描く、日記をかく、手帳をデコる、という目的を決めるよりも、雑多な思いを全部、子供のころに使っていた自由帳を使うようにノートにむかう事だった。
いろんな色のペン、ハンコ、ノートの紙の質感に向かっているだけでワクワクして、過去に描いた落書きにほっとする。この紙の上では誰の制限も受けなくて良い。
わたしにとって趣味はつくる、というより「気づく」だった。そばにあったけどずっと意識していなかったけれど、気づくと今までよりも周りの景色がすこしクリアに見えたりする。
趣味って楽しくて面白いもの。
どんな時でもそばにあるもの。
そんなことに改めて気づいた夏の夕暮れ。
ここまでお読みいただきありがとうございました(*´꒳`*)