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徳島インディゴソックス公式noteの中の人として

お疲れ様です。
2020年、大学1年生から4年間徳島インディゴソックスの広報にインターン生として関わらせていただいています。2024年4月からは社会人になり、立場が変わるということで特に活動期間中に力を入れていた徳島インディゴソックス球団公式noteについて振り返ってみようと思います。

(2024年シーズンもチームには関わり続ける予定です)



【衝撃】2023年の6人指名

4年間で1番印象に残っているのは間違いなく2023年のドラフトです。そもそも個人的に「ラストイヤーになるな」と思って特別に気合が入っていました。候補選手が多かったので世間がドラフトに対して盛り上がってくる前から、1か月以上かけて用意を進めていました。

何にそんなに準備が必要かというと基本的には「データの収集・出力」です。2023年から一球速報がスポナビに変わったこともあり、基本的なデータ(セイバーメトリクスの初歩的なやつも)は出力しようと思えばようやく出来るようになりました。選手のデータ・情報はいっぱい載せたい、試合での生データはある、処理は自分でするしかない、よしやるか~!そんな状況です。もちろん、数字を弾き出すだけでなくそれをどう考察するか・解釈するかまで考え抜く必要があります。

2023年は8人分の記事を用意をして、椎葉剛宮澤太成井上絢登シンクレアジョセフ孝ノ助谷口朝陽藤田淳平の6人がNPBへ。6人というのは同一チームから指名された人数としては歴代史上最多の人数で、当日は「これ何人行くんだ?」と非常に興奮しました。

サムネイルも何パターンも作って試行錯誤。。。
キャッチコピーも納得するまで頭捻ったり連想類語辞典と睨めっこしたり

この快挙に球団としてのもちろん反響も大きかったですし、その中で「まずこれを読めシリーズ」にも反応してくださってる方がいたのは嬉しかったです。ドラフトが終わってからはエゴサしながら、準備した甲斐を噛みしめまくりました。

増田将馬がくふうハヤテベンチャーズ静岡に入団し、それを受けてドラフト用のnoteを一部改変し公開。2023年は最終的に8人中7人分を公開しました。

これまでも
2020年 行木俊 戸田懐生 ほか3選手
2021年 村川凪 古市尊 
2022年 
日隈モンテル 中山晶量 茶野篤政 ほか5選手
と指名された選手を紹介するnoteを用意。
独立リーグは選手の情報が少ないので、なるべく情報量たっぷりでお届けすることを意識しています。そういう意味では2023年verは超情報充実作!

「まずこれを読めシリーズ」の感想で「選手への愛情を感じる!」というものがありました。そもそもこのようにnoteで指名直後に選手を紹介する記事を公開しているのは、指名球団のファンの気持ちになったときに「指名された選手のことを詳しく知りたいだろう」と考えていたことがきっかけです。「愛情」というよりも「使命感」のような気持ちで書いていて、愛情と表現されたこと、捉えていただいたことにはちょっと驚きました。

そもそも独立リーグは年間68試合(四国ILの場合)をペナントレースとして戦っており、それだけの試合数があれば、大なり小なりデータが揃えられるべきだと個人的には考えています。「選手の良さ」を語る上で、打率や球速は必要なものですが、それだけでしか語れないのであればもったいないことですし、成績向上という点でも使えるデータがあるんじゃないかと思っています。個人の持つ感覚とデータが語る現実がズレることもありますし。

(紹介記事がプレイヤーデータばかりでパーソナルな面まで用意できてないことには気づいてます……)

それらのデータも使って「この選手はこういう選手ですよ!」って伝えることがこのドラフトで公開しているnoteの目的です。これをきっかけに選手のことを応援してもらえると嬉しいですし、もしよければそのまま徳島インディゴソックス球団の方にも興味を持ってもらえるといいなと思います。(これが愛情?)

データの使い方はX(旧Twitter)で選手データを発信している方やデータサイトを見て、参考にしています。特に数字の「どういう意味がある」「どうすれば直感的に理解しやすい」というところ「数字の出力・表現」にはこだわってきました。私個人は特段、アナリストという訳でもないですし、野球歴は少年野球(半年程度)~中学軟式野球の7番レフト兼敗戦処理投手ということもあって自分の「感覚」「見る目」にあまり自信はありません。なのでなるべく正しい数字を、正しい解釈で、伝えたい通りの伝わり方になるよう毎回気をつけています。ある意味、この表現を考える時間が記事を書いていて1番楽しい時間、自分にしか書けないものを作る実感がある時間でもあります。

SNSの発信やYouTubeでの動画公開など徳島インディゴソックスは独立リーグで1番、もっといえば一部のNPB球団にも勝る「積極広報シフト」を敷いています。その中で「最もマネできない」と自信を持っているのがこのドラフトの時の選手紹介noteです。完全に個人技。独壇場。天上天下唯我独尊。


【嗅覚】バズるかも?と思えたか

noteではないですが、4年間広報をやっていて渾身の投稿があります。それは2023年6月24日のこの投稿です。

ロドルフォ・マルティネスが164km/h、椎葉剛が157km/hをそれぞれ計測した試合です。独立リーグではまず見ない、異次元の球速を叩き出したことで試合を観ていた人を中心にX(旧Twitter)が少しザワザワしていました。

そこに畳みかけるように急いで両投手の登板をまとめて動画として仕上げて、投稿したのがこの2つでした。22時前に試合終了の投稿を出して、23時前後にマルティネス、椎葉をそれぞれ投稿。実際には投稿文と動画のサムネイルを担当して、動画は球団職員の方が編集したのですが、スピード感を持ってこのビッグイベントに対応できたこと、広報としての「嗅覚」をちゃんと持てているなと感じました。結果として反響もがっちり得られて、「まぁいいか」と流さずにやれたことに自分自身の経験値の蓄積を感じました。



ここからは思い出

【緊張】テレビ越しに見ていた選手に

4年間の中で1番緊張したのは徳島IS出身の巨人・増田大輝選手へのインタビューを企画したときです。何気ないミーティングの中でのやりとりからいつの間にか担当となり、質問を決め、構成を考え、増田選手へ取材させていただきました。

【増田大輝インタビュー前編】独立リーグからの成り上がりの「秘密」!
【増田大輝インタビュー後編】盗塁技術・積極走塁に迫る!!

この年、増田大輝選手はセリーグ盗塁数で2位とブレイク、甲子園で登板するなど非常に注目度の高い選手でした。限られた時間の中で面白い話を引き出したくて頭をフル回転させましたし、いろんな質問に増田選手も快く答えてくださってすごく楽しい思い出です。内心「おお、本物だ~」というのを頑張って抑えました。ちゃんと内容もしっかりしてます。

(サムネ写真は読売巨人軍から提供いただいたものを使用)

【教科書】お気に入り企画①

巨人・増田大輝選手へのインタビューをはじめとして、これまで様々なOB選手にインタビューを行ってきました。その中で「独立リーグからNPBへ指名されるには?」というテーマはどの選手にも共通して聞きたい部分です。「そこだけを集めて、その通りにすればドラフト指名される可能性が上がるのでは?」と安直に考えて切り取ってまとめているのがこのnoteです。

インディゴOBが語る!独立リーグからNPBに行くためには?【まとめ】

この企画は単純にインタビューを多くしないと成り立たないですし、徳島インディゴソックスの実績ならインタビューが多くできるという背景があるからこそできるものです。「徳島ISだからこそできる」という価値があると考えています。

あとシンプルにサムネイルがお気に入り。このnoteは教科書みたいになればいい!と考えて、教科書をイメージしています。なので、noteのサムネイルが横長なことを完全に無視したデザインにわざとしています。


【PUP】お気に入り企画②

数多くのOB選手がいて、NPBの1軍でも活躍しています。その中で2021年の岸潤一郎選手は独立リーグ出身選手の日本人選手最多の9本のホームランを放ちました。その活躍を日付順に追ってまとめたのがこの「Pick Up Players 番外編」企画でした。元々は徳島インディゴソックスのシーズンで活躍した選手を特集する企画で、そこから派生させたものです。

【L岸潤一郎】大活躍の2021年シーズンを振り返る!!【Pick Up Players 番外編】

このnoteのテーマは「ここに全部入ってる」です。細かい活躍も含め、話題となったもの、取り上げられたものを漏れなく調べてとにかく詰め込む。ファンの気持ちになったときに中途半端に取り上げられるより徹底的にくまなくやった方がいいだろうと思って、徹底的に濃度が高くなることを意識しました。

あとなぜかこの時期「黒とピンク」という配色にハマっていて、使いたい色で納得のサムネが作れたこともお気に入りの理由の1つです。


【検証】お気に入り企画③

徳島インディゴソックスのことではないのですが、2021年オフに同じ四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズ出身の又吉克樹投手が独立リーグ出身選手として史上初めてFA権を行使しました。その凄さを伝えたいなと思って書いた「検証企画」です。

独立リーグ出身選手史上初のFA権行使の凄さを検証してみた。

又吉投手の動向が注目されていたこともあって、このnoteも多くの方に読んでいただきました。反響の大きさが印象的なのと、当時の調べで独立リーグ出身で現役を引退した選手のうち4年目までに49名のうち38名が退団しており「4年目が壁」という事実に大変な世界だなと改めて思わされました。


【制作活動】お気に入りサムネイル①②③

記事を書くところだけではなく、まず最初に目につくサムネイルにも時間をかけて作っています。むしろやってて楽しいのはサムネ作りの方かもしれません。デザインしていくとちょっとずつ思いつくデザインや参考になるデザインの見つけ方がわかってくるもので、1,2,3年目のものは今見返すとうーん、イマイチという感想です笑

【KBOドラフト】チャン・ヒョンジンを徹底解説!【장현진】

韓国出身のチャン・ヒョンジン、2023年KBOドラフトでの指名に備えて用意したのがこのnoteでした。ハングルを入れたことと青と赤で韓国の国旗をイメージしたところがポイントです。もちろん、記事そのものも詰めて書いてます。

【まだ間に合う】シーズン最終盤!いざ、11年連続指名へ徳島ISの注目すべき選手は?

2023年8月後半に公開したnoteです。シーズンがNPBより一足早く終わってしまうので、すでにシーズンは終盤。さらに高校野球が始まると独立リーグへの注目度が下がってしまう傾向があります。高校野球が終わったタイミングを狙って戻ってきてもらうことを意識してドラフト注目選手をまとめたのがこのnoteです。記事内で各選手を漢字三文字で表現したのもこだわり。

でかでかと入れた「俺たちを見ろ」はいかにもな、ありきたりなフレーズですが妙にしっくり来ていました。出来上がってから急に「なんか全体的な配色がすき家っぽいな」とも思いました。

フェニックスリーグ参戦!【四国IL派遣選手名鑑】

2022年のフェニックスリーグに参加する四国アイランドリーグの選手を勝手に紹介するnote。色使いやフォント、文字の配置など明らかに本屋で見たことのある「選手名鑑」を意識したものに仕上げました。再現するぐらいの勢いで寄せにいったサムネイルだったのですが、想像以上にうまくいきました。


【〆】

実は(記憶が正しければ)2023年途中に福岡ソフトバンクホークスに抜かれるまで野球チームとして最も多いnoteフォロワーを獲得していた徳島インディゴソックスのnote。2024年1月下旬時点で1500人近い人数がフォローしています。4年前にインターンに参加した当初はアカウントはあったもののそんなに動かせていなかった状態で、そこからここまで運用して持ってこれたことは個人的に実績と言っていいものかなと思っています。結構頑張ったし。

高校3年生現役での大学受験は失敗し、1年間の浪人を経て再受験。合格を勝ち取るもののコロナ禍となり、想像とは大きく異なる大学生活を過ごしました。ただ、ここで1年ズレたことで徳島インディゴソックスという球団のリモートインターンに大学1年生から広報に関われることができました。いろんなことに前向きに取り組ませてもらえる環境だったことで想像以上の経験ができました。そして2023年の6人指名という歴史的な快挙で(誠に勝手ながら)有終の美を飾ることもできました。

「徳島インディゴソックスのおかげで有意義な大学生活を送ることができた」というなかなか世にも奇妙な、でも本当の言葉で、一旦このインターンの締めくくりとしたいと思います。ありがとうございました。

(注:2024年シーズンは今までのように最前線で広報活動に参加するわけではないだけで、最前線のインターン生にアドバイスできればと考えていますし、なんちゃってデータ班として提供できるものはしていくつもりです!よろしくお願いいたします!)

<文>
S.N.

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