【ホラー映画】動物界~多様性と共生、そして本当の自由とは?最後は泣けるフレンチホラー~
先日、フレンチホラー映画の「スパイダー増殖」を記事にしたばかりですが、同じ時期にこんな素敵なフレンチホラー映画(スリラー)も見つけました👇️
この「動物界」、何が凄いと言っても、ありとあらゆるものがストーリーの中に詰め込まれていて(ホラー・人権・多様性・共生・精神疾患と自由・暴力・家族・恋愛など)、しかも上手くまとまっているとても奥深いホラー映画なんですよ!
しかも、これは私が個人的な感想として言わせてもらいますと…
「人として繊細な部分(人権的な)を感じ取れない方には、ちょっと難しい内容になってくると思います。たぶん、面白くない!と評価されるかもしれません…」
まあ、はっきり言うと、真っ二つに評価が割れる作品ではないかな?と思いますが、特に日本にはまだ早かった内容かもしれません💦
ただ私は(日本人ですが)、ラストで目ウルウルってなりましたからね💧いや、これホラー映画なんですけど?みたいな…
内容的には、何らかの奇病が世界で流行しているのですが、それは人間がある日から、何かの動物(種は選べない)に変化して行くというもので、その過程で人間としての知能も低下して、他人に危害を加える可能性が出て来る為、隔離・拘束が必要になるというもの…
しかも、現時点では、とりあえず鎮静剤で対処している様子ですが、どうやら決定的な治療薬もなく、原因も不明(感染か?遺伝か?環境か?食品か?)という世界の状況。(これはポテトチップと食品添加物の話しからも推察できる)
そんな状況下でストーリーは、両親と一人息子の一つの家族を中心として展開します。
また、その家族の母は既に発病していて、母は動物化(劇中は「獣」と差別的に呼ばれる)し、病院に入っているのですが、その部屋の壁の至る所に、牙や爪による破損が見られ、また主治医の「自宅で看るのに拘束は大変だったのでは?」や、「最近は、薬が効いて問題行動を起こさない」というセリフから、どのような治療がそこで行われているのかが想像できます。
(わかりやすく言うと、一昔前の精神科医療だ)。
という、ここまでを土台に押さえていないと、たぶんもう観ていてわからないかもしれません💦
映画・COMなんかで評価コメントを見ると、やっぱりコロナ感染症をストーリーに被らせて観ている方が多く、「みんな(未感染者)が、普通に生活しているのが意味わからない?怖くないの?」や、「病院に感染者が行って問題ある?ちゃんとした病院みたいだけど?何故病院行かないの?」みたいなコメントを見て私は、この方向の問題に関して、「まだフランスには当分追い付きそうにはないな…」と思いました。
「そもそも、隔離・拘束って普通されたいものですかね?」
「病院(病人)なら仕方ないものですかね?」
このことが理解できていないと、残念ながら、この映画…全く面白くない作品になります💦
お父さんも息子も、お母さんをあんな所(病院)なんかに本当は、入れたくないんですよ!だから、お母さんを守る為に、移転した新病院に自分たちも引っ越したんですね💦
その引っ越した先の南仏の美しい小さな村で、お母さんや他の病人たちにトラブルが起こり、お父さんはどう行動し、村で何を見て、何を感じたのか?
また突然この病気を発病した息子は、どんな目に遭うのか?理解的共感を示したのは誰だったのか?(この女の子がまた美人なんだな💧)それは何故なのか?
そして、警察や軍隊、村の人たちは一部の病人が暴れた為に、被害者を出したことで、ついに病人を「獣」と呼んで最悪な行動に移り始めます。
一度は、上手く病気を隠し仰せた息子にも、遂に警察や軍隊の追っ手が迫る…
その時、息子は諦めて「時々面会に来てね」と父に語るが、父は意外なセリフとともに決然とそれを行動に移します。
おそらく、フランスにおける精神疾患の非自由・非人権からの解放の歴史だけでなく、今の多様性や共生を大切するフランスだからこそ出来た映画ではないかな?と思いますが、どうでしょう?
皆さんもぜひ、私の感想からの視点でも本作を鑑賞していただければ、少しだけ深く楽しめるかもしれません。
※ちなみに最近の精神科病院はちゃんと治せるので入院となった場合は、しっかりと治療に専念してください。
終わり