幼児教育「数の学習⑤」
「変わる幼児教育」
幼児教育と言っても指導内容は様々です。よく言われる「能力=脳力開発」「早期教育」等の知的教育、ピアノ・エレクトーン・バイオリン等の音楽教育、英語に代表される語学教育、バレーや幼児体操も幼児教育の一つです。幼稚園も幼児教育の一つとしてあげられるでしょう。そして、小学校受験も。
幼児期から勉強や学習を行う事にどこか嫌悪感を感じている方がいらっしゃるのも事実です。身の回りで動植物が育つ光景を私達は自然と目にしています。農家であれば、いつ種を蒔くか、肥料は、水は、刈り取りはいつ頃か、常に「時期」があります。人間の成長も同じでしょう。特に人間は他の動物と違い、知的生命体と言われます。しかし、知的活動を行う脳の成長は幼児期にほぼ完成します。五感を通した刺激を脳が認識する、その発達過程は幼児に集中しています。学ぶ事は人として当たり前であり、その為の基礎が幼児期であることに、たぶんだれも否定はしないでしょう。
小学生の子ども達に学力の優劣が付く、それは小学1年生から見られることに焦りを感じていらっしゃる保護者がいます。語彙数の違い、計算能力の違い、思考力の優劣は、大人社会と同様に二極化の傾向を示しています。また、義務教育の衰退は、保護者の危機感を煽っています。その中でも指導力の目立つ「算数指導」は次第に差となって表面化し、高学年で掛け算九九が言えない子どもは、間違いなく、引き算や足し算も苦手であるという調査結果が出ています。
算数の基礎を築くのは、小学校からではありません。入学前に子ども達は情報化社会の荒波にもまれ、数に関する刺激を沢山受けています。しかし、悲しいかな、それらは系統性や理論的背景を何ら持たない、単なる情報の垂れ流しでしかありません。数について知っているつもりでも、基礎を学んだ子との差は歴然です。充実した基礎教育はその後次第に効果を発揮してきます。それは「学習の基礎体力」とも言えるのではないでしょうか。
子ども達は、小学生に上がり、足し算、引き算と学びます。そして、数の、第二の出発点を迎えます。それが「掛け算」の学習です。掛け算の学習と言うと、直ぐに掛け算九九を想像します。しかし、ここで大切な「数の意味」を学習しなければいけません。足し算で、「合併」や「増加」「添加」を学び、引き算で「求残」「求差」「求補」を学びます。こうした計算の意味は掛け算に受け継がれます。
掛け算には
「一当たりの数」×「いくつ分」=「全体の数」
この指導は、次の割り算で「等分除」「包含除」という指導に生かされます。数指導にはこうした系統性が必要であるのと、数のイメージ化が大切です。タイル指導は、これまで足し算の初期だけしか使えないなどと言う方がいました。果たしてそうでしょうか。掛け算九九のタイル指導を動画に撮ってあるので是非ご覧下さい。掛け算指導が進んでくると2桁の掛け算が出てきます。これをタイルの直積図で表すと、それはそのまま中学3年生で出てくる式の展開の説明図に置き換わります。タイル指導を受けてきた子どもが、教科書でその図を見つけたとき、以前の記憶が蘇ってきたと言います。幼児から学ぶタイル指導は、そのまま中学の数学で活かされたのです。変わる教育の中で、最も重要な時期である幼児期の教育こそ、もっともっと見直されるべきだと思います。
※では、タイルを使った掛け算指導の一部をご覧下さい。
2014/9/3
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
石川先生監修!
幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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