ペリカーノジュニア
ペリカーノジュニア
今回はペリカンの学童向け万年筆、ペリカーノジュニアを紹介したいと思います。
ペリカン万年筆は、スーベレーンシリーズなどを展開しているドイツの高級メーカーですが、そのペリカン万年筆が学童向けとして出しているのがペリカーノジュニアです。
学童向け
ヨーロッパでは、小学生のうちから万年筆を使います。以前紹介したラミー・サファリもそうでしたが、このペリカーノジュニアにも、いかにも学童向けという感じが漂っています。
ボディーの色はタイコーズブルー、ブルー、レッド、ピンクなどカラフルな色が取り揃えられています。包装は簡易な紙の箱に入っていて、税込み1,760円と万年筆としてはリーズナブルな価格となっていますので、インクの色を変えて複数使い分けるということも無理なくできそうです。
グリップ部分にはくぼみが付けられ、正しい持ち方が身に付くようになっています。学童用としてならではの工夫ですが、書きやすさという点では大人でもありがたいポイントになっています。長年ペンを持つことから離れていても、初心に戻ってゆっくりと書いてみようという気分にさせてくれます。
超シンプルな造り
キャップにはポケットに引っ掛けるフックなどもなく超シンプルな造りになっていますが、一部突起させている部分があり、机の上に無造作に置いても転がることはありません。無駄な部分は削ぎ落されていますが、便利な工夫はキチンとされているところなど、ペリカンらしい拘りが見られます。
シンプルな造りではありますが、ボディー全体は太目な造りで、耐久性も備わっています。小学生ぐらいだとどうしても雑に扱うことは日常的にあることですので、丈夫さというものも重要なポイントになってくると思います。
万年筆作りの技術
このように、ペリカーノジュニアは学童向けのシリーズであることは確かですが、ペリカンの万年筆作りの技術が細部にまで注ぎ込まれているため、大人の実用万年筆としても十分使用に耐えられる万年筆となっています。
ペン先は…?
肝心のペン先は、太字に近い中字といったところです。インクのフローはとても良好で、書き出しで字がかすれることもありません。書き始めていきなり字がかすれたら、書くのが嫌になってしまいますし、万年筆なんて使いたくないって心に刻む小学生も出てしまいかねませんから、ストレスなく書き始められるということは重要なポイントだといえます。
他社のインクも
インクはヨーロッパ共通規格のカートリッジ専用となっていて、コンバーターは使えません。ただヨーロッパ共通規格であれば、他社のインクも使えます。
ペリカンには通常サイズのカートリッジもあるにはあるのですが、ロングタイプのカートリッジのほうが色数も豊富で、通常ラインのボトルインクの色もほぼすべて揃っているため、色に困ることはなさそうです。また、ペリカン純正の超ロングカートリッジには、高級ラインのエーデルシュタイン・インクなどもあります。
お薦めインク
インクフローの良いペリカーノジュニアには、インクのヴァリエーションの多様さに加えて、残量をあまり気にせず使えるロングタイプカートリッジがお薦めといえます。
太めの字幅が好みの人には、価格も安く、ペリカンならではのしっかりとした書き味の万年筆ですので、使っていて不満が出ることは無いと思います。筆者も実際使用してその実用性と書き味に魅了された一人となりました。
次回は実際に使用したインプレッションをお送りしたいと思います。
編集後記 第13回
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