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【本】俺たちの箱根駅伝

会社組織×スポーツ、で池井戸潤に勝るものなし!!

俺たちの箱根駅伝
池井戸潤

箱根駅伝を軸に、本選に出場する選手とそれを放送するテレビ番組スタッフ、それぞれの物語が交互に進んでいきます。話の主軸は、強豪校の才能あるスター選手とか初出場のスーパーサイヤ人とかではなく、オープン参加の学生連合。信頼関係のない寄せ集め集団で意思疎通の難しさや共通の目標を持つこと、足並みをそろえることの難しさを感じつつ、そこで起こるごたごたにハラハラします。一方番組製作においては、キャスティングや選手への事前のインタビュー、機材やカメラの配置など、当日の天候がどうなっても対応できるようあらゆる場面を想定して準備を進める。伝統を重んじ硬派な番組作りをしたいプロデューサーに対しエンタメ性を追加したい上層部が圧力をかけてきて非常に鬱陶しい。どちらも「いい番組を作りたい」という思いは変わらないのに、アプローチの仕方が違いすぎてこちらも足並みが揃わない。

下巻に入ってからは本選がスタートし、一区ずつ丁寧に試合の描写が描かれ、選手一人ひとりのドラマに感動し、快進撃に興奮しっぱなしになります。

池井戸潤は銀行員や会社を舞台にした作品が多いけど、ノーサイドゲームとか陸王とかルーズヴェルトゲームとか、会社員とスポーツを掛け合わせた作品も結構あってどれも名作ぞろい。今回もレースの展開は超ドラマチックで、ここでこの人出てくんの?とか、そんな背景があったん?とかそんなんばっかりです。登場人物多いからね、名前覚えるのが得意じゃない人はわけわからんくなるかも。

実際の箱根駅伝の中継放送の中で、なんで「小涌園前」だけ地名じゃなくて特定の施設名で呼ばれているか知ってますか?そんな豆知識も得られる作品でございます。

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#小説の中でも強いのか青学  
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