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のぞみのなかみを垣間見れる、赤裸々noteをまとめました
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#家族

大好きな兄が死んだ話

2017年6月22日、兄が死んだ。気づいたら7年もの月日が経っていて、わたしは彼の死んだ歳に追いついた。そろそろ、あの日を思い出してみてもいいんじゃないか。そう思えるようになってきた。お盆の力を借りて、書いてみたいと思う。 わたしの兄は、大きな志と書いて大志という。名前は力強いんだけど、160センチぐらいしかないし、肌が真っ白で童顔で、目を細めてフニャッと笑うすごく可愛いひとだった。 夏は暑い暑いと口いっぱいに氷を頬張って出かけて、冬は紺色のもこもこのダウンを着込んで首を

叔母が終活をはじめた

そうだのんちゃん、宝石すき? いたずらっ子みたいな顔をする叔母は、高2の頃亡くなったじいじにそっくりだった。囁くように、秘密の話を持ちかける。 曽祖父の趣味だった宝石集めを、叔母もこっそり続けていたらしい。ささやかなご褒美として買い集めていたら、いつのまにか立派なコレクションになったと。 わたしが死んだら、のんちゃんにあげる!来年には、死んじゃうかもしれないから。 ガツンと頭を殴られたような気持ちがした。近いひとが亡くなって、終活を考え出したと笑いながら話すのを、うま

おかあさんが家にいないこと

小さい頃から、ごはんのときは必ずNHKニュースと決まっていた。その前の時間、幼稚園や学校から帰った夕方は、NHK教育がついていた。「おかあさんといっしょ」を、じいじとばあばと見ていた。 当時は、なぜ「おかあさんといっしょ」という名前なのかわかっていなかった。地元ではおかあさんが働いていることはさほど特別ではなく、大学生になってから「共働きの家は貧乏」とクラスメイトに言われるまでそのあたりの感覚は掴めていなかった。 正直、言われてからもあまり掴めてはいなかった。いまでも覚え

祖母が要介護認定された

どんどんばあばがいなくなっていく わたしのだいすきなばあばが いちごのようなおばあちゃんって感じ おばあちゃん、元気? のんちゃんちおばあちゃんかわいいよね 愛されキャラ、ってこんなひと どこに行っても嫌味のない愛嬌を振りまく 嫌なところなんてひとつもなかった おおらかで、快活で、楽観的で、 「そりゃあしょんないねえ」 「なんとかなるだから、大丈夫だよ」 「そういうもんだよ、気にするじゃない」 「失敗したっていいだよ、そのうちうまくなるさ」 そのことばに、何度救わ

死んだはずの兄が誕生日プレゼントをくれる夢を見た、25歳を迎えた日の夜

お兄ちゃんが誕生日プレゼントをくれる夢を見た。 4月27日、誕生日の夜にそんな夢を見るなんて、つくづく都合の良い脳みそだと思う。 死んだはずの兄がプレゼントをくれる夢お兄ちゃんが実家に帰ってきて、居間でちょっぴり気まずそうに「あのさ、」と声をかけられる。変わんないなあ、と思う。いつものあのリュックから、ガサガサとなにかを取り出して手渡してくれる。

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