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祖母が要介護認定された

どんどんばあばがいなくなっていく
わたしのだいすきなばあばが


いちごのようなおばあちゃんって感じ
おばあちゃん、元気?
のんちゃんちおばあちゃんかわいいよね

愛されキャラ、ってこんなひと


どこに行っても嫌味のない愛嬌を振りまく
嫌なところなんてひとつもなかった

おおらかで、快活で、楽観的で、

「そりゃあしょんないねえ」
「なんとかなるだから、大丈夫だよ」
「そういうもんだよ、気にするじゃない」
「失敗したっていいだよ、そのうちうまくなるさ」

そのことばに、何度救われてきたか

その笑顔に、その声に、その姿に、
何度救われてきたか


祖父、父、わたしはO型
母と、亡くなった兄はB型

どうしたって一番しっかりしているのは
いつもA型の祖母だった

おおざっぱなO型
マイペースなB型
几帳面なA型

絵に描いたような相関図

うちの家族の真ん中にいたのは、
ずっとばあばだったのかもしれない


じいじはいつも、
シーフードのスパゲッティが食べたいと言った

ちっちゃい頃のわたしは、
ミートソースのがすきだった

いつも2人で喧嘩して、
どっちにするか揉めていた



高2の頃じいじが亡くなった


わたしはシーフードスパゲッティが
ミートソースよりもすきになった

なにかあるたびに頼んで作ってもらった
いつも変わらない味に安心した

これを食べればじいじのことを思い出せる、
と信じられる大切な料理だった


去年、ばあばは突然
シーフードスパゲッティの作り方が
わからなくなってしまった

台所にしゃがみこんで、頭を抱えて、
「あたし、頭がおかしくなっちゃったや」
とこぼした

頭を抱えたいのは、わたしだった

さみしかった

もっと早くに、レシピを聞いておけばよかった
なんでいままでなにもしなかったんだろう



夕方、スーパーに行く前のばあばを引き留めて
じいじとばあばと3人で
ぎゃあぎゃあ言い合ったあの時間

知っているのは、覚えているのは、
もうわたしひとりになってしまった


記憶のなかでしか
会えなくなっていく

これからのわたしは
忘れていくばあばに置いていかれ
ひとりぼっちになるばかり

そんな気がしてならない


いまを、今日を、
もっと大事にできるんじゃないか

ただ、そこにいる、ということが
どれだけ尊いか噛みしめて

毎瞬、味わっていたいと思った

ことばを学ぶ修士卒、コーチングとブランディングをナリワイにしています。いただいたサポートは、ナリワイをアップデートする学びや、毎日noteを心地よく書き続けるための暮らしに投資します。最後まで読んでくださってありがとうございます💌