崖っぷち女の私は今日もあなたに依存中
今日もあなたは既婚者のまま。あなたと一緒に暮らす私はそれに似つかず独身のまま。果たしてそれがいいのか悪いのか。
今の彼氏に出会ったのは2020年7月のことである。彼はその時48歳で、私は24歳だった。48歳にもなり結婚したことがないといっていた彼を私は信じた。精子が非常に少なく子供が作れないかもしれない体質であるため、結婚を諦めたと告げられたのだ。ただそれは私と体の関係を持ちたかったためだったのかもしれないが。 24歳という歳の差だったが、彼は非常に無邪気で子供のようでとてもそれがチャーミングだった。優しくて気もつかえて金銭的にも余裕があり、私に知らなかった世界を見せてくれた。シンクロシティも多く、運命の人とはこういう人を言うのかと思った。
歳の差が大きいことは私の中でもネックだった。結婚してもどうなるだろう、子供ができたとしても成人した時にいくつになるだろう、と色々なことが頭をぐるぐるしていた。だが、心のどこかでそっと覚悟をしていた。それでも大好きで仕方がなかった。
2021年11月、彼と同棲を始めた。11月末に彼がやめたはずのタバコを吸っていた。裏切られたような気分になった。嘘をつく必要もなく、少しずつ辞めていっていると言ってくれればよかったのにと。なんて小さい男だと思った。その時に友達に言われた言葉を覚えている。
「そんな小さなことで嘘をついているなら、他にもっと大きな嘘をついてるよ」
私はその時はそんなことは信じられなった。彼のことは大好きだったし、もう一度チャンスをくれと言われ、その時は許した。だが、その一ヶ月後に彼がタバコを吸っているところを見つけてしまった。ああ、この人はこういう人なのだなと心の底から落胆した。それと同時に怖くなった。他にも何かあるのでは、と。
彼は自営だが、同棲する前は事務所で寝泊まりしていたと言っていたのを思い出した。事務所で寝泊まりということは、おそらく普通の一軒家の一室だけプリンターや机、パソコンが置かれている形なのだろうと容易に想像がついた。彼は私を一度も事務所に入れたことも招いたこともなかった。散らかっているから、と。
「ねえ、家に招待されないのって、女と一緒に住んでるかららしいよ。ね、ひょっとして女の人がいる?結婚してたりする?」 Line漫画でそんな恐ろしい話を読み、冗談半分で前に彼に尋ねたことが頭をよぎった。彼はそれに対していないよと笑って答えていた。
嫌な感じがした。じとっとした何かが背中に張り付き、心臓が脈の打ち方を忘れたような気持ち悪さがあった。携帯に彼の名刺に書かれていた事務所のアドレスを表示した。同棲している家から30分ほどの距離だった。ついた家はやはり普通の民家の一軒家だった。表札を見て、家の前を見ると女の人の傘立てが置いてあった。胸が締め付けられ、現実感が全て剥がれ落ちていった。きっと亡くなったといっていたお母さんが実は生きていて、介護をしているのかもしれないと思った。だが、チャイムを押して出てきたのは15歳の男の子だった。 私はどうしていいかわからなかったが、彼の父親の友人であるとして話をした。そして、奥さんと一緒に暮らしていることを知ってしまった。
彼に奥さんと子供がいるんだよねと尋ねると彼はいないと言いはった。私がいったその家に一緒にいって確認してみてもいい、と。それだけ違うというので私もそれを信じそうになった。だが、私がその家に彼を乗せて向かっていくと逆ギレをして「もういいわ。もういいって」と私に突き放すように言った。
だが、結局私はずっと信じてきた彼がまさかそんなはずがないといまいち現実を受け止められず、彼の奥さんと離婚するからという言葉を信じ離れられずにいる。それでもやはりストレスで食事は取れなくなり、寝られなくなり、体重がストンと落ちた。涙が勝手に出ることが増え、体を動かすこともしんどくなり、胸は重苦しくなった。
(その後も嘘は続いた。奥さんに離婚の話をしたとしていないのにも関わらず言ったり、母親は亡くなっていると言い張った)
今は少なくとも奥さんに離婚の話をどういう形でかは知らないが切り出したらしい。私の携帯が近くになかったので、彼の携帯で彼と一緒に何か調べ物をした時に、検索履歴に『離婚、復縁』と残っていることもあった。それを私に追求され、責められて以来、彼は携帯を肌見離さなくなり、検索履歴も消すようになった。
彼はおそらく私のことを好きだとは思う。 だが、彼の病的な嘘は治らないだろう。 私が彼を信じたいという気持ちがある。 だが、もう二度と彼を心から信じられることはないだろう。
だが、私はどこまでいっても鬱病持ち社会人未経験ニートの女である。今のまま彼と離れたら、私は生活保護を受けることになるかもしれない。かといって、彼といると心がズタズタに苛まれていくのがわかる。何も断ることができない。
崖っぷち、どちらに進もうとも。
「お願い、誰か助けて」 そう毎日願っているが、それが叶えられたところでまたそれは新たな肩身の狭い依存生活なのではないか。
こんな自分が、人生が恥ずかしい。誰にも会いたくなくなってしまう。そんな私を愛しているという彼から、今日も私は離れられない。
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