黒川博行の小説が面白い
ハードボイルド犯罪小説の名手黒川博行
北村一輝主演の「疫病神シリーズ」が面白すぎて
原作も面白いだろうと思い、読み始めたのが
堀内・伊達シリーズの悪徳バディものだった。
このシリーズは、疫病神シリーズとともに
黒川作品の中でも人気の高いシリーズのようで
現在まで4作品、出版されている。
『悪果』(2007年)
『繚乱』(2012年)
『果鋭』(2017年)
『熔果』(2021年)
最新作の方は、現在読んでいる途中なのだが
もはや、この世界観に浸ってしまっている状態なので
何をしていても、基本的に面白くなってきている。
堀内・伊達は1作目ではともに
警察官で暴力団担当 マル暴のデカなのだが
2人は、非常に正義ではなく、そこまでの悪徳ではなく
人間味あふれる悪いオッサンとして描かれている。
関西弁で交わされる小気味よい会話がベースとなり
実在の地名や、道路・鉄道などが飛び出し関西一円を己の金のために奔走するストーリー。
この小説を読んでいると、黒川作品の特徴らしいが
感情表現が、まったくないのに驚かされる。
情緒的に雨も降らないし、詩的な男女の描写や涙があふれることもない。
ほぼ会話と行動のみで物語は進み、そして勢いを増していく。
スゴイ技法だと思った。
説明的な会話も省かれ
必然のように情報もバラまかれる。
すごく映像的な描写になっている。
疫病神シリーズの映画はクソだったが、ドラマの続編と
この堀内・伊達シリーズの映像化を強く求める。
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