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【会社員と写真】個性を発掘する具体的な自己分析の方法

就職活動や自分でビジネスを始めたい時、
あるいはSNSなどでアカウント設計をする時、
様々な場面で自分のことを調べることから
スタートすることが多いです。

自己分析として広く知られていますが、
一般に広く使用されている方法論として
「なぜ?」を複数回繰り返して、
行動につながる自分の考えを探るという方法です。

ただ、個人的には「なぜ」を繰り返すことで、
自分にはどのような行動特性があるのかを
正確に知ることは難しい
と感じています。

なぜ?という質問は、
場合によっては
「好きだから」「興味があったから」
という表面的な動機に到達した時点で、
「そうだよな」
と納得してしまうからだと考えています。

従来の自己分析法の課題

この従来の方法には、いくつかの課題があります。

まず、私たちは思考の癖による影響を
受けやすいという点です。

心理学では、この癖を「確証バイアス」と呼びます。

確証バイアスとは、
自分の既存の考えや信念に合う情報を
無意識のうちに選びやすく、
それに反する情報を軽視してしまう傾向のことです。

例えば、
「自分は創造的な人間だ」
と思っている人が自己分析をする場合、
創造性を発揮した経験ばかりを思い出し、
そうでない経験を無視してしまう可能性があります。

「なぜ?」を繰り返す過程で、
このバイアスの影響を受けると、
現在の自己イメージに
合致する理由づけを選んでしまい、
新たな気づきや成長の機会を
逃してしまう可能性があります。

また、この方法では
成功体験や肯定的な経験に偏りがちです。

「好き」や「興味がある」
という動機は確かに重要ですが、
それだけでは自己の全体像を把握するには
不十分だと考えています。

困難や失敗からの学び、
ストレス下での行動パターンなど、
より多面的な自己理解が必要となります。

【具体例】写真が好きな人の場合

写真が好きな人の場合、
従来の自己分析法を使うと次のようになりがちです:

  • Q: なぜ写真を撮るのが好きですか?

  • A: 美しい瞬間を切り取れるからです。

  • Q: なぜ美しい瞬間を切り取りたいのですか?

  • A: その瞬間の感動を他の人と共有したいからです。

  • Q: なぜ感動を共有したいのですか?

  • A: 人々に喜んでもらえるからです。

この分析では、
「美しさへの感性」「共有の喜び」
あるいは「他者からの承認欲求」
といった要素が見えてきます。

しかし、これらは表面的な動機に留まっており、
写真を通じての自己表現や技術的な挑戦、
創造性の発揮
といった深い側面が見落とされがちです。

新しい自己分析法の提案

そこで、私が個人的におすすめする方法は、
課題に向き合い、それを乗り越えた経験に
焦点を当てる自己分析
です。

具体的には、
以下のようなプロセスを踏んで自己分析を行います:

  1. ゴールの設定: まず、過去に達成しようとした具体的なゴールを思い出します。

  2. 課題の特定: そのゴールに向かう過程で直面した課題や障害を具体的に列挙します。

  3. 選択肢の検討: その課題に対して、どのような解決策があり得たか、複数の選択肢を考えます。

  4. 選択と理由: 実際に選んだ選択肢とその理由を明確にします。

  5. 実行と結果: 選んだ解決策を実行してみてどうだったか、結果はどうだったかを振り返ります。

  6. 学びの抽出: そのプロセスから何を学んだか、どのような気づきがあったかを整理します。

  7. 学びの応用: その学びを他の場面でも活用したことがあるか、あるいは今後どのように活用できそうかを考えます。

この方法の利点は、
具体的な経験に基づいて自己を分析できることです。

「なぜ?」を繰り返すだけでは見えてこない、
自分の問題解決能力やストレス下での
行動パターン、意思決定プロセスなどが
明らかになります。

また、困難を乗り越えた経験を分析することで、
自分の強みやレジリエンス(困難から立ち直る力)
より深く理解することができます。

これは、将来の課題に直面した際、
解決に向けた自信にもつながります。

さらに、
この方法は確証バイアスの影響を受けにくい
という利点もあります。

具体的な出来事とそのプロセスに焦点を当てるため、
自分の既存のイメージに捉われず、
より客観的に自己を分析することができます

【具体例】写真コンテストへの挑戦

ここでは、
「写真コンテストで入賞する」という目標を
設定した場合の自己分析法の適用例を考えてみます。

  1. ゴールの設定:
    国内の有名な風景写真コンテストで入賞する。

  2. 課題の特定:

    • 技術面:光の扱い方が未熟、構図に独創性が足りない

    • 精神面:有名な撮影地での撮影に躊躇がある

    • 物理面:良質な撮影機材が不足している

  3. 選択肢の検討:

    • 技術向上のためのワークショップ参加

    • 毎日のように近所で撮影練習を行う

    • オンラインの写真講座で学ぶ

    • 有名撮影地への遠征を計画する

    • 機材のアップグレード

  4. 選択と理由:
    毎日の撮影練習と、月に1回の遠征を選択。理由は、継続的な上達と、自分の楽な環境を出る経験の両立ができるため。

  5. 実行と結果:
    3ヶ月間実践した結果、光の扱いに自信がつき、構図のバリエーションも増えた。しかし、コンテストでは入賞に至らなかった。

  6. 学びの抽出:

    • 継続的な練習の重要性を実感

    • 自分の楽な環境を出ることで新しい視点を得られた

    • 技術面での向上は感じたが、「自分らしさ」の表現がまだ不足していると気づいた

  7. 学びの応用:

    • 日常の仕事でも、毎日小さな挑戦を続ける習慣をつけた

    • 他の趣味でも、定期的に新しい経験を取り入れるようになった

    • 写真以外の芸術作品も積極的に鑑賞し、自己表現の幅を広げる努力を始めた

この分析を通じて、
単に「写真が好き」という表面的な理解を超えて、
自己の成長プロセス、挑戦に対する姿勢、
創造性の発揮方法などについての
深い洞察を得ることができます。

また、この経験から得た学びを
他の生活領域にも応用できることが分かります。

自己分析から得られた考察とその応用

この新しい自己分析法を通じて、
私たちは単に「自分はこういう人間だ」
という静的な理解を超えて、
より動的で実用的な自己理解に
到達することができます。

写真コンテストの例を通じて、
次のような重要な考察が得られました。

行動特性の把握

  1. 経験重視の学習者:
    この人物は、座学よりも実践を通じた学びを好む傾向が強いことが分かりました。時間がかかっても、直接的な経験から学ぶことで、より深い理解と長期的な成長を達成しています。

  2. バランス志向:
    日常の練習と非日常の挑戦を組み合わせることで、安定と冒険のバランスを取る傾向があります。

  3. レジリエンス(回復力)が高い:
    失敗や挫折を経験しても、そこから学びを抽出し、他の領域にも応用する能力が高いです。

  4. 創造性と技術のバランスを重視:
    技術的な向上だけでなく、自己表現や独創性も重視する傾向があります。

成果を出すためのアプローチ

これらの行動特性を踏まえると、
今後成果を出すために
以下のようなアプローチが効果的だと考えられます:

  1. 実践的なプロジェクトへの積極的な参加:
    座学だけでなく、実際に手を動かすプロジェクトに参加することで、より効果的に学び、成長することができます。

  2. 計画的な挑戦の設定:
    日常的な練習と定期的な大きな挑戦を組み合わせることで、持続的な成長とブレイクスルーを両立できます。

  3. 失敗を学びの機会として活用:
    失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、そこから得られた教訓を次の機会に活かすことで、継続的な成長が期待できます。

  4. 創造性を発揮できる機会の創出:
    技術的なスキルアップだけでなく、自己表現や独創性を発揮できる機会を意識的に作ることで、より高い成果につながる可能性があります。

考慮すべき課題

同時に、この自己分析からは以下のような課題も明らかになりました:

  1. 時間管理の重要性:
    経験を通じた学びは時間がかかるため、効率的な時間管理がより重要になります。

  2. バランスの取れた学習方法の採用:
    実践偏重にならないよう、適度に理論的な学習も取り入れることで、より包括的な理解が得られる可能性があります。

  3. 客観的な評価の必要性:
    自己表現を重視するあまり、客観的な評価基準を見落とさないよう注意が必要です。

  4. 長期的視点の維持:
    短期的な成果にとらわれず、継続的な成長を意識し続けることが重要です。

これらの洞察を活用することで、
自分の強みを最大限に活かしつつ、
潜在的な課題にも対処することができます

例えば、新しいスキルを習得する際には、
座学と実践のバランスを意識的に取り入れつつ、
定期的に自己評価と外部からの
フィードバックを求めるといった
アプローチが考えられます。

重要なのは、
この自己分析が一回限りのものではなく
継続的なプロセスだということです。

新たな経験を積むたびに、
この分析を繰り返すことで、自己理解はより深まり、
成長の機会も増えていきます。

自己分析は、
単に自分を知るためだけのものではないと思います。

それは、より効果的に目標を達成し、
充実した人生を送るための道具となります。

ここで得られた考察を
日々の生活や仕事に適用することで、
より自分らしく、より成果が
出せるようになると思います。

最後に

この新しい自己分析法は、
従来の方法よりも
深い自己理解につながる可能性があります。

単に「好きだから」「興味があるから」
という表面的な理由を超えて、
自分の本質的な強みや成長の機会を
発見することが可能になると考えています。

もちろん、この方法が全ての人に
完璧に適合するわけではない
と思います。

自己分析の方法は
個人の性格や経験によって異なる場合もあります。

ただ、新しい視点から自己を
見つめ直す良いきっかけになればと思います。

もし自己分析が必要な方がいれば、ぜひ一度、
紹介した自己分析法を試してみてください。

これまで気づかなかった自分の一面を発見し、
より充実した人生設計につながることを願っています。

みなさんの自己発見に
新たな視点をもたらすことができれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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