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片手鍋焙煎『焦げ(コゲ)』との闘い②
焙煎の条件によっても焦げる原因が発生する(※重要)
前回のnoteの冒頭に『適切に調整された火力で焙煎している』事が前提と書きましたが、そこで紹介した焙煎する豆の量と絡めた話で『どうしても焦げやすくなってしまう』焙煎条件をご紹介します。
前回でお伝えした焦げる原因『撹拌不良』と同時に、別の理由で焦げが発生する条件があります。
焦げる条件その1『焙煎する生豆の量が多過ぎる』
前回話した撹拌不良になる原因でもある『生豆の量が多過ぎる場合』ですが、撹拌不良で焦げるのとは別の理由が発生します。
それが『生豆の量が多いほど熱を多く吸収するので、強火にしないと熱量不足で焙煎が進まなくなる』という状態です。
例えると、“少量の水を沸騰させるには弱火で大丈夫だが、大量の水を沸騰させるには強火で長時間かかる”みたいな話です。
大量の生豆を焙煎する場合には、量に見合った火力(熱量)が必要になるワケですが、これが手鍋焙煎において大問題になります。
そこには以前のnoteで説明した使用する道具(片手鍋)の特徴がその過程でモロに影響してきます。
鍋の素材であるアルミは、熱伝導性が高い(熱を伝える速度が速い)のに蓄熱性が低い(熱を溜め込む性質が弱い)為にどんどん生豆に熱を奪われてしまい、ガンガン鍋底を加熱しないと熱量不足がいつまでも解消しません。
焙煎に必要な熱量を得る為には長時間鍋を火にかけるか、強火で加熱するしかないのですが、いずれも熱源が鍋底にしかない手鍋焙煎では鍋底が熱くなり過ぎます。
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その結果、過剰に熱くなった鍋底に触れている生豆が容赦なく焦げます。
焦げる条件その2『焙煎時間を短くする』
浅煎りを焙煎したい
フレーバーや豆の個性を強く残したいトイレに行きたい
せっかちさん
お腹空いた
~etc (茶番
理由はどうであれ、短時間で焙煎しようとすると、やらなければならない事があります。
それが条件その①で焦げる原因になった『必要な熱量を得る為に強火で加熱する』です。
弱い火力のままでは焙煎の進行を早めて時短することは困難なので、どうしても火力を強くする必要が出てきます。そうなれば迎える結果は『焦げる条件その①』と同じです。
特に浅煎りに於いての時短焙煎に関してはこちらのnoteで『焙煎ムラ』を解消する方法としてご紹介した『時間を延ばす』とは真逆の事をやろうとしているので、より失敗するリスクが高くなります。
対処方法
もうここまで僕の記事を読んだ人であれば何を言うか大体予想が出来ていると思いますが、何度でも言います。
しっかり撹拌すること!!!
…ですが、上記の条件(強火にする)の場合、さすがに鍋を振って撹拌するにも体力と物理的な限界があると思います。
片手鍋焙煎=フィジカル大事。
これホント。
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でも良い焙煎を行いつつ体力的に楽をするにはそれ相応の創意工夫が必要不可欠です。
最後に
ある程度のレベルまでは、焙煎を行う環境や使う道具、技術で対応出来ますが、そこから先は終わりなき修羅の道…
数あるコーヒー沼の中でもかなりマニアックな焙煎沼。
しかも、焙煎方法としては少数派と言って過言ではない『片手鍋焙煎』に於いては、とにかく色々考えてどんどん試していく事が大事かなぁと思います。
次回からは少し話を広げながら、まったり記事を書こうかなと思っておりますので、お付き合いいただければ幸いです。
それでは!!