5月6日 ダイエットについて
結論からいうと、「体重を減らす」という意味で「ダイエット」という言葉は使われなくなった。
というのも、そもそもdietに減量という意味はなく「食事制限」という意味合いが強いからだ。
そして、本来の意味でdietは使われるようになった。
dietの大きな変化は、新興国に於ける食料不足やヨーロッパでの干魃による食糧不足を発端として制定された「家畜屠殺禁止令」だろう。
理由として、牛肉1kgを生み出すために、トウモロコシ換算で11kgも必要となる。その結果、ダボス会議をはじめとする様々な国際会議で食肉を好ましくないこととして扱うようになった。それだけでなく、国際的なコンクールなどでは肉だけでなく魚も振る舞われることはなくなったのが、産まれる前の話。
日本国内では、200ヶ所近くあった屠殺場は閉場となり、精肉コーナーはスーパーから姿を消した。
だからといって、肉を食べたいという人はいなくなるわけではなく、そればかりか抑制・抑圧されたら余計にしたくなるのが人の性というもので、羊やミニブタを飼育し始める人が一定数増えた。
そして、違法屠殺で何人かの人が逮捕された(報道されたのが何人かであって、実際にはもっといると思う)。
自分たちで食すためなら問題ないとして、鶏を飼う人が多くいた。ヒヨコから食べられるようになるまで約3〜5ヶ月を要する。中には孵化器まで購入する者もいる。
その間に愛着を持ってしまい、潰すことができなくなってしまう人が続出。それでも、ピヨピヨと鳴くヒヨコでもニワトリでもない鶏を屠った者の中には、その経験で鶏肉を食べられなくなった者も多くいるらしい。
家族として受け入れることを余儀なくされた場合、雌鶏だと卵が食べられるということで重宝されるようになった。
しかし雄鶏の場合は、そういう訳にもいかないため、業者に引き取ってもらうことが多かった。中には、捨ててくる者もあり、行政はその対応に追われた。
「これからは肛門鑑別法の能力が必要となる」という間違った方へと声を大にして言っている者もあったらしい。
肛門鑑別法は、孵化後数日以内のヒヨコの肛門を見て、雌雄を見分けるという方法のこと。
父曰く『精度と速度では日本人がかなりすごいが、なぜ判別できるのかは分かっていない』とのこと。
調べてみたら、精度は99%以上で、1羽あたり3秒も掛けないとあった。
『なぜ判別できるのかは分かっていない』とは、どういうことなのか、分からなかった。
何にしても結果として、自主的にしろ、そうでないにしろ多くの人が菜食主義の大枠に括られることとなった。
そう「全ての人」が菜食主義になった訳ではないのだ。
屠殺が禁止されているのは、牛・馬・豚・羊・山羊の5種類だけで、これから漏れる獣はその限りではない。というところがミソで、野山を駆け廻っている猪・鹿・兎などの所謂ジビエは、これに該当しない。
その結果、これらの肉はそもそも安くないところに、資本のある人たちが拍車をかけて高騰し、庶民と呼ばれる人達が買える代物ではなくなった。ただ、無事に終わらなかったということだけ分かっている。それについては後日。
肉の話が長くなってしまったが、食料不足を解消するために白米ではなく玄米になり、小麦粉も精製粉ではなく全粒粉になった。野菜の消費量も増えたが、栽培での問題が生じてしまった。これについても後日綴ることにする。
ただ、何が功を奏したのかは明らかになっていないが、食物アレルギーやうつ病の人は、かなり減少している。とある分野の研究者たちは、より寿命が延びるのではないかとして、戦々恐々としているらしい。