2024年8月の本棚
8月に読んだマンガをまとめていきます。
【新】しかし火事獅子歌詞可視化 / 問松居間(KADOKAWA)
活動休止中の謎の音楽系Vtuber・火事ライオン。彼の作る楽曲は、特定の状況下でその歌詞が可視化される「ソングダイブ」という不思議な現象が起こるらしい。そんな火事ライオンの根強いファンたちの”縁”が、次第に巡り合い、重なっていく傑作青春オムニバス。
オムニバスですが話が進む毎に各話の登場人物同士が繋がっていくタイプの構成。「あれ これなんだっけ?」という細かい伏線が鮮やかに回収される興奮を覚えました。
忘れられない曲があって、その曲に人生を救ってもらったと言うと大袈裟かもしれないけど、ずっと寄り添ってくれていたような経験がある方に特に刺さるかもしれません。
【新】ありす、宇宙までも 1 / 売野機子(小学館)
亡き両親の教育で、セミリンガルとして日々生きづらさを感じていた少女・朝日田ありすが出会ったのは、孤高の天才・犬星類。
両親を感じたいと宇宙飛行士を夢見るありすと、彼女の教育係を買って出た犬星くん。二人の挑戦は、一人の少女を日本人初の宇宙飛行士船長へと成長させることとなる──。
売野機子先生の最新作は、生きづらさを抱える少年少女の物語。最近だと『君と宇宙を歩くために』とかとも重なる部分がある気がしますね。どちらも、詩的というか「生きづらい人」を描く上での料理の仕方が上手で引き込まれます。
言語能力と言語化能力、それらが必要とされるある意味極地に位置するであろう「宇宙飛行士」という場所まで突き進む二人の行く末を見届けたい。
【新】あなたが私を変えたから / 橋本ライドン(kADOKAWA)
真面目だけど少し思い込みの激しい岬と、明るくてクラスの人気者のギャル・静の、見た目も性格も正反対の二人が、時に喧嘩しぶつかり合いながらも、互いを信じ友情を育んでいく物語。
実に簡潔で上質な光のような百合だった(ここで言う百合は「女の子同士の友情」という広義的な百合です)。個人的には静と静かの姉・凪の関係が一番やられました…「泣かせてあげればよかった」って台詞、なかなか出てこないよ。
橋本ライドン先生、初めて知ったけど、Xで多く発表している系の方なんだですね。どうやらオモコロ出身っぽい?
この人魚のマンガで知りました。
きみの横顔を見ていた 1~4 / いちのへ瑠美(講談社)
自分は脇役だと決め込む平凡女子の光、光の親友で文芸部の顧問に想いを寄せる容姿端麗&引っ込み思案な麻里、クラスのムードメーカーの野球少年・慎太郎、学年一のイケメンだけどどこか影のある朝霧、高校生男女4人の片想いを描いた青春群青劇。
4巻発売の期間限定無料公開で読んだ別フレ連載の少女漫画。これも実に良質な作品だった。少女漫画って「全員片想い」設定って結構あると思うけど、ここまで繊細に描けるものなのか…と感動した。
交わらない視線、実らない恋、それでも点と点が繋がっていくような展開。人が人へ向ける向ける眼差しの暖かさと切なさが沁みます。
【新】パンをナメるな! 1 / 貞松龍壱(小学館)
19歳のニート女子・内木夢夢は、ひょんなことから親戚が鎌倉で営むパン屋の店長代理として働くことに。外に出るのも人と話すのも無理なのに、パン屋の店長なんか務まるわけがない…こともない!?…いややっぱり無理かも。頑張る女の子たちのお仕事パンコメディースタートです。
今月イチオシの新作。貞松龍壱先生、存じ上げなかったんですけど、過去作がゴリッゴリのバトルSFっぽくて方向転換ぶりがスゴい。女の子たちが可愛くて、細く描き込まれた鎌倉の街並みも素敵です。アニメ化あるぞ、マジで!
【新】写らナイんです 1 / コノシマルカ(小学館)
霊感が強すぎて霊たちを引き寄せる超霊媒体質の黒桐まことをなんとかオカルト部に引き入れたい橘みちる。彼女は逆に霊感が無さすぎるあまり近づくだけで霊を祓ってしまう超除霊体質だが、亡くなった父の心霊写真を撮りたいと活動を続けていた。自身の体質が父の霊を成仏させかねないとも知らずに…
ボーイ・ミーツ・ガール本格ホラーコメディーでした。想像以上にしっかり怖かった。影のあるツッコミの黒桐と眩しいくらい光の存在である橘ちゃんの掛け合いとのギャップが楽しい。橘ちゃんの「介」みたいな口好き。
寿々木君のていねいな生活 1~2 / ふじもとゆうき(白泉社)
高校1年生の寿々木薫の趣味は、お菓子作り・植物の世話・裁縫。ガタイが良くて目つきが鋭い彼はしばしば周囲から勘違いされるけど、本当は丁寧に丁寧に丁寧に日々を紡ぐ心優しい人。そんな彼が入学初日に出会った美少年・春名新。二人は親友になり愉快な毎日を送ることに。
優しい人たちに囲まれながら自分の好きなこと、得意なことを周囲に還元していくという人間関係の好循環。ギャップが生み出す愛おしさに浸りながら丁寧に読んでいきたいです。
これ描いて死ね 6 / とよ田みのる(小学館)
2年生に進級した相たちの漫研に、ルゥ・ガルゥこと森咲麗が入部してきた。
カラーイラストの描き方、テーマについて深く考える思考、日常から創作のヒントを見つけるエウレカ!コミティアに加えて、まんが甲子園の出場にも熱が入るメンバーたちにとっては毎日が創作に向けての試行錯誤の日々。
巻末の先生過去編「ロストワールド」も相変わらず最高。そろそろ今の時間軸に追いつきそう。
【新】棕櫚の木の下で 1 / メグマイルランド(マガジンハウス)
小学生の男の子・ソテツは同級生の女の子・かりんに出会い、自分たちを取り巻く世界の様々なことを知っていく。自分の名前の由来、植物の名前、モールス信号。
つい忘れてしまうけれど、見るもの全てが輝いていたあの頃。少し昔の佐賀を舞台に描かれるボーイ・ミーツ・ガール。佐賀弁にも注目。
マガジンハウスのウェブコミックサイト「SHURO」にて連載中の作品。サイト側から「棕櫚の木」を題材に、とオファーがあったのかな?
【完】つばめアルペン 4 / 南文夏(集英社)
北海道地区大会は惜しくも敗退してしまったものの、鴨原先輩と部活動として最後の登山を計画するつばめたち。その計画に同行してくれることとなった峰さん。彼女がかつて挑戦したヒマラヤでの体験談。
山を登るということ、自分の登山を見つけるということ。自然を目の前にした時に感じる無力感と友と手を取る連帯感の小さくも確かな一歩を誠実に描いた名作でした。大自然と対峙した時の「1対1感」が好きです。
【新】サボタージュ・サマー 1 / 天野茶玖(芳文社)
「今年の夏はサボることに決めました」
勤め先の美容院が潰れ、突如として無職になってしまった主人公・ミナトは、故郷の岡山に住む親戚の女の子・ランの面倒を見るというテイで田舎に帰ってきた。
あくまで次の職場が決まるまでの繋ぎ…のはずだったけど、田舎暮らしも案外悪くない…?大人だって、いや、大人こそサボったっていいじゃないか!人生の夏休みコメディー。ランちゃんの岡山弁が可愛いんじゃ。
【新】バックランク 1 / 波場章史(講談社)
敵陣最深部。そこは駒が姿を変える場所。日本の裏社会を支配するヤクザの玉座を奪い取る計画のため、潜入捜査をすることとなった主人公・乾。冷静沈着な若き捜査員vs頭のキレる若きカリスマの予測不能の頭脳バトル開幕。
題材の割にだいぶ「マンガ(フィクション)すぎる」感があって若干入り込めなかったけど、デスノート級の駆け引きを期待してます。
【新】ヒドゥラ ~無限惨虐ゲーム~ 1 / 吉沢緑時(少年画報社)
チラシ投函の仕事で生計を立てる35歳のフリーター・草野は、目が覚めると何もない崖の上にいた。落ちたら死。届くか届かないかの距離にある安全地帯に飛び移らなければ死。ここはどこで、このデスゲームの趣旨は、主催者は誰なのか。理解不能な極限の状態に立たされた時、その人の本当の能力が発揮される。
意味が、解らない…!って感じだったけど、次巻も気になる。
【新】夜のまにまに 上・下 / こう森(双葉社)
元気で明るいちかと物静かな和谷。正反対の二人が話すのは、毎週水曜日の夜、和谷のバイト先のコンビニでだけ。たった十数分だけの時間が二人の距離をゆっくりと近づけていく。
【新】きみの絶滅する前に / 後谷戸隆・我孫子楽人(講談社)
ペンギン絶滅を企てるペンと、卵ではなく石を温め続けるマール。共に暮らす二羽のペンギンを待ち受ける運命はいかに。愛とは何か?生きるとは何か?子供を作らない動物に価値はないのか?絶滅前夜の動物たちの“世界への抗議”を描く令和の寓話。
可愛い見た目の絶滅動物たちの姿を描いてはいるけど、内容はかなり思想性の強く風刺的だった。
【新】くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める 1 / 上村夏樹・ばふぁこ(KADOKAWA)
同タイトルのラノベのコミカライズ。内容はタイトル通りですが、幼い頃に結婚の約束をした女の子が16歳になったということで結婚を前提に同棲を申し出てきたというラブコメです。それ以上でもそれ以下でもない。
ヒロインの葵が可愛いけど、所々にヤンデレの片鱗が見え隠れしているのが気になる。主人公の同僚との修羅場も見てられない…!いや見るけど!!
最近は「社会人の主人公がJKに甘やかされる系」のラブコメも一つのジャンルとして確立されている気がする。時代か…
【新】Daddy Steady Go! / シマ・シンヤ(KADOKAWA)
3人のアラフォーシングルファーザーが家事に育児に奮闘する、新時代の父親像を見つめ直すシマ・シンヤ先生の新作。シマ・シンヤ先生めっちゃ描くな。
高校時代の同級生男子3人が近所に住んでいてそれぞれ父子家庭なのはだいぶ現実的ではないけど、「男性」の視点からこういった題材を描く作品は新鮮だった。
【完】魔々勇々 4 / 林快彦(集英社)
残念ながら打ち切りとなってしまったけど最後まで大好きでした。エンドとエヴァンの関係。魔勇集結。コルレオの秘密。マママの涙。本誌では描き切れなかった部分を大幅加筆で大満足の最終巻でした。
【完】小さい僕の春 3 / 渥美駿(小学館)
3巻での完結。個人的にはやっぱり恋愛要素を扱い切れないまま終わってしまった感は否めないです。「スポーツ」か「恋愛」かのどちらかに振り切った方が楽しめたかも。次回作に期待してます。
【完】花園に幹が立つ 3 / 野澤佑季恵(KADOKAWA)
女子校に一人いる男子生徒が主人公というハルタ式ハーレムラブコメ。ただよくある低俗なハーレムモノと違い、清廉さや気品のある雰囲気が好きでした。終業式後の「花の交換会」も素敵。一応最後は源さんとこっそりくっついて終わりなのも納得。
【完】針と羊の舟 3 / 幌琴似(KADOKAWA)
ペットロスの大学生・花原が羊毛フェルトと出会い少しずつ腕を磨き、遂に愛兎・ジュラのぬいぐるみを完成させる。ジュラと会いたくてやっていた羊毛フェルトだったけど、ジュラが生きていた時に見せてあげられなかった外の世界への扉が開いていくような時間を味わった花原。一方、弥生もまた自分の居場所を探していた。
【完】いとなみいとなめず 10 / 水瀬マユ(双葉社)
清が早漏すぎて初めてのいとなみは不完全燃焼に終わるも、そこからもお互いにしっかり向き合ってより良い関係を築いていって終わり。無事いとなみ営めて良かった良かった。
6年も連載していたことに驚き。連載は完結したものの、もう少し際どいの(同人版?)を描いたりするそうです。
正反対な君と僕 7 / 阿賀沢紅茶(集英社)
あっという間に高校3年生の文化祭が終わり、受験モードへと移り変わっていく若人たちの日々。平への想いを自覚した東と「自己愛」を拭い切れず劣等感に溺れる平。致死量のタイラズマが堪能できます。難儀だなぁと思う。
アオのハコ 16 / 三浦糀(集英社)
男子バドミントンシングルス県予選でIHの切符をかけて針生先輩と対戦する大喜。ここまでずっと切磋琢磨(主に大喜がシゴかれる)してきた先輩と後輩が、そう言う関係を取り除いた真剣勝負を繰り広げる展開は熱かった。今巻はより一層スポーツ漫画してました。
チェンソーマン 18 / 藤本タツキ(集英社)
暴徒と化した群衆を、それを扇動するバルエムに追い詰められるデンジとナユタ。瀕死のデンジを守るため、一人立ち向かうナユタだが…!?公安による凄惨な計画が進む中、アサとキガはチェンソーマンを救うべく超厳戒警備の東京悪魔収容センターを襲撃する!!
どこに向かっていくのか全っ然わからないのでライブ感を楽しんでいます。
ショーハショーテン! 8 / 浅倉秋成・小畑健(集英社)
白熱する高校生たちのお笑いバトル。誰よりも場数を踏んできた「シュプレヒコール」が生み出す笑いと、そんな彼らを”勝たせたい”と願う会場の空気が混ざり合い、絶笑を生み出す。
前半組が終わり後半組へと進み、「ライジン」の伴と針金の出会いも描かれる。なんかどんどん面白くなっていてちょっと悔しい。なんでだろう。
クソ女に幸あれ 3 / 岸川瑞樹(集英社)
入れ替わり三角関係ラブコメに新展開。檸檬の友人の浅儀来花が直に接触。何かと付き纏ってくる彼女の真意や如何に…
もう普通に先輩にも事情を話すべきでは?って感じだけど、段々面白くなっている気はする。直の男気みたいなのがもっと描かれれば尚良し。
だれでも抱けるキミが好き 4 / 武田スーパー(講談社)
収録話の内の約半分をヤンマガ掲載時から全て描き直すという鬼のような所業をやってのけた4巻。ヤンマガは未読なのでどこがどう変わったのかは謎ですが、ゴトーくんがみるみる節操のないヤリチン男に。
しかしそんな中、小学生の頃同じ野球クラブだったというアキトが登場。性のハードルが下がりつつある男の前に一途な娘が現れたら果たしてどうなる…?
ヴィランの学校 2 / 奥嶋ひろまさ(新潮社)
ヤンキー高校のトップを目指す麒麟寺が纏めるたんぽぽ組は兎川兄弟率いる桜組と合同体育に臨む。授業内容は「怒血暴留」。血で血を洗う組同士の激しい殺試合、勃発!
ちょ〜くだらんけど、この調子で仲間を集めていくんだろう。しかし現生徒組長・青龍政宗の存在はあまりにも強大。
君は冥土様。 8 / しょたん(小学館)
姉妹喧嘩も落ち着いて、仲直りのソースパーティー。ソースパーティーってなんだ。「第一部完」ということだけど「第二部」で何やるんだろう。人好の影薄がちなので、二人の関係をもっと深掘っていくのかな。
アニメも楽しみ。
いやはや熱海くん 3 / 田沼朝(KADOKAWA)
恋の定義に悩む国島さん、バレンタインに熱海くんに実家のお菓子を贈る大森さん、卒業式の前日に熱海くんと連絡先を交換した3年生の卜部さん、春休みに熱海くんと遊ぶ辻くん、熱海くんのことを密かに目で追う安原くん、クラスで良好な関係を築きつつもふっと休んだりする須藤くん、特別になりたい吉見さん、熱海くんを取り巻く人たちと彼らを見つめる熱海くんのフラットな眼差し。
熱海くん、見れば見るほど、知ろうとすればするほど、全く分からん。周囲の人の目に彼は魅力的に映るかもしれないけど、彼が一体どういう人間なのかを真に理解できる人はいないんじゃないかな。でも人間関係って大体そんなもんか。
余談だけど、ちゃんと女の子が登場する回も多くあって良かった。男女であまりキャラの特性を分類していないところも本作らしい魅力かも。
じゃあ、あんたが作ってみろよ 2 / 谷口菜津子(ぶんか社)
典型的な男尊女卑の九州男児として育てられた勝男が失恋から自身を顧みて、価値観と能力をアップデートさせていく。変わることが必ずしも正解ではないけれど、変わった自分のこと前より好きになれたらそれが本人にとっての正解。兄貴にも伝わって良かった。
一方の鮎美はというと、自分を曝け出しながら新たな恋に邁進中。若干愛が重そうな彼氏・ミナトと新たな関係を構築中。上手くいくのかどうなのか… これ最終的に二人のヨリが戻って終わるのかな。
うるわしの宵の月 8 / やまもり三香(講談社)
全校生徒の前で交際宣言&キスは甘々すぎる。宵ちゃんの性格的にアウトだろと思ったけど、そんなことはなかった。先輩強い。
そんな先輩の叔父さんと両親も出てきて家庭環境が明らかに。優秀な兄が期待され、弟である先輩への興味が薄れていく、という兄弟格差。先輩はそれでも飄々と振舞ってそうだけど、一抹の闇を抱えていたよう。
それはそうと他校と合同のスキー合宿へ。大路くん登場か。クワ先輩とのばらの関係も楽しみ。
花とくちづけ 9 / 七都サマコ(講談社)
フランス編。次巻最終巻!早く終わってくれ!(ポジティブな意味で)
天幕のジャードゥーガル 4 / トマトスープ(秋田書店)
トルイの死の裏側には、皇帝オゴタイの第一皇后ボラクチンがいた。ファーティマは再びドレゲネと手を組むが…。むしろ妃たちの水面下のやり取りを全て把握しながら眠そうな顔でモンゴルの未来図を描くオゴタイ・カァン、恐るべし。
卵と鶏 2 / 辻やもり(芳文社)
自分の息子を名乗る青年・慶と行動を共にする鳴海。血縁のない父母との歪な家族関係を取り持つ妹の働きもあり、生みの母親への手がかりを掴む。一方、慶が父親だと思っていた男は自分自身で… 奇妙な親子が織りなす、幸福へと向かう物語。
The JOJO Lands 4 / 荒木飛呂彦(集英社)
チャーミング・マンを仲間に引き入れたジョディオたちは、彼の弟が消息を経ったハワイ島ファラライ山の土地を所有するインフラ整備会社・HOWER社を次なる標的に据える。その資産総額は500億ドル。命懸けの金儲けが今、始まる。
完全に最近見た影響でだけど、ちょっと『地面師たち』っぽかった。
上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 5 / 塀(秋田書店)
いぶきとぼたん、かなでとジンラン、あかねとやえか、それぞれの関係が静かに確実に進む5巻。お酒やチョコや映画やファッションといった塀先生の興味がそのまま全面に反映されています。とても静かな群青劇。
ゆらゆらQ 5 / 雨隠ギド(白泉社)
きゅーこ(九子)が本当に可愛い。きゅーこが可愛いだけで作品が成り立つんだよなぁ。悩んだり挫けたり頑張ったり、ゆらゆら揺れるきゅーこをみんなで愛でよう。
メダリスト 11 / つるまいかだ(講談社)
ジュニアGPシリーズ、初の海外遠征に臨むいのりと司。大会規模も攻略方法も違う舞台で追う立場から追われる立場へと進むいのり。しかし目指す高みはまだずっと先だと思い知る。
不幸や苦労を取り除いてもらった優しい世界でしかスケート選手になれない、そんな恵まれた環境にいる自分に後ろめたさを抱くのは精神的にもどんどん成長していう証。いるかが良き姉ポジでいいね。超えるべきライバルでもあるけど。
それはそうといのりの衣装めっちゃ可愛いよね。
8月31日のロングサマー 5 / 伊藤一角(講談社)
8月31日を繰り返す鈴木くんと高木さん。丁度1年だしぼちぼち終わるかな?と予想していたけど、クライマックス風な空気から一転、ループのきっかけと思しき人物・奥野さんが登場してまだちょっと続きそうな雰囲気。いや、誰…?
金色のガッシュ!!2 4 / 雷句誠(クラーケンコミックス)
ブラゴ見参!もはや呪文不要の肉弾戦を展開。力こそパワー。御歳80歳のナゾナゾ博士の醸し出す色気が堪らんな… 強いジジイが出る作品は面白い法則。
キミと越えて恋になる 7 / 柚樹ちひろ(集英社)
新学期を迎え、クラスが離れた万理と繋。1年生としてキサラの弟・ノアも入学してきたが、人間への信頼は無に等しく周囲と馴染めずにいた。そんなノアに関わろうとする双子の鳴美と静真の登場で、1年生ズの交流も描かれる。
これでやっと主要キャラが揃ったそうです(あとがき談)。そうだったのか…
路傍のフジイ 3 / 鍋倉夫(小学館)
自分の人生を謳歌するフジイさん。今回はフジイさんの学生時代のエピソードも登場。基本、彼がどう思って行動したかは言及されないので、当たり障りないことしかしていないとも言えるけど、人間関係ってそこまで精神的に踏み込まなくても良かったりするんだろうなと思う。
同僚の石川さんの言葉を借りると、「彼を見ていると人間そのものを好きになれる」。自分と他人との間にある溝に橋を架けようと思えてくる。そういう人です。
セシルの女王 7 / こざき亜衣(小学館)
ヘンリー8世が死にそうでなかなか死なない中、王位継承権第1位・エドワードへの教育が急がれる。しかし宮廷という箱庭で温々と育てられてきた幼き王太子にその覚悟はなかった。そんな彼に姉のエリザベスは言う。「私と一緒に死ぬか?」と。
生死の境を経験した王子は神の存在を確信し、虚構の上に敷かれた王道を進む。しかし歴史は残酷にも繰り返されるか。エリザベスへの忠誠を改めて誓ったセシルが見る次なる惨状とは…
漫画って度々「声に出したいセリフ」が出てくると思うんですけど、エリザベスのセリフは大体それです。
雑記(友人の結婚式)
以上、8月のまとめでした。
今月は【新】と【完】が全体の半分ほどを占めていた気がします。新作はどれも面白かった。特にサムネに入っているような作品たちはおすすめです。
『しかし火事獅子歌詞可視化』『あなたが私を変えたから』は1巻完結で読みやすいので手に取りやすいかも。
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今日(8月31日)、学生時代の友人の結婚式に行ってきたのですが、幸せのお裾分けをいただいて非常に幸福感に満ち溢れています。
結婚式って親族や友人来賓総出で皆んなでお祝いできる結構異様な空間だなと思いました。おめでとうございました。末永くお幸せに!(ここで言っても仕方がない)
式次に新郎新婦の好きな漫画が書かれていたのですが、新郎が『蟲師』、新婦が『カードキャプターさくら』でした。わかっとる。
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