2024年10月に読んだマンガの記録
10月に読んだマンガを紹介していきます。
今月の10冊
【完】双影双書 4 / 舟本絵理歌(小学館)
皇后の亡霊に縋りつき、実子暗殺を企てた叶国皇帝陛下。篤国の姫・翠燕と婚礼の儀を果たした宵扮する冠星は、篤王に招かれ篤を目指す。皇帝の根回しによりまたしても命を狙われる冠星(宵)だったが、勇気ある宵の行動が功を奏し、無傷で叶国へ帰還。燃え盛る炎の中で父と訣別した冠星は、僵死として最後の時を迎えるのだった。
叶国を千年の安寧に導く未来の皇太子と、皇太子を支えた影武者。双つの命の物語、堂々完結!!!!
ハッピーエンドしかありえないと思っていたけど、舟本先生らしい優しさの滲むエンディングだった。エピローグの二人の会話が「全て」だと思う。完結は寂しいけど最後まで一緒に歩めて一読者として幸せでした。
放課後帰宅びより 3 / 松田舞(双葉社)
———『ハイパー帰宅部』とは、ユニークでマイペースでちょっとミステリアスな先輩と、なんだかんだ先輩に付き合う優しい後輩の二人だけが所属する、帰り道に”ロマン”を見出す部活である。
すっかり一緒の時間を過ごすことが当たり前になってきた二人のいつも通りの放課後に、ほんの少しの変化が生まれる。ラストの瞬くんの一撃必殺台詞と直帰先輩の表情よ!ラブコメの波動がメキメキ広がってきてます。最高最高最高。
【新】13日には花を飾って 1 / 一色まこと(小学館)
『花田少年史』『ピアノの森』の一色まこと先生の新作。妻を亡くした男4人兄弟の父子家庭・村野家に料理人としてやってきた女性・松平奈央。優しい旦那さんと4人の兄弟たち、お婆ちゃんとヘルパーさんという大所帯に迎い入れられ、後妻として家族になる、という話。
毎月の月命日には長い階段を登った先にあるお墓に花を手向ける日々。その時間が奈央さんにとってかけがえのないものとなり、家族一人一人と向き合っていく上での大切な一助となり、村野家の人たちもまた実母の存在を尊重しながらも奈央さんと打ち解けていく。
少しノスタルジーで、ポジティブな気持ちになれる作品でした。これから村野家にはどんな未来が待っているんだろう。
自分が13日生まれなので作品全体にどこか惹かれるものを感じました。もう普通に「13」という数字が好きなまである。いいよなぁ「13」
【新】ごはんが楽しみ / 井田千秋(文藝春秋)
『家が好きな人』が絶賛ロングヒット中の井田千秋先生の新作ごはんエッセイ。朝パンや家中華に舌鼓を打ちながら、近所のランチ散策や野菜の無人販売に心を躍らせ、マグカップや食器たちに想いを馳せる。
これくらいの粒度で日々を過ごしたいなぁ、としみじみ感じたと同時に、1から10まで憧れずに自分なりに日々を愛でようと思いました。とは言え、この雰囲気はやっぱり大好き。マグカップの回がお気に入りです。
そしてなんと!大垣書店(京都のローカル本屋)のWEBサイン会に申し込めたので宛名入りのサイン本もゲットすることができました。限定の描き下ろしリーフレットも付いていて嬉しい。「通常かみちぃ」自分もよく見ます。
【新】GALAXIAS 1 / (講談社)
尻尾の生えた”竜人”たちが暮らす王国の片隅で、冒険に憧れる少女・ジオは、記憶喪失の青年・ネレイドと出会い、世界へと飛び出す。圧倒的世界観で描かれる新時代の冒険ファンタジー、堂々登場!
週刊少年マガジン新人漫画大賞を受賞した読切から主人公とヒロインの設定を逆転させて連載化。王道を突き進む冒険感が堪らなかったです。長い目で楽しめる作品になりそう。
日常 12 / あらゐけいいち(KADOKAWA)
唯一無二のあらゐけいいちワールド全開でずっと楽しい。初っ端の停電したと思い込んで東雲研究所に侵入する中村先生の回でもうダメだった。フェっちゃんとウェボシーの掛け合いも大好きなので登場回多くて嬉しかったです。
京アニ制作で『CITY』のTVアニメ化も決定!素直に嬉しすぎる…
【新】アマチュアビジランテ 1 / 浅村壮平・内藤光太郎(講談社)
低学歴・低収入・自称低級国民の39歳 ”無敵の人” 尾城は、一週間後に政治家たちの暗殺計画を企てていた。しかし計画直前にアパートの隣に住む大家族の娘と知り合い、あろうことかその娘が反社組織に誘拐される。
組織のアジトに単身乗り込んだ尾城は、長年にわたるイメトレで培った戦闘力が覚醒。その場を圧倒し、そして確信する。己の持つ「殺しの才能」を。
空虚だった自分の人生で初めて手にした「完全なる勝利」と「心地良い充足感」。巨悪組織への制裁を誓った素人殺し屋おじさんの人生と世界への叛逆が始まる。
【新】青春爆走! 1 / 研そうげん(双葉社)
高校デビューに失敗し、有り余る性欲を持て余していた高校生・日暮まるお。そんなある日、尊敬する兄が売春容疑で逮捕されてしまう。受け入れられない現実と突き付けられる現実を前に、自らの将来を悲観する少年は、最悪の形で青春を謳歌し始める。
「”やっちゃいけないこと”が 青春でしょ」
だいぶ、本当にかなりだいぶブッ飛んでいて、サンボマスターもビックリな青春コンプレックス漫画だった。これ世に出して大丈夫…?とすら思った。
今のところ破滅の未来しか想像できないけど、走り出したら止まれないものだからね、青春ってやつは。
【新】ドカ食いダイスキ!もちづきさん 1 / まるよのかもめ(白泉社)
とある企業に勤める21歳の営業事務・望月さんの幸せ、それは「ドカ食い」。成人女性に必要とされる量の2倍、3倍のカロリーを摂取し続け、”至る(ドカ食い気絶)”ことに快感を覚える女の、命知らずなハイカロリーフードファイトコメディ。
連載開始当初から話題を掻っ攫い「次に来るマンガ大賞」にてニチレイ賞も獲得した注目作。正直、笑えないレベルの暴飲暴食の連続で心配になるし、単純に望月さんが残業しすぎているという就労環境も怖い。面白さ半分、恐怖半分の迷作が誕生してしまいました。
カッパ少年紅介 昭和妖怪恋物語 2 / Ikeda Akuri(KADOKAWA)
電子版のみでも2巻が出てくれて嬉しい。(1巻に「1」表記がなく休載もされていたそうなので)
カッパの町に迷い込んできた記憶喪失の人間の少年。記憶が戻るまでの間、紅介たちによって匿われ、郷と名付けられた彼は、お人好しな紅介に次第に惹かれていくが…。
種族も性別も越えた恋。過去の事情と現実の問題が二人の前に横たわっていますが、想いが通じ合う瞬間は訪れるのか。胸が締め付けられるような展開で苦しいけど3巻が出てくれることを切に願っています。
新規&完結
【新】逃げろ松本 1 / オクスツネハル(集英社)
ジャンプ+にて連載中のデスゲームサスペンス。将来を期待されながらも薬物使用疑惑が原因で未来を失ってしまったロードレース選手の主人公・松本は、今は自転車でフード配達をしながら生活費を稼ぐ毎日。
しかし、とある事件に巻き込まれ「100日間の逃避行」を達成すれば、ロードレース界に復帰できるという願ってもないチャンスが転がり込む。スピードの中でしか「生」を実感できない生粋のスピードマンは100日間を無事逃げ切ることができるのか…!?
なんじゃそりゃ展開・要素はあるものの、ロードバイク系作品の新作は常に欲しているので、楽しみにしています。これがロードバイク系作品かはちょっと微妙かもだけど。
【完】恋をしたのに世界は滅びる気配もない 2 / 東雲(講談社)
幼い自分を残して出て行った母親との再会と別れを経た天城くんは、桃園さんとの初デートへ。別れを経て前を向いた天城と別れを経て心を閉ざしてしまった桃園。そんな二人でも交われる。
真っ直ぐで少し官能的で味のある恋愛物語でした。絡みシーンも普通にハイレベルで凄かった…(語彙力)。次回作も楽しみにしています。
【完】かさねと昴 5 / 山田金鉄(講談社)
女装男子と真っ直ぐ一途女子のダブルヒロインラブコメ完結。4巻までは昴の女装との向き合い方みたいなところに焦点が当たりがちでしたが、最終巻はその集大成とかさねのお仕事との向き合い方にクローズアップ。
当たり前のことかもしれないけど、人と人が出会って、お互いを好きになって、相手を通して自分を見つめ直す。その過程はどうであれ「ドラマ」になるよなぁ、と再認識しました。
ニッチなテーマだけど、シンプルにメッセージが伝わってくる傑作です。
【完】少年のアビス 18 / 峰山りょう(集英社)
大人に振り回され続ける地方の少年の闇物語、完結。終始ダークな作品だったけど、最後は予想通りというか、無難というか、含みを持たせた終わり方でした。
柴ちゃん先生勝利エンドか全員死亡エンドを期待していたからちょっと不完全燃焼感はあるけど、最後まで読めて良かったです。ただ、次回作は『初恋ゾンビ』方面の作風でお願いします(いまだに同じ作者と思えない)
続刊&既刊
兄だったモノ 6 / マツダミノル(GANMA!)
少々話が複雑(キャラクターたちの目的が曖昧)になってきた感はありますが、死んだ兄と兄の恋人とその恋人に恋する妹の三角関係は依然続いています。鹿ノ子と聖の前に現れた小さな兄・騎一郎の真意が気になるところ。
ラーメン赤猫 9 / アンギャマン(集英社)
2024年夏アニメの中で個人的トップの出来だったラーメン赤猫は原作も抜群の安定感。大繁盛なGW営業を乗り越え、佐々木さんの別荘でみんなで暫しの休息。解き放たれる野生本能!
弁護士の寺田さんのエピソードも涙なしでは読めません。猫たちが主役だけど、脇を固める人間たちもまた良い味出してます。連載の方で描かれているジュエルのターニングポイントに繋がる話も必読。ジュエル、お前辞めるのか…?
半人前の恋人 4 / 川田大智(集英社)
美大生になった進太郎と和太鼓職人・響子の初々しい若人カップル。4巻ではお互いの家族との関係が描かれる。
恋人を知る上で避けて通れない「生い立ち」や「家族」のこと。もちろん二人の関係は二人だけのものだけど、その人が歩んできた道や出会ってきた人たちのことを含めてのその人だと思うから、引っ括めて抱き締めたい。胸がいっぱいになる良き作品です。次巻は屋久島に行くらしい。
クソ女に幸あれ 4 / 岸川瑞樹(集英社)
来花襲来でまどろっこしい人間関係はより一層カオスに。一応その辺の誤解は解かれ、菜摘先輩は正式に直への自分の気持ち自覚し、関係に変化が生まれていく…のだろう、か?
入れ替わり要素いらんな〜と思いながら読んでしまっている。よくない。…入れ替わり要素いる?
放課後ひみつクラブ 6 / 福島鉄平(集英社)
どうやら連載は完結が近い雰囲気が漂っているそうですが、今回も蟻ヶ崎さんは可愛かったので大満足。蟻ヶ崎さんに無断で実家に来てくつろいでいてほしすぎる。ぬわちゃんも可愛い。マザーコンピューターと格ゲーする回好き。
アオのハコ 17 / 三浦糀(集英社)
《10月からアニメもスタート①》夏祭りをキッカケに大喜と千夏先輩の関係は公に。匡、雛、マネージャー(菖蒲)、匡幼馴染(咲季)、遊佐弟(晴人)、兵藤妹(あかり)、と其処彼処でラブの波動が広がっていて感情が忙しい楽しい。大喜と母親の回で少し泣く。
今期ジャンプアニメだと『アオのハコ』が一番好きです。初期の頃の話も結構忘れているので読み返しながら毎週楽しみにしてます。
ダンダダン 16 / 龍幸伸(集英社)
《10月からアニメもスタート②》金玉の行方を追うオカルンとモモは重要人物らしき「ズマ」という人物の手がかりを掴むために超ヤンキー高校に乗り込むことに。”ジオラマ”の中のゲームに取り込まれたモモはズマと接触するも、状況はそれどころではなく…
ジオラマ編?突入。オカルンの金玉への道は遠いけど、ズマのキャラデザ珍しくかっこいいので期待。なんか見たことあるような造形な気もするけど。
流石に覇権オーラがすごい。お金かかってそう。
株式会社マジルミエ 14 / 岩田雪花・青木裕(集英社)
《10月からアニメもスタート③》自社の傘下に入ったマジルミエに出向して来た土刃さんは、信頼関係構築の為に皆で野球をすることを提案する。唐突に挟まれる野球回。突発的なプレイボールは名作の証。
野球回そのものよりも、この作品が前振りなく野球回を入れても大丈夫な地位を確立できていることにちょっと感動する。人気投票、重本社長2位なの意外だ。かっこいいけど。
EDの迫真の表情、意味わからんくて好き(OPはキーキー煩くて苦手)
どく・どく・もり・もり 3 / 背川昇(ヒーローズ)
ベニテングタケ、ツキヨタケ、カエンタケの「人間の死体探し」の旅は、様々なキノコたちとの出会いと別れの連続。
ロウタケはミギーだったし、ハエ視点の描写は画期的だったし、塩で毒抜きされ清くなったベニテンちゃんは別作品のキャラみたいだった。各キノコたちがちゃんとその性質に即したキャラデザが為されていて普通にキノコ図鑑として良質な資料だよな~、と毎度感心する。
女の園の星 4 / 和山やま(祥伝社)
今や各方面から一目置かれているであろう天才的スーパーオモロマンガ。今回もハチャメチャに面白かった。
ただ、巻を追う毎に女子校のおじさん先生たちの横の関係が濃く描かれるようになってきて、「そっちか〜…」と思っている読者は私だけでしょうか…。めちゃくちゃ面白いんですけどね。女生徒たち側が観測者ポジになってきていて、ある種の逆転現象が起きている。
ちなみに小林先生の甥っ子が読んでいたのは『ひらやすみ』でした(1巻105ページ)
スクールバック 4 / 小野寺こころ(小学館)
人生の岐路に立つ高校生たちにそっと寄り添う用務員の伏見さん。一貫して伏見さんから彼らに対して救いの手を差し伸べるわけではないところがとても好き。高校生くらいにもなるとそう簡単に自分の弱みを曝け出さないか。それにしても皆逞しすぎるな…
最後の”我が子下げ”をしてくる母親との関係に悩む男子高校生の回。最終的に妹ちゃんが母にも兄にも嫌気が差して家の外に行きがちになるの残酷だったな…
ブルーアーカイブ ゲーム開発部だいぼうけん! 2 / 水あさと・ブルーアーカイブ(スクウェア・エニックス)
ブルアカゲーム開発部スピンオフコミック2巻。ユズの匂い嗅ぎたすぎるんよ…。あとやっぱりユウカが一番可愛い。随所に「水あさと先生が描いている感」が漂っていてすごい。
ギャルがシルバニアファミリーを溺愛したら。#ギャルバニア 4 / 岡野く仔(講談社)
バニア好きによるバニア好きのためのバニア愛でマンガ。バニア好き同士で結婚した先生たちを祝福しつつ、バニア部もとい写真部の新入部員も入って来て無事バニア沼へとハマっていく。
なんか「好きなものを好きでいる誠実さ」みたいなテーマから段々とただただ「バニア狂いたちの愛情が降り注がれ続ける狂気さ」が目立ってきた気がする。悪いことではもちろんないんだけども。
ひとひとがみ日々 1 / 古山フウ(小学館)
人里離れた山奥の廃村で暮らす人の形をした神々の日常。記憶の欠けたイシは、そこに自分たちのルーツがあると読み、土地に根ざした記憶を辿りながら己の存在を問う。不安と安らぎ、表裏一体の毎日に影が落ちる。
昔話のような雰囲気だけど時代設定は現代で、グルメな側面も併せ持つという独特な和風ダークファンタジー。絵柄がとにかく大好き。蕗味噌が食べ切れないと嘆くキクがかわいい。
かまくらBAKE猫倶楽部 2 / 五十嵐大介(講談社)
鎌倉を舞台に五十嵐大介が描く猫にまつわる不思議な話々。
人間の良き隣人であり到底知り得ない超常現象そのもののような「猫」という存在と、数多の歴史が積み重なった「鎌倉」という土地の親和性よ。脇道の先にある異界に誘われるような感覚でページを捲りました。
鎌倉、旅行では何度か訪れたことはあるけど、実際に住んでみたいなぁ。材木座海岸すぐの小さな宿に泊まった思い出。
琥珀の夢で酔いましょう 8 / 村野真朱・依田温・杉村啓(マッグガーデン)
自身のキャリアや「白熊」の展望、未来への悩みが尽きない七菜は、鉄雄と共に取材旅行として松本のブリュワリーを訪れることに。
初めて飲むビールの味や蒸留所で働く女性スタッフたちとの交流、そこに込められた想いに触れ、クラフトビールが形成する文化の奥深さに改めて気付かされる。
自分も地元を離れたくて出てきた身だけど、地元に根ざすことの有意義さが伝わって来てすごく腑に落ちた。「地元を良くしたい」という考え方は実はとても自然なことなのかもしれない。
クプルムの花嫁 6 / namo(KADOKAWA)
新潟・燕三条を舞台に描かれる鎚起銅器職人・修と幼なじみのギャル妻・しいなのプロポーズから始まるお仕事ラブコメ。
素材に向き合う時間と様々な人との出会いを経て、職人としても人間としても成長した修は、しいなの頑張りもあり銀座での「銅とステンレスの企画展」を成功させ、蟹を食う。この時間がずっと続いてほしい。
今さら調べたけど「クプルム」とはラテン語で「銅」という意味らしい。そろそろメディア化企画も進行してそう(希望的予想)
ババンババンバンバンパイア 8 / 奥嶋ひろまさ(秋田書店)
バカしか出てこない変態ブラッディコメディ。吸血鬼絶対殺すおじさん・芹沢の登場で血が流れる展開になるも、蘭丸の李仁への真っ直ぐ(歪んだ)想いで終息。そして、李仁の誕生日パーティーという名の仁義なき戦いの火蓋が切って落とされるのであった。
アニメ化&実写映画化とメディアミックスも盛り上がっていて良いね。李仁くんがほとんど蚊帳の外なところがこのマンガのミソです♨︎
呪文よ世界を覆せ 2 / ニコ・ニコルソン(講談社)
相方からコンビ解散を告げられ底辺ピン芸人となってしまったトタは短歌を愛する女性・タユタと出会い、芸人としての再起を図る。「短歌」がテーマのリベンジコメディ第2巻!
相方探しも難航する中、悪名高き元・地下アイドルのよっちとコンビを結成することになったトタ。案外悪くない化学反応を起こす二人だったが、短歌についてはもうそっちのけで…?
変わるのは、他人でも世界でもなく、いつも自分。トタが唱える呪文はタユタさんに届くのか。その時タユタさんはどうするのか。
明日ちゃんのセーラー服 14 / 博(集英社)
文化祭なかなか始まらんなぁと思っていたけど、ここに来て演劇の開演自体がNGに。明日ちゃんと木崎さん、二人の関係も含めて物語は予期せぬ展開へ。
ほぼ画集として楽しんでいる節がある本作ですが、明日家の話と文化祭の話でちょっと錯綜してしまってる感が否めない。千嵐部長が登場したあたりから作品としての流れが明らかに変わった気がします。
オタクに優しいギャルはいない!? 8 / のりしろちゃん・魚住さかな(コアミックス)
名古屋オタク遠征お泊まりイベントからのホワイトデーからの終業式からの春休みへ。オタクくんへの恋心を自覚した天音さんと伊地知さん。3人の関係はどう変化していくのか…。
優しい世界の光のマンガなので、こんなこと言うのもナンセンスですが、ちょっとオタクくんが「善」すぎて引いてしまう。…お前何なん?(や、嫉妬ではない)
天狗の台所 5 / 田中相(講談社)
兄・基の元へやって来て丁度一年。天狗としての隠遁生活は終わりを迎え、オンがニューヨークへと帰る時が近づく、が、もう一年日本で過ごすことを選択したオン。巡りゆく季節の中で、小さな日々の積み重ねが少年を少しずつ大人へと変えていく。
オンたちのご先祖様とむぎ(犬)の出会いを描く過去編も収録。むぎかわいすぎるけどあなた一体何歳…?ドラマも2期が始まってめでたいことこの上ないですね。
君と宇宙を歩くために 3 / 泥ノ田犬彦(講談社)
目の前のことに一生懸命な宇野と、彼に影響されながら頑張る小林。期末テストの補修もほどほどに天文部のみんなでプラネタリウムへ。楽しい一日になるはずが些細な予定のズレが宇野のメンタルを削っていく…。
宇野だけでなく、小林や先輩の美川、宇野のお姉ちゃんにもそれぞれの「個人的な懸念」がいくつもあって、それらが相互に作用して人間関係が構築されていく様がマンガマンガしていて良い(「マンガマンガしている」とは)。
ちょくちょくキャラの等身が小さくなっていってるのも愛おしいです。
ぼっち・ざ・ろっく! 7 / はまじあき(芳文社)
ぼっちと喜多ちゃんの修学旅行、リョウと虹夏ちゃんの卒業式&受験が終わり、結束バンドのニューシングルリリースと同事務所所属の新進気鋭の先輩アーティスト「クリムトの夜」を招いてのライブと着実に音楽活動を進めていく4人。
クリムトの作曲担当・Ameがぼっちと同属性で、さらにギターヒーローとしてのぼっちを尊敬しており…という”尊”関係。ぼっちが主人公していて熱かったぜ。虹夏大学編も楽しみ。
BLUE GIANT MOMENTUM 3 / 石塚真一・NUMBER8(小学館)
突如、大の前に現れたのは、NYジャズ界が刮目するトランペッター・カーメロ。「自分が上」と高らかに宣言する同世代のスターに大は当然のごとく対抗意識を燃やすが…。そして苦境に立たされる大の元へ日本から玉田が訪ねてきて…!?
越えなければならない壁は依然として大きく、知らず知らずの内に自分の枠を作ってしまっていた大。玉田との再会を経て、改めて、泥臭く這い蹲りながらでも自分の道を信じる決意を固める。
MUJINA INTO THE DEEP 3 / 浅野いにお(小学館)
カリスマムジナのテンコと特安の樫尾が手を組み、歪んだ社会の狭間で暗躍する。
1巻冒頭の描写と繋がり、大きな事件との関わりが少しずつ見えてきたウブメの身辺。人権なき暗殺者”ムジナ”に未来はあるのか。そもそも現代を生きる一般人にすら確かな明日は保証されていない世の中で、誰しもが己の欲望にだけ忠実に生きる。
インターネット・ラヴ! / 売野機子(祥伝社)
今月の売野機子作品。去年も少し話題になっていた一冊ですが、やっと読めました。
ネイルサロンに勤めるバイの青年・天馬のモーニングルーティーンは韓国人の青年・ウノくんのアカウントをチェックすること。5年間のネトストで彼への恋心を抱いていた天馬はウノくんの恋人できた投稿を見てショックを受け、彼女とも破局。そんな時、来日するというウノくんから会わないか?というお誘いが来て…。
SNSの相互フォローから始まるユルBL物語。承認欲求の塊のウノくんも、そんな彼を画面越しに好きになってしまう天馬も、良い意味で現代的な俗っぽさがあって良かった。インターネットの善性に基づくラブがこれでも詰め込まれていました。ええもん読んだ〜
うるしうるはし 1~2 / 樋渡りん・もりちか(秋田書店)
祖父に習い「漆芸家」を目指す高校生の海尋は、近所の旅館で働く女性・紬と出会い恋に落ちる、という年の差伝統工芸ラブコメ。
『冠さんの時計工房』『今日からここで暮らシマす!?』の樋渡りん先生と『枕営業の眠さん』『あゝ我らがミャオ将軍』作画のもりちか先生のタッグ。いやめっちゃ絵がうまい。蒔絵のような繊細な線が素敵でした。おねショタと言えばおねショタ。早よ付き合いなさい。
宵明けてロマネスク / 高瀬わか(講談社)
『姉のともだち』『みーちゃんは飼われたい』の高瀬わか先生の一冊完結短編。昭和初期の東京を舞台に文芸誌編集の弦一郎と父親が残した「二条譲」という屋号で小説家を続ける少女・ゆづるの年の差文学ロマンス。
一冊完結なので読み味は軽めですが、先生お得意の動物っぽいキャラクターが活き活きと動いていて良かったです。「年の差」設定好きなのかもしれない。
※おそらく?電子のみの発売で、書影の帯文っぽいコピーは電子本棚に入っても残ったまま(こういうのは大抵DLして開くと消える)です。これは完全に悪手。舐めてる?
夢なし先生の進路指導 1 / 笠原真樹(小学館)
元キャリアコンサルタントで進路指導担当の高校教師・高梨は、生徒から「夢なし先生」と呼ばれている。彼は生徒の「夢」に対し、事実に基づいた「現実」を正面から突きつけ、否定し、その覚悟を問う。
「夢にはくれぐれも気をつけてください。」
尋常じゃない参考文献資料に裏打ちされた「読む現実」とでも呼べそうなリアル夢物語。高梨先生なりに誠実に生徒たちに向き合っている姿は理解できるし、一応「希望」と「絶望」の両側面を照らすようなメッセージ性も持ち合わせているけど、これ読者はどんな顔して読むのが正解なんだろう…
忠告されてそれでも夢を追って、結果挫折や失敗を経験した生徒の視点で考えると、後々「答え合わせ」的に学生時代の進路指導の先生に会いに来られたら普通に嫌じゃない…?とか思ったり。
これは自分がマンガに対して「リアリティ」を求めることはあっても、「現実」を求めているわけではないというスタンスなのが大きい。医者マンガや闘病エッセイが苦手なのもこれが影響している。ような気がする。夢のない大人になってしまった。
アクロトリップ 1 / 佐和田米(集英社)
こちらも10月からひっそりとアニメが放送中のりぼん連載の魔法少女コメディ(全5巻で完結済み)。新潟の祖父宅にやってきた伊達地図子は、街を守る魔法少女・ベリーブロッサムを愛するオタク女子。しかし、肝心の悪の総帥・クロマがへっぽこすぎるが故に誰もほとんど気にも留めない不毛な争いが続いていた。
ベリーブロッサムをもっと輝かせるには私が何とかするしかない!と悪の道へと堕ちる(アクロトリップ)決意をした地図子の明日はどっちだ。
後記
そんなわけで、10月に読んだマンガたちの記録でした🎃
何と言っても完結した『双影双書』が今月の顔ですが、『放課後帰宅びより』最新巻の破壊力も凄まじかった。まだ3巻なので是非とも読んでほしい。
新規作品は好みのあたたか〜い作品から王道ファンタジーにヤバい雰囲気のものまで幅広く揃っていた印象です。『13日には花を飾って』は特におすすめです。
そして10月からは秋クールのアニメもスタート🍂
今期はジャンプ作品が集中していて、やはり幅を利かせている感じですね。完全に味を占めている。世の中的には原作もアニメもジャンプ一強です。
個人的には『メカウデ』と『ネガポジアングラー』が面白い。前者はナンバーナイン発の原作があるっぽいので、隙を見て読んでみようと思います。
そしてそして今月の閑話休題noteは、おけべちさんのマンガをきっかけに考えた持論について。
おけべちさん御本人にXとInstagramで反応していただけて嬉しかったです。コミティアの御本も楽しみ。
あと、改めて近影?アイコンキャラ?みたいなものが欲しいなぁ、と思った。こういうのって誰かに依頼したりできるんだろうか。
最近、本noteの体裁が迷走しがちですが、今月は結構良い感じにまとまった気がする。今後はこういう感じでいきたい。
最後に、来月の新刊購入予定リスト(保留分除く)を貼っておきます(結局載せるんかい)
ではまた来月ッ!