『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を観て思ったこと
『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を公開初日初回に観てきました。
「Re:Re:」が流れるのか否かのネタバレを絶対に避けたかったので。
結果的には流れました。流れてくれました。
サブタイトルに「Re:Re:」が入っていて劇中で「Re:Re:」が流れないとかそんな訳あるか~い!アホか~い!と多くの方が予想していたことでしょう。
でもいざ流れたらもう大歓喜。新規カットも盛り盛りで再編集された本編の内容はほとんどどこかへ飛んで行ってしまいました。
まだ結束バンドとアジカンは繋がっているんだ、共鳴しているんだ、と感じられて嬉しかった。
TVアニメ版のラストで「転がる岩、君に朝が降る」のぼっちカバーver.が流れた時の感動が蘇るようなエンドロールでした。
ぼざろのアニメが個人的に響いた最大の要因は「原作に少なからずあったアジカンへのリスペクトが、アニメ化に際し、より色濃く描かれたから」という点だと思っています。
学生時代、ロックなんかこれっぽっちも分からない小僧が耳が取れるくらい聴き続けていたアジカン。
今でも何も分かってはいないけど、多感な時期をアジカンの音と共に過ごした自分にとって、アニメぼざろは「アジカンのアニメ化」級のインパクトのある作品でした。
そんな作品の最終回のラストに流れた「転がる岩、君に朝が降る」。
結束バンドの楽曲はどれもハイレベルで最高だけど、最後の最後にアジカンの曲がぼっちの歌声で流れたことが堪らなく嬉しかったし、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品が自分の中で揺るぎない地位を確立したと感じた瞬間でした。
もう一言一句ぼっちを歌った詞にしか見えない歌詞。
ひとりぼっちの少女の人生に少しだけの朝が降る。世界がどうとか、ロックがなんだとかの話とは関係のない些細な変化が訪れ、何事もなくまた夜が来て、日常は続いて行く。それだけの話。
なんて言えばいいのかわからないけど、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』はぼっちだけの話なんですよね。
原作はもっと俗っぽいというか、なんかわちゃわちゃしている。エンタメ作品としてそれはそれで楽しいし好きだけど、アニメはより「ひとりぼっち」な話になっている気がしています。そこがすごく好きだった。
このゴッチのコメントが好きです。
前置きが長くなりましたが、今回の劇場総集編のラスト、TVアニメ版で「転がる岩~」が流れた箇所で「Re:Re:」のぼっちカバーver.は流れました。(正確にはタイミングは少し違います)
原曲とだいぶ違う印象のイントロで、ぼっち役青山吉能さんの不安定だけど高らかに歌い上げるボーカルが、もう一つの「Re:Re:」として真っ暗な劇場内で燦然と光っていました。
今回も編曲は三井律郎さん。
エンドロールに入る前のぼっちの人生(時間)が巻き戻る演出は、同曲の再レコーディングver.が起用されたTVアニメ『僕だけがいない街』へのオマージュでしょうか。
ただのオマージュを最後の最後で持ってくるのはちょっと違うし、ぼっちがぼっちになる前まで遡るのもなんか過剰な演出な気はするけど、なんか、なんかよかったです。
そもそもこの曲自体は「後悔」を歌った退廃的な曲で、そういう面ではぼっちや喜多ちゃん(こと劇場総集編においては「喜多ちゃん→ぼっち」の印象が強い)と重なる部分もあると思います。が、別に曲名以外に「ループ」「繰り返す」とかそういう要素はない気がするけど、どうだろう…
「ぼ喜多」のカップリング自体はそこまで支持していませんが、曲中の「僕」と「君」をどう捉えるかを妄想するのも一興です。
この曲が起用された経緯はわかりませんが、劇場総集編を前後編の二つに分けて、前編をぼっちと虹夏に、後編をぼっちと喜多にそれぞれフォーカスし、サブタイトルを総集編ということで「再」を意味する『Re:』、前編を受けて後編を『Re:Re:』にして、主題歌もアジカンの『Re:Re:』のカバーにしたらおもろいやん、くらいのノリだったのかもしれません。
…と書いてはみたものの、やっぱり個人的には『Re:Re:』がぼっちと喜多ちゃんに重なる歌詞に思えるので、この曲の起用が最初にあったと思いたい。
パンフレットにはとりあえず先に曲が録られていて、斎藤監督がエンディングとして起用したと書かれていていたので、必ずしも最後に持って来る想定だったわけではなさそうです。EPのボーナストラック的なポジションになる可能性もあったとか。
ただ、こんな贅沢な曲を「君はこの曲を使ってもいいし、使わなくてもいい」みたいな感じで用意するんだ…(世界樹の迷宮)
(余談ですが、アジカンの楽曲における『Re:Re:』は「アールイーアールイー」と読みます。)
劇場総集編内での2期の発表はありませんでしたが、おそらくZeppツアーで発表されるでしょう。東京公演か千秋楽の福岡公演か、何か追加公演か。(当然全落ち済み)
あくまで個人の予想ですが、2期ではアジカン要素は(1期と比べて)薄れるのでは、と思っています。
それは演出上、と言うよりは2期で描かれる「メジャーデビューに向けて邁進する4人」というストーリー上、アジカンとの訣別は自然且つ必然だからです。
言うなれば、文化祭を終えた地点が結束バンドにとってのスタートラインみたいなもので、ここまでは序章。ここから先はもう少しバンドとしての身の振り方を自分たちの目線で考えていくようなストーリーになります。
もちろん結束バンド4人の世界にアジカンの4人は存在しないので、楽曲に引っ張られるような展開はあり得ませんが。
おじさん的にはアジカン要素てんこ盛りの方が嬉しいけど、きっぱりと切り離されていくべきだとも思うのです。
本当に全て一個人の妄想・感想に過ぎませんが、今回の『Re:Re:』が最後になるんじゃないかとか、アジカンとの繋がりが薄れていくかもしれない結束バンドを今までと同じ熱量で追えるかとか、そんなことを考えながら今日発売した「Re:結束バンド」を聴いています。
一つだけ言えることは、これからも『ぼっち・ざ・ろっく!』と結束バンドは盛り上がり続けるということ。
願わくば、アジカンとの繋がりが今後とも続いてほしいところではありますが、今はただ、楽しみに待つこととしましょう。
𝙏𝙝𝙖𝙣𝙠 𝙮𝙤𝙪