![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54376779/rectangle_large_type_2_978c4ae8d39d225b4e80fb7e07b99bde.jpeg?width=1200)
幸ちゃんのポケット
1
Come On ALFEE Season2 の何度目かの配信が終わりました。
「アルフィーの皆様、お疲れさまでーす。楽屋に戻ったら、脱いだ衣装はクリーニングに出すための袋に入れてください。ポケットに入れたものがあったら必ず出して、ポケットに何か入ったままクリーニングに出すことのないようにしてください。」
スタッフが声を掛けた通り、桜井さんも、Takamiyも、ポケットの中を確認してから、装をクリーニング用の袋に入れました。
でも、幸ちゃんだけちょっと残念そうです。
なぜって、今日の衣装に限って、ポケットが無かったのです。
毎回、桜井さんとTakamiyのためにポケットに美味しそうなパンを隠しておいて、パッと出してあげるのを楽しみにしていたのに、今回はそれが出来なかったのです。
仕方ないやと思いながら、幸ちゃんも衣装をクリーニング用の袋に衣装を入れようとしました。
「この袋、俺が入っちゃうくらい大きいな。気分が落ち着くまでこの中にいようかな。」
イタズラ好きな幸ちゃんはちょっと袋の中に入ってみました。
「こちらアルフィーさんのスタジオですか?クリーニング取りに来ました。」
スタッフは幸ちゃんが入っているのも知らずにクリーニング屋さんに袋を渡してしまいました。
クリーニング屋さんは幸ちゃんが入っているのも知らずに袋を持って帰ってしまいました。
2
クリーニング屋さんは戻って袋を開けてみてビックリ。
だって幸ちゃんが出てきたのですから。
幸ちゃんったら、ピックを咥(くわ)えて出てきたものだから、クリーニング屋さんピックにビックリ。
「幸ちゃん、どうしてクリーニング用の袋に入ったの?」
「今日に限って、衣装にポケットが無くて、桜井と高見沢にパンをあげられなかったんだ。それを気にしてたら袋に入りたくなっちゃって。」
袋から出てきた幸ちゃんは、初めて見る業務用の洗濯機に大喜び。
iPhoneで撮影し始めました。
「これ、坂スタにアップしようかな。」
翌日の朝、アルフィーの事務所、プロジェクト・スリーでは、桜井さんも、Takamiyも、マネージャーの棚瀬さんも、関口社長も、スタッフも、幸ちゃんのことで大慌て。
そこへクリーニング屋さんの車が到着して、幸ちゃんとクリーニング屋さんが降りてきました。
みんな心配しているのに、幸ちゃんもクリーニング屋さんもニコニコ笑っていました。
幸ちゃんは「クリーニング工場見学しちゃった。自分達の衣装が洗濯されるの見るって初めてて楽しかったよ。でも、どうしてポケット無かったんだよ。パン入れたかったのに。」
「坂崎何してたんだよ。桜井とちがってスマホあるんだから、連絡しろよ。」
Takamiyは何だか坂崎に一杯食わされたな、といった感じで怒りながらも笑っていました。
このあと、幸ちゃんの衣装にはパンを入れやすい大きめのポケットが必ず付くようになりました。
冷たいエクレアは冷たいまま、熱い揚げたてのカレーパンは熱いまま、美味しく渡せるように、保冷バックと同じ素材がポケットの内側に縫い付けられるようになりました。
🥐🥖🥯🍞🥐🥖🥯🍞🥐🥖🥯🍞🥐🥖🥯🍞
偶然「コーちゃんのポケット」という本に出会い、すぐComeOnALFEEの幸ちゃんのポケットと結び付いて、このお話が浮かびました。
「メイド服のタカミー」で幸ちゃんの登場は2話以降に、とTwitterで予告したのに、書いているうちにもっと後になってしまったのもあって、途中に幸ちゃんの単発のお話を出すことにしてみました。
ちなみに写真は海外のコインランドリーで、日本の業務用ではないのですが、丁度いい写真が見つからなかったので代用しました。あしからず、ご容赦ください。
「コーちゃんのポケット」
ドン・フリーマン・作 西園寺祥子・訳
ほるぷ出版
図書館のほうがこの本に出会いやすいかも。
23刷だなんて、名作なのですね。
https://www.amazon.co.jp/dp/4593501687/ref=cm_sw_r_cp_awdb_imm_F57SAN7WX4G4650YE7EH