オーストラリアの学校だより

在豪15年。オーストラリアの公立校勤務(一応管理職)です。学校生活の新しい視点と、生徒たちとの愉快な備忘録をお届けします。

オーストラリアの学校だより

在豪15年。オーストラリアの公立校勤務(一応管理職)です。学校生活の新しい視点と、生徒たちとの愉快な備忘録をお届けします。

記事一覧

    • なぜ数えるの?

      教育現場で働く方なら、「子どもの発言や行動には驚かされることが多い」というのは、きっと共感できる話だと思います。小さな子どもたちが日常的に見せる無邪気な視点や素直な疑問には、時折ハッとさせられることがありますよね。私も、オーストラリアの公立小学校で保健室の仕事をしている中で、そんな瞬間にたくさん出会ってきました。 オーストラリアの保健室での対応には、持病を持つ生徒への薬や体調管理も含まれています。もちろん、生徒の主治医によって発行されるアクションプラン(Action Pla

      • 小2に気づかせてもらった仕事のやりがい

        私はオーストラリアの学校で事務職と保健室の業務を担当しています。 事務が忙しいときに限って、たくさんの生徒が保健室にやって来ることもしばしば。もちろん、一人で対応するのは大変なこともありますが、それでも生徒たちとのやりとりは楽しいですし、毎日新しい発見があります。  オーストラリアの公立学校の保健室がどんなものか、気になる方はこちら。 今回は、一生忘れることがないであろう、ある小学2年生とのエピソードを紹介します。   その生徒は、とても聡明で活発な子。笑顔が素敵で、話し

        小2に気づかせてもらった仕事のやりがい

        • 紫を着て、虹を見た日

          先日8月30日、オーストラリアではようやく冬の終わりが見え始めました。 日本では暑さが残る中、多くの学生さんが残りわずかな夏休みを楽しんでいたことでしょう。 私の勤務先のオーストラリアの学校では、ある啓発活動の日でした。 ここ最近取り組む学校も多くなった、Wear it Purple Dayです。 ある心痛む事件をきっかけに、2010年にオーストラリアで設立された非営利団体、Wear it Purpleが主催です。LGBTIQA+、特に若者のアイデンティティへの理解を深

          • 保③:いざという時のための電話番号

            オーストラリアの小学校の保健室を任されて、中学・高校と違うなーと思ったこと。 それは予想外のことが多い。 学年が上がるにつれ、生徒自身が自分のことを理解しているので、そもそも保健室に来ることが減りますし、来ても お腹が痛いから少し休みたい 体育で突き指した 風邪っぽい など、わりと想定の範囲内です。 逆に、低学年になればなるほどこの想定を飛び越えていきます。   沢山事例があって選ぶのが難しいくらいですが、この間ふと仕事中にある二つの電話番号をみて、懐かしいなー

            保③:いざという時のための電話番号

            • 保②:学校での応急処置とその限界

              前回の記事で、オーストラリアのある州ではほとんどの学校で養護教諭が在籍しておらず、First Aid Officer(応急処置者)が対応していることをお伝えしました。 今回は、私がFirst Aid Officerとして特に気をつけていることについてお話しします。 First Aid Officerの業務は大まかに3段階に分けられます。 状況把握 応急処置 記録と伝達 気をつけていることは、いくつもあります。 生徒の痛みに寄り添う、きちんと記録を残す、少しでも気に

              保②:学校での応急処置とその限界

              • 保①:オーストラリアの保健室ってこんな感じ

                さっそく生徒たちとの面白いエピソードを、と思ったのですが、お話の背景としてまずはオーストラリアの学校の保健室システムをお伝えします。 「オーストラリア」といっても実は州ごとにシステムが違います。 大げさな話ではなく、別の国扱いです。 ですので、私がお話しするのは、私が滞在している州でのシステムになることをご了承ください。 そもそも「保健室」って?こちらで保健室はSickbayやFirst Aid Roomといいます。 正式名称はFirst Aid Room、呼び名はSic

                保①:オーストラリアの保健室ってこんな感じ