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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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#音楽制作

【社員インタビュー特別編】音楽ディレクター子安次郎が語る普遍的A&R論

BOØWY、ウルフルズなど数々のヒット作品に関わったA&R 子安次郎が語る社員インタビュー第三回。この記事では彼が音楽人生の中で培ったA&R論を語ります。( 前回までのインタビューはこちら ) ヒットを作るのはディレクターではなく「世の中」 ――前回お話してくださったウルフルズもそうですが、アーティストをブレイクさせるまでには試行錯誤の時間が必要ですね。今は世の中の流れが早い分、結果を出すまでのスピードが殊更求められている気がします。  デジタル化などで確かに時代のスピ

「技量」で「技量」を得まくる1年に

ご無沙汰しています。leift、KOTARO SAITOこと、音楽家の齊藤耕太郎です。noteを書かずに過ごすこと4ヶ月余り、気がつけば年が明けてしまいました。明けまして、おめでとうございます。 この数ヶ月、僕はずっと動いていました。一切の立ち止まりもなく、ただひたすら思考→行動→検証→思考→行動の繰り返し。 2023年から2024年になったからといって、自分ごとが大きく変化したっていう印象はないです。まずは去年から今年にかけて僕が何をしていたかの報告も兼ねて、近況報告を

ファーストアルバムの「オリジナルプリント」

作曲家としてキャリアを築いてきた自分が、シンガーleift(レフト)として活動を開始して、ちょうど1年が経った。振り返るほどのキャリアはまだないけど、考えてみればデビューから1年で、 leift / KOTARO SAITO (@leift.kotarosaito) | TikTokleift / KOTARO SAITO (@leift.kotarosaito) on TikTok | 1.4K Liwww.tiktok.c

怯えは、変わる前の静けさ

今の自分に必要なのは、失敗を恐れないこと。滑っても、ケロッとすること。いちいち、間に受けないこと。そう言い聞かせている。 ライブをするにせよ、新譜を作るにせよ、日々の人間関係や生活にせよ。ここ数年、考えて考えて答えを出すことに怖くなって止めていた色んなことを、今は無理やりだとしても動かしていたい。 「精神を細くしている場合ではない。」 そんな感情と、 「やってやんぞゴルァ」 っていう闘争心が、絶妙に入り混じる毎日だ。 繊細は、大胆の裏返し最近、そんなことを自分に思

陰りは、飾りだ。

そう書いていたnoteを、3月末くらいにあっという間に放棄して今に至る。正直、書いても意味がないなと思ってしまったんだ。 2ヶ月経った今、久しぶりにnoteを書いているのは、ワンマンライブを迎えるにあたって自分の心が定まったからだ。 今日のnoteは、 ワンマンをやると決意して契約して書いた3月の自分へ、 そして歌を始めると決意して悶え苦しんだ自分への、 禊(みそぎ)とケジメだと思ってもらえたら嬉しい。 アルバムをリリースして、変わったこと4月5日に、leift名義での

DIYでアーティストとして生きるために必要な思想を、実体験を基に話したい。

leiftとしてのエッセイ寄稿を、少しお休みさせてもらってる。アルバムをリリースして、ライブをして、ワンマンに向けて準備を進める日々。今日は少し別の話をさせてもらえたら嬉しい。 -- プロデューサー視点で、ここ1年の活動を総括久しぶりに、 note上で僕が蓄積してきた音楽制作やブランディングについての ノウハウを紹介しながら、より具体的な話を オンラインサロン本編で話せたら嬉しい。 最初に「僕の成功体験を共有する」というオンラインサロンではなく、現在進行形で僕が培い続け

歌は、修行で、修行は、つらい。だから。

4月になる。1年8ヶ月に渡り作ってきた、シンガーleift(レフト)名義のファーストアルバム『Beige』が、来週4月5日(水)にリリースされる。 -- 今回はライブの話を一旦お休みして、アルバムリリースに向けてまさに今思うことを書いていく。初めては一度しかないから、自分のためにも備忘録として書けたら嬉しい。 変化を受容する結論から先に言うと、僕はアルバム制作を通じて新しい自分を探した結果、巡り巡って元々つちかった自分を順目に進化させることになった。 シンガーと作曲家

音楽は、方法だ。

それが、シンガーleift(レフト)として活動し始めてから僕が導き出した答えだ。僕は音楽で食っていくことも、音楽と共に生きることも、自分にとって目的ではないと突き詰めるほどに気が付く。 少なくともアーティストして活動している根源にあるのは、 音楽がやりたいからじゃない。 僕は一貫して「自分を生きたい」からleiftになったんだ。 自分が自分を生きるための障壁そうはいっても、実際は「100%ピュアな自分」で生きていくことは、今の僕にとってまだ難しい。なかなか、掲げたビジョン

出鼻をくじかれようが、僕は進む。

ワンマンライブへの道。告知開始早々、僕は出鼻をくじかれた。 リリース初日に、ライブで新曲『Breath』を披露するつもりで準備していた。リスナーの方々からも言葉を幾つもいただいていただけに、前日の夜、急に熱が上がっていくのを感じながら本当に不甲斐なく、悔しく、何より申し訳ない気持ちになっていた。 幸いなことに、リハで会ったメンバーには感染させていないことがすぐにわかり(医師に確認したところ、発症2日間で会った人に発熱が見られなければ問題ないそう)、嫁含め他の人に迷惑をかけ

口にして、はじめて、はじまる。

僕は主に、作曲家として音楽のキャリアを歩んできた。作曲が中心にあって、その次に制作(編曲、録音ミックス)が追随。究極、音源の完成度が自分の音楽の全てみたいなところがあった。 そんなキャリアのあり方が「自分で歌う」という行為を志して、根底から覆った。誤解されたくないからしつこく言うけど、作曲家としてのキャリアを捨てた訳では勿論ない。 ただ、少なくともフロントマンとして、ステージに立つ理由ができた。 思い返せば僕は自分の考えを「納得いく形で」人に伝えたいという欲が、小さい頃

期は、進むから熟す。

って、言いつつよ。きついよ、それは・・・。はぁ。 それが今の本音。 どうして僕は、せっかく苦しい道のりを登り終えたのに、 また更に苦しい道を選んで、無防備に登り始めるんだろう。 正直、毎晩本当に胃が痛い。挑戦せずに済んだんじゃないかと、今も毎日思っている。でも、自分が描いた自分になるために、僕は絶対にこの壁を越えなくちゃいけない。だから、勇気を通り越し、根性で表明する。 そんな気持ちで、今日はnoteを書いている。 1年半越しの発表歌い手として初のアルバムを4月5日

答えは、出すもの。

延べ1年半に及ぶ、 誰から求められたわけでもない、自分の進化への死闘が終わった。 シンガーleift(レフト)としての 初めてのアルバム『Beige』が完成した。 気持ちが冷め止まぬうちに、今の気持ちを書いておこうと思う。 少し前の気持ちを前回のnoteに書いたので、より深く意味を理解してくれようとするならまず、『佳境の味わい』を読んでほしい。 『佳境の味わい』から完成に向かい感じたこと最後の方は、もはや自己否定とネガティブチェックの毎日だった。 何せ、歌が気になっ

音楽プロデューサーという仕事について

僕は音楽プロデューサーという肩書きでフィロソフィーのダンス、寺嶋由芙、mainamind, CIRGO GRINCOのプロデュースをしてきました。ですが、この音楽プロデュサーという仕事の内容は特に日本では曖昧です。特に日本では欧米とは違う進化をしたのでよりどんな仕事か分かりづらくなっています。実際にところどんな仕事をしているのか書いてみたいと思います。 なぜ日本は音楽業界ではプロデューサーという存在が曖昧かと言うとレコード会社にディレクター(あるいはA&R)と呼ばれるそのア

空虚な自尊心

35歳。 僕は世間的に見ればおそらく、随分と遅咲きな歌手活動を始める。いや、別にまだ咲いてすらいないから、「遅芽吹き」な活動とでも言おう。その話は前回のnoteで散々書いたので、今日はその続きを書こうと思う。 前回はこちら。 僕の自信の源だったもの僕は子供の頃から、得意なことをひたすらやって、苦手なことは「無理」オーラを全開に出し、周りに無理やり「あいつに言っても仕方ない」と諦めさせてきたタイプの人間だった。 高校入試は帰国子女というブランドをひっさげて推薦入試、大学