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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2022年1月の記事一覧

「洋楽」という言葉に感じる壁と「J-Pop」の強さ

 みなさんこんにちは。日々未知なる音楽への探究をやめない大学生です。私は普段、おそらく大抵の人が聴かないような音楽ばかり聴いています。しかしながら、今回はメジャーなポピュラーミュージックの観点から少しお話ししたいと思います。私が最近面白いと感じていることでもあります。それは、日本人が発する「洋楽」という言葉に関してです。おそらく大多数の日本人が「洋楽」と自国の音楽である「邦楽」を区別して認識していると思います。そして、その「洋楽」という言葉の先に指しているものはおそらくアメリ

2022年、個人的に勝手に活躍を期待している日本の新人(?)アーティスト17組(artists to watch in 2022)

この記事で紹介しようと思って原稿を書いたのですが、事情があってお蔵入りになってしまったものを、大幅にハイパー加筆修正したうえでここに掲載します。内容はタイトルにあるとおり(17って中途半端な数字だな~)! 以下、順不同で敬称略。 あと、これを読んだみなさんのおすすめのアーティストも、ぜひ教えてください。 Yank! 2016年に結成された東京の4人組、Yank!。サイケデリックロック、ポストパンク、ダブ、ミニマルテクノ、オルタナティブヒップホップなどからの影響を感じさせる

Chinese Hiphop Superstar「D.M.G」

第九弾となる中国各地のHiphopレーベルシリーズです。今回は北京を拠点とするD.M.Gです。ここは前回紹介したMDSKと同様に企業傘下の商業的レーベルになります。 D.M.GとはD.M.Gは种梦传媒という会社傘下で2017年に設立されました。D.M.Gは中国文化とHiphop文化の融合、まさにChinese Hiphopを創り出すことをモットーにしています。 种梦传媒は、2014年に設立されたテレビや映画への投資や制作、プロモーション、アーティストマネジメント、曲の制作

3分で分かるアラン・ウォーカー:生い立ちデビューから最新アルバムに至るまで

ノルウェー人プロデューサー、アラン・ウォーカーが2022年に入り最新アルバム『ワールド・オブ・ウォーカー』の日本盤をリリースしました。デビュー以来様々な楽曲を大ヒットさせEDMシーンのスターDJとなった彼の生い立ちから、最新作に至るまでの歴史と世界観を分かりやすくDJ/キュレーターのTJOさんに解説してもらいました。 記事を読んで気に入った方はぜひイイネ♡を押してくださいね。会員登録をしてなくても押せるのでぜひよろしくお願いします。 1. 生い立ち、そして名曲『Faded』

2022年おすすめ国内新譜アルバムVol. 1: C.O.S.A.、karakusa beats & t y m k、TOMC

今年の国内新譜アルバム紹介Vol. 1です。 今回紹介するのは、C.O.S.A.「Cool  Kids」、karakusa beats & t y m k「r u f f h a n g o u t」、TOMC「Music for the Ninth Silence」です。 C.O.S.A.「Cool Kids」愛知のラッパー、C.O.S.A.によるアルバム。聞き取りやすいフロウでしっかりとリリックを聴かせる無骨なラップが、ブーンバップ系譜のメロウな路線が中心のビートで楽

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現代音楽の傑作選、若年の感性が考える10の名盤

人間が人間らしく生きる上で必要なのは文化だ。 とりわけ音楽は自身の日常へ昇華していく。 この音楽を評価する上で、世代というのは極めて重要なファクターである。 例えば60年代のビートルズ旋風の時期、それをリアルタイムで体験した人間が評価するビートルズと、それ以後に生まれてきた後追い世代のリスナーが評価するビートルズはもはや別のバンドとすら言えるのではなかろうか。 私は21世紀生まれである。 評論界隈というと、おじ様方の懐古主義が蔓延り、もしくわ、現代のHiphop独裁の

Moblu的、宇多田ヒカル アルバムベスト3

ソーシャルメディアで話題を掻っ攫い中の宇多田ヒカル「BADモード」。14年来のファンとしても非常に感銘を受けました。 自分の中の整理のため、彼女のベストだと思うアルバム3枚についての覚書。 1. BADモード 現状のベスト。 稀有な美声が最も活かされたアルバム。 打ち込み主体のプロダクションと、歌メロを主に中低音域に設定したことが功を奏している。 巷ででよく言われる「サウンドの先鋭性」と言うよりも寧ろ、遂に「宇多田ヒカルサウンド」の黄金率を確立したなと思った。 それはヴォ

春に向けて気分を盛り上げていく音楽(2022年)

大寒を迎えたばかりで、まだまだ寒さの厳しい日の続く日々を乗り切るために、気分を盛り上げてくれる音楽を。 盛り上げるとはいえゴリゴリだったり、イケイケアッパーな感じではなく、あまり下世話にならない選曲で、なおかつこの1年以内にリリースされた作品を中心に選択した感想などを。 Bills & Aches & Blues (40 Years of 4AD) イギリス、インディ・シーンの名門4ADによる40年の歴史から、カバーコンピレーションが2021年7月にリリース。現在4ADに所

CMタレントとしての米津玄師のパワー

 米津玄師が、SONYプレイステーションの広告に新曲POP SONGを携え出演することが1月22日に発表された。  初代から続くプレステ の合言葉「1、2、3」にちなんで1月23日からプレステ プラットフォームで先行公開し、一般公開及びTV放映は24日スタート!・・・のはずが思惑通り?”流出”したCM映像が、SNSやYouTubeで拡散されまくった。  また、渋谷109には大型バナーがお目見えし早くも話題沸騰と言ったところだ。 これまでに米津玄師が出演したCM 米津玄師

蒼山幸子 "Highlight"

千葉出身、元ねごとのボーカリストによる初ソロフルレンス。 今更ではあるが、ねごとというバンドについて。自分より熱心なファンは他にもたくさんいたかと思うが、自分もアルバムはリリースされるたびに欠かさずチェックし、"ex Negoto" リリースツアーの際には足を運んだり、その後も何度かフェスでライブを見る機会があったりと、メジャーデビューから解散の年まで大まかにはずっと活動を追い続けていた。その上で思うのが、どうしてねごとは大きなブレイクを果たすことなく終わってしまったのだろ

『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』ができるまで

本稿は、このたび刊行した書籍『わたしはラップをやることに決めた  フィメールラッパー批評原論』がいかにして生まれたかを、(備忘も兼ねて)記したものです。今回の書籍は、女性とラップにまつわるあれやこれやを、“カルチャー素材のサンプリング”と“論理のトリッキーな飛躍”という極めてヒップホップ的なアプローチのもと、平易なことばで、時にエモーショナルに書き連ねた断片集でもあります。それはまさに、日常や歴史の様々な破片を集め、リリックに落とし、現代口語を操りリズムを奏でる昨今のヒップホ

2021年のベストアルバム:千鳥足な在り方に宿る「アンビエント的」な何か

「BEST OF 2021」と「ダブ×アンビエントは何処へ行く?~その可能性を示す10アルバム~」に続き、2021年の振り返りです。 年間ベストの末尾のまとめでも書いたんですが、この年の音楽を聴いていての気付きとして、「時間的にコンパクトに(だいたい30分前後くらいに)まとめられたアルバム」に惹かれることが多かった、というのがありました。 この時間的コンパクトさという特徴から、単に気軽に聴けるという以上の特有の音楽的フレッシュさを見出せないか、というのがこの記事の趣旨にな

BADモード/宇多田ヒカル・・・傑作!今こそが本当の日本の音楽の牽引者

どうも。 昨日、僕のツイッターのTLはこれで覆われました。 はい。宇多田ヒカルのニュー・アルバム「BADモード」です。話題ですよね。  今回、僕も解禁のその瞬間から、このアルバム、待ち構えて聴きました。 というのはですね、僕、彼女に関しては、最近まで正直、「嫌い」だとか思ったことはないんですけど、そこまで強い興味を持って聞いたことがなかったんですね。それは、日本を離れて今年で11年になるんですけど、日本にいるとき、「インディ・ロック聴く人が好きなアーティスト」という印

海外にアクセスする日本のビート

三重のビートメイカーのJunaswonと、UKのシンガーのMXEがリリースしたシングル「Come Thru」の国内向けプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。 日本人プロデューサーのJunaswonとUKのR&BシンガーのMXEは1月28日(金)、コラボシングル「Come Thru」をリリースする。 Junaswonは三重を拠点に活動するプロデューサー。MXEはUK出身のシンガーソングライターで、Instagramを通して繋がったと

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