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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2019年11月の記事一覧

ポップスってなんなんですか

「みんな言ってるよ。」「全米が震撼。」「それ普通だよ。」 この太字で表されたワードの醸し出すニュアンス。それは普遍性という言葉にもできるのかもしれません。 「みんな」って?「普通」って?もやもやしていた子供のころ僕は子供の頃から、よく聞くこの普遍性と自分が感じる普遍性にどこか微妙なズレを感じながら生きてきました。 大きくは違わないけど、どこかズレてる。 人生のステージによってそのズレが恥ずかしいことだったり、逆に極端に開き直って個性的な自分を前面に出したりしてましたが

リスナーが聞きたい音楽を選べる時代   / 対談 with 今井了介 # 2

平良 真人( @TylerMasato ) の対談シリーズ。 引き続き音楽プロデューサー今井了介さん( @ryosukeimai )にお話を伺います。 今井了介(いまいりょうすけ) 音楽プロデューサー・作曲家。 1999年 DOUBLEの「 Shake 」のヒット以降、安室奈美恵「 Hero 」、 TEE / Che'Nelle「 ベイビー・アイラブユー 」など多くのアーティストの楽曲・プロデュースを手がける。 2019年には楽曲「 Hero 」でJASRAC賞金賞を受賞。

同じ音楽を好きな友達が増えるパーティーを―SHOGO × YOSA & TAAR 対談インタビュー(前編)

 前回のインタビューでは名古屋で活動するNEISHI Bros. に話を聞いた。その後、彼らはYOSA & TAARと客演アーティストを招いた『Touch & Go "Modern Disco Tours" Release Party』を開催。“伝説の一夜”として記憶に残った。  一方で、今の名古屋シーンはそれ以前に育てられたムーブメントの上にあるということにも触れておきたい。兄のNEISHIはイベントを始めるきっかけとして『Pacific』と、そのオーガナイザーであるSHO

アーティストマネジメントの組織と計画設定 / 対談 with 黒岩利之 # 2

平良 真人( @TylerMasato ) の対談シリーズ。 引き続きスマイルカンパニーの代表取締役社長の黒岩利之さんにお話を伺います。 黒岩利之(くろいわとしゆき) ソニーミュージック・エンタテインメントに入社後 デフスターレコーズ の立ち上げに参加。 2003年以降はワーナーミュージック・ジャパンの宣伝部長として活躍。 2017年 株式会社スマイルカンパニーの代表取締役社長に就任。 前回はレコード会社とプロダクションの違いやアーティストと契約する際の覚悟や大事にしてい

アーティストとの関わり方 −レコード会社とプロダクションの違い− / 対談 with 黒岩利之 # 1

平良 真人( @TylerMasato ) の対談シリーズ。 今回のお相手はスマイルカンパニーの代表取締役社長の黒岩利之さん。 黒岩利之(くろいわとしゆき) ソニーミュージック・エンタテインメントに入社後 デフスターレコーズ の立ち上げに参加。 2003年以降はワーナーミュージック・ジャパンの宣伝部長として活躍。 2017年 株式会社スマイルカンパニーの代表取締役社長に就任。 立派な大学を出た人にアーティストをやらせて良いのか 〜マネジメントの覚悟〜平良真人(以下、平良)

2019年 アングラの現場を騒がせているタイインディーズバンド 7選

ここ1~2年ほどでアジアから発信される音楽が日本でより注目されるようになってきました。なかでも、インディーズシーンもしっかり確立されているタイの音楽を聴く人たちが増えてきた印象です。タイのミュージシャンは、メジャー・インディー問わず、YouTubeや音楽系サブスクに新作をばんばんアップしてくれるので、海外からでも掘りやすくなっているのもその要因の一つかな、と思います。実際、皆さん深掘りされてて、「そんなバンドまで知ってるんだ!?」って驚くことが多々あります。 タイのインディ

DIYという言葉は美しい:新しい音楽の学校・ロンドンツアー19レポート(柳樂光隆)

音楽批評家として、ジャズを中心に日々多数のアーティストをインタビューしてきた柳樂光隆(Jazz The New Chapter)。新しい音楽の学校ボートメンバーとともに10月に敢行したロンドン視察ツアーで柳樂が注目したのは、多くの人が発した「DIY(Do It Yourself)」という聞きなれた言葉に対する違和感だった。カルチャーが育つために必要なエコシステムの原点に迫る。 今回のロンドンツアーでずっと考えていたのは、DIYという言葉の意味だ。 これまでにDIYという言

King Gnuの『白日』から学ぶ!マーケットインとプロダクトアウトを共存させる"たった2つの要素"

こんにちは、ブランディングプランナーのヤマグチタツヤ(@yhkyamaguchi)です。 最近、会話の文脈によって「山口達也」と「ヤマグチタツヤ」を使い分けていることが、言わずとも周りの人に段々と認知されてきていて嬉しい限りです(エセ多ブランド戦略です)。 そんな冗談はさて置いて、今回は今年から導入された「サブスク選考」によって紅白歌合戦に初出場が決定したことでニュースになりました、新進気鋭のロックバンド「King Gnu」をブランド解体していきたいと思います! (

11/20(水)19時@代官山にて初めてのセミナーをします。

こんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。久しぶりの更新となりました。すっかり秋になり、気づけばそろそろクリスマス、年末の空気すら漂いだしました。 毎年、クリスマスにちなんだお仕事を何か一つお引き受けしているのですが、今年は僕のオリジナル作品としてコラボレーションリリースを。 みなとみらい、クイーンズスクエア横浜の2019年クリスマスツリーの音楽を僕がプロデュース、作曲しています。演奏で僕のバンドメンバーでもありfeat.アーティストでもある友田絢さん、そし

Pick Up Artist #2 "ORIVA"

皆さんこんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。第一弾で紹介した広瀬大地くんが、先月リリースした作品「Obsession」にてバイラルチャートを賑わせています!一足早く紹介したの、褒めて!笑 noteにサブミッションコーナーを設けてみたところ、こんなに才能のあるアーティストが発掘でき、出会いって面白いなと心から思いました。そんな僕は今日明日、実は彼の作品にてコラボさせてもらうべく、シンセをレコーディング予定。下の記事で宣言した通り、僕の独断と偏見でいい人がいた

Base Ball Bearを追えば次に流行る音楽ジャンル分かる説

10年代の音楽シーンを考える記事を「Hello,CULTURE」に掲載した。 この記事を書いて改めて考えると、10年代の音楽シーンをスゴク大雑把に纏めると「4つ打ちダンスロック→EDM(打ち込み・エレクトロ)→ブラックミュージック→シティポップ」という流れだったことが分かる。 そして以前から僕が考えていた事がこの記事のタイトルである「Base Ball Bearを追えば次に流行る音楽ジャンル分かる説」である。ベボベは音楽シーンをちょっとずつ先回りしているのではないか、と常

深夜にヒットチャートをかけぬけろ! #いまから推しのアーティスト語らせて

大学生の頃、私は流行りの曲はあまり聞かず、 授業とバイトに明け暮れる日々を過ごしていた。 夜間学生だったため、お金を少しでも貯めたかった...。 学費と教科書代を稼ぐ目的もあったが、 もう一つ重要な目的があった。 それは、当時付き合っていた彼女が、遠くにいた事。 東京と大阪までは距離があり、 学生の自分には、そこまでお金がない。 しかし、若さとはすごいもので 昼は購買部でバイトし、週2で家庭教師を入れ、 土日はパソコンスクールでバイトした。 この気合を、今の職場でも

「時代が作った天才クシシュトフ・コメダ」 ポーランドのジャズ・コンポーザーの話

どんな芸術も、社会や政治のあり方と完全に無縁ではいられないのは今や自明のことですが、それと同じくらい大事なのは「どんな人たちがいて、どんなつながりが生まれていくか」という出会いの運命だと思います。 今年日本との国交樹立100年のアニヴァーサリーイヤーを迎えた中欧の文化大国ポーランドには、「現代のショパン」とでも言えそうな偉大なジャズ作曲家がいます。 1969年に亡くなったクシシュトフ・コメダ Krzysztof Komedaです。コメダは亡くなって半世紀経つ今でもポーラン

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『砂の惑星』について。

「砂の惑星」という楽曲がある。ハチこと米津玄師(米津玄師ことハチ?)が、初音ミク10周年記念のマジカルミライ テーマソングとして書き下ろしたものだ。 「今後1000年草も生えない砂の惑星さ」 ニコニコ動画或いはVOCALOIDコンテンツをそう揶揄するこの曲は、初音ミクの10周年を祝うための楽曲にはいささかシニカルであり、良くも悪くもシーンは騒然とした。 今なお各所で話題になっているこの曲であるが、今回気まぐれで俺もこの曲について極々個人的な感想を述べたいと思う。 よう