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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2019年7月の記事一覧

サウンドスケープ概論

音の風景私ごとの話からで恐縮ですが、一時はギャラリーでのパフォーマンスや美術屋向けにやっていたのですが、最近では音の採取のみで外に出す事もなく、一人で採取して楽しんでいる事の一つに音の風景を採る、のような事をしています。 その音の存在はあまり知られる事なくそこに気づいた一部のミュージシャンがライブや音源のワンアクセントに使ってたりするのはたまに見かける程度で、それらは通常ほとんど意識される事もなかったりするような普段から存在しすぎていて感じられない音達。 ふとした瞬間の夏の

ハッピーハードコアひとり旅 その③

イギリスへ出発するわりと直前に、 block.fmのニュース記事で、 RAVEをテーマにした展覧会があるよってのを知りました。 開催日程が7/12からっていう、 めちゃくちゃタイミングばっちりの日程だったので迷わず行くことに決定! ホテルの朝食を食べて、 アールズコートを散策しました! 朝食はビュッフェとかじゃなく、 厨房にいるお姉さんが 完璧なイングリッシュブレックファーストを作ってくれて、 まじで最高だった! 腹ごしらえして、展覧会へ行きます。 展覧会はアールズコー

音楽が都市に多様性を実装する:ロンドン市、国連が頼る異能コンサル集団Sound Diplomacyインタビュー

2018年12月15日に開催された「新しい音楽の学校 Vol.00」。本校開校に先駆けたプレイベントとして実施されたカンファレンスには、ぼくのりりっくぼうよみ、いきものがかり・水野良樹も参加し、いま求められる「新しいプロフェッショナル」について激論が交わされた。 そのなかでひときわオーディエンスの興味をかきたてたのはヨーロッパを拠点とし、「音楽都市」を標榜するコンサルティングファームのSound Diplomacyだ。同社は音楽業界での知見を元に、国や都市をコンサルティング

Film Review:映画『COLD WAR あの歌、2つの心』の音楽のこと(ネタバレあり

上記のotocotoに映画評を音楽の面から書きました。 ここではその記事の続きとして、書き切れなかったことを思いっきりネタバレな感じでいくつか書いています。 この映画では冒頭でヴィクトルがポーランドの地方を回ってフォークソングを録音し採集したりしているところから始まり、その後、彼はポーランドの民族合唱舞踏団で音楽監督になります。そして、その舞踏団でフォークソングを歌う魅力的な女性ズーラに出会い、恋に落ち、物語が動き始めます。 ポーランドに伝わるフォークソングを愛するピア

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BUMP OF CHICKENの影響で「後ろ姿の写真」を撮るようになった話

最近、「憧れ」について考えることが多い。 特に何かがあったわけではないが、人生を歩む上で誰かに憧れた経験というのは、特に若い時代において大きな影響を与える。 先日、こんなラジオを録った。 この中でも、ちらりと触れているが、僕は人生の中で人に憧れた経験というものがほとんどない。 しかし、この人たちみたいになりたい!と強く思った経験はたしかにあって、そのうちのひとつはロックバンドのBUMP OF CHICKENである。 14歳の時に、WOWOWの無料放送枠のミュ

小熊が選ぶフジロック'19 ベストアクトTOP10

フジロックお疲れ様でした。終わってみれば2日目の過酷さがとにかく印象的ですが、今年もやっぱり楽しかった!この3日間ツイートしまくってたら、フォロワーが50人くらい増えてました。そんなにおもしろいこと呟いたっけ。 個人的なベストアクトTOP10を勝手に発表!!!帰りのバスに揺られながらスマホで書いたものなので、感想コメントは手抜きorツイート使い回しですが許してください。 1. The Comet Is Comingシャバカ日本初登場の衝撃たるや!!!3日目深夜、「誰?」っ

音楽がわからない人間が必死に最近聴いた音楽の話をする

水井軒間です。 ツイートするには長すぎるけど、1本記事書けるほどではないなという話がたまたま溜まったのでまとめます。 脈絡なく個人的に最近良かったやつを列挙するので、ともかく目次を参照くださればと思います。 ・Fling Posse「Stella」ヒプノシスマイクはなんだかんだラップバトルをモチーフとして取り込んだ「乙女系コンテンツ」だ、というのが私の印象で、 本格的にハマることはできず、曲が出たときだけドラマパートは飛ばして良さそうな曲だけ聴く、というかなり雑な追い方をし

最近のJ-POPは軽薄か?「なごり雪」的性質は本当に失われたのか。

何年か前に、評論家ぶったオジサンが最近のJ-POPについて語っていた。 最近の音楽は軽薄だ。「好き」とか「愛してる」とか、直接的な表現しか使えない。若者の想像力が減退しているからだ。 その点、往年の名曲「なごり雪」はすごい。「別れが寂しい」という言葉は一切使わずに、別れの寂しさを表現している。聴く者の想像力に委ねる曲だ。最近の若者は「なごり雪」を聞いてもメッセージが読み取れない。 大体こんな内容だった。出典は忘れた。真偽はともかく、考察としては面白いなと思ったので頭に残っ

Philip Bailey - Love Will Find A Way:フィリップ・ベイリーがロバート・グラスパーらを選んだ理由

フィリップ・ベイリーと言えば、アース・ウィンド&ファイア(以下EW&F)のヴォーカリストで、名曲「Fantasy」などでの印象的なファルセットでお馴染みだが、新作『Love Will Find a Way』ではロバート・グラスパーに、カマシ・ワシントン、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、ケンドリック・スコットと現代ジャズシーンの最重要人物たちとコラボレーションしていて、前情報の時点で驚いてしまった人も多いだろう。ただ、これにはそれなりの理由があり、このコラボレーション

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「歌詞の意味がわからない」の意味がわからない人

最近は大抵の作品に対して誰でもコメントができるのだけど、プロデュースした作品に対して主に動画メディア上で最近こんな感想が多いという話があった。 その人たちは、 「歌詞の意味がわからない」 というのだ。 感覚的には、その感想をコメントした人はこの記事を読む可能性は低いとは思う。 しかしながら、なかなか面白いテーマであるように思うので少し考えてみたい。 0.「「歌詞の意味がわからない」の意味がわからない」の理由 「歌詞の意味がわからない」という感想を、歌詞をつくってい

ボタニカルな音楽制作の日々。

この春夏、シングル「Cactus」がキッカケになり、僕はこれまで以上に観葉植物に夢中になりました。 もともとキッカケは、友人であり今作でコラボした内田朝陽さんが多肉植物を買った日の記憶を音楽に残したこと。この曲は自分史上もっとも順調なペースで再生いただいていて、現在13.5万再生。その記念に、僕も本格的に多肉植物、そして観葉植物全体に目を向け始めました。 そんな僕の自宅スタジオ。Cactusもここで録音して仕上げています。今年の七夕の日に、大きな大きなエバーフレッシュとい

2019年 上半期ベスト50:ジャズ・アルバム by Mitsutaka Nagira

Rolling Stone Japanから2019年の上半期ベスト企画をやるので書いてくれと言われたので、せっかく僕がやるならジャズだけで選んだ方が面白いかなと思ったのと、10枚を選ぶためにかなり多めのリストを作って考えたんだけど、それもシェアしたほうがいいかなと思ってこれをさくっと書きました。よかったら参考にしてみてください。 ■2019年 上半期ベスト50:ジャズ・アルバム 1~10はRolling Stone Japanに掲載しています。下のリンクからどうぞ。 以

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いま音楽を「聴く」理由はない?:新しい音楽の学校 受講生が感じる「業界の課題」

音楽業界に留まらず、弁護士、ITから都市開発まで、多様なフィールドで活躍する受講生約50人を迎え、2019年7月3日に開校した「新しい音楽の学校」。岡田一男(エンタメブートキャンプ)、ジェイ・コウガミ(All Digital Music)、柳樂光隆(Jazz The New Chapter)、若林恵(黒鳥社)らがボードメンバーとして講師を務め、受講生とともに音楽の未来を考える半年間の長期プログラムだ。 初回の入学式では、アイスブレイクもかねた受講生同士のディスカッションが行

Spotifyの楽曲に埋め込まれている情報がハンパない話

はじめに前回の記事でSpotify APIを使って楽曲のデータを引っこ抜くまでの話を書きました。「自分もやってみたい!」という方はそちらの記事も参考に、「そんな事はいいから本題に入れ!」という人はこちらの記事からでも全然問題ないです。 ざっくり言うと、Spotifyが公開しているWEB APIを使って、日本のウィークリーチャート TOP200のリストの楽曲に埋め込まれている指標値を引っこ抜いて来たよ。という話です。ざっくりこんな感じの表になります。 楽曲に埋め込まれている

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