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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2018年2月の記事一覧

破綻するオーケストラ業界と報われない音楽家たち 「オーケストラ業界の現状編」

突然ですが、クラシックの音楽家の年収っていくらくらいだと思いますか? テレビやコンサートホール、様々なイベントに登場する彼ら彼女らは、スーツや燕尾服などの正装を着て、買ったばかりのような綺麗な楽器をもっています。それを見れば、煌びやかでとても多く稼いでいるのだろう…と思うかもしれません。 でも実際は、平均にして年収231万。ステージの上で演奏している人たちは、あなたが大学生の時にアルバイトしていたときよりも、収入が低いかもしれません。(※都内近郊12のオーケストラプレイヤ

音楽とお金とファン

岡崎体育くんのファンクラブ運営を巡る騒動(めんどくさいので、ここには書きません興味ある方はググって調べてください)を横目に見ながら、コレはくるりのファンクラブの今後のあり方のことも、いろいろ考えないとなぁと思う次第。 岡崎体育くんは、ストイックな宅録青年かつ優れたアイデアマン、そして良い意味で目立ちたがりで、頭もいいので、虎視眈々と色んなことを狙ってると思う。そして誰もやってないことで何かをひっくり返すことにカタルシスを感じているはずだ。それでも、ただ音楽作ることが好きなん

2/24 ラストアイドル

先日のラストアイドルは 【第6試合】 小室哲哉× ラストアイドル vs つんく♂× Love Cocchi でしたね。 ラストアイドルはなんとセンターの阿部菜々実ちゃんが足を怪我してしまうというアクシデントが。 サムサムお披露目時の和奏ちゃんといい、なんでこんな大変なことが短いスパンで起こってしまうんでしょう…。 パフォーマンスはこの週は制限する方向で、フォーメーションも変更されることになりました。 その時の、小室さんの声の掛け方がすごく良かったなぁ と思った

音圧戦争について

音楽業界に関わる全ての方へ 早速なのでミックスエンジニアっぽいことを書こう。 専門用語が多く出てくるかもしれないが、 できるだけ簡単にわかりやすく書きます。 --- ・音圧戦争とは 我々が聞いている音楽のデータは最大音量が決まっている。 そして人間は相対的に「大きい音=良い音」と感じる傾向がある。 テレビで暗い画面よりも明るい画面の方が綺麗に感じるのと同じだ。 だから他人の曲よりも良い音に聞かせたい多くのエンジニアは 音圧を上げ、最大音量ギリギリのデータを長年に渡り作り続

interview 福盛進也 - about Shinya Fukumori Trio『For 2 Akis』 前編「ミュンヘンに移住したのはECMの本社があるから、それだけです」

「2018年にECMから日本人ミュージシャンがデビューする。」という情報を得たのは2017年の夏ごろだった。ECMの本社があるミュンヘンに在住の30代で福盛進也という名前のドラマーだと知ったが、どんなミュージシャンなのか僕は何も知らなかった。 会いに行ったのは2017年の8月。関西弁のイントネーションが残る穏やかな語り口で「ユニクロのECMのTシャツ出てましたよね。僕、爆買いしましたよ。」とか言ってしまうような大のECM好きの彼はジャズ史における超名門レーベルでありながら、

¥100

interview 福盛進也 - about Shinya Fukumori Trio『For 2 Akis』 後編「僕はドラムを打楽器とは思っていない」

「2018年にECMから日本人ミュージシャンがデビューする。」という情報を得たのは2017年の夏ごろだった。ECMの本社があるミュンヘンに在住の30代で福盛進也という名前のドラマーだと知ったが、どんなミュージシャンなのか僕は何も知らなかった。 会いに行ったのは2017年の8月。関西弁のイントネーションが残る穏やかな語り口で「ユニクロのECMのTシャツ出てましたよね。僕、爆買いしましたよ。」とか言ってしまうような大のECM好きの彼はジャズ史における超名門レーベルでありながら、

¥100

そっと、確かに、響かせる #02:スピーカー、持ってますか?

ヘッドフォンでしか音楽を聴かない人が増えているこの連載に先立つ昨年9月に同内容のトークイベントを京都・誠光社さんにて行いました。 「音楽の聴き方をあらためて考える ~非マニアのためのオーディオ入門」 http://www.seikosha-books.com/event/2696 それ以前のトークイベントの中でおまけ程度に話したことがあったのですが、まるごと「聴くこと」「響かせること」についてを取り上げたのは初めてでした。その時ちょっとした衝撃だったのが、会場に来てい

フランク・オーシャン「Moon River」とMISIA「Everything」とバート・バカラック「Close To You」のこと

フランク・オーシャンがアップしたヘンリー・マンシーニの「ムーン・リヴァー」のカヴァーを聞いて、思い出したことがある。 以前、ダイアナ・パントンというシンガーのライブをコットンクラブに観に行ったあとに「ムーンリヴァー」とMISIAの「EVERYTHING」のことを考えていた時のことだ。 MISIAの「Everything」は冨田ラボのプロデュースで、どこからどう聴いても人間が叩いているようにしか聴こえないドラムが実は冨田ラボによる神業的な打ち込みであることがよく語られている

¥100

10分でわかるジャズの名門ブルーノートの歴史 - Introduction for 『ALL GOD'S CHILDREN GOT PIANO』

僕が監修・選曲・解説を手掛けたブルーノート・レコーズのコンピレーション『ALL GOD'S CHILDREN GOT PIANO』がリリースされました。ブルーノートの来年80年を迎える永い歴史の中から現代ジャズを楽しんでいるリスナーのために、現代から1940年代までの音源を並べて、21世紀にふさわしいジャズピアノの聴き方を提案するものです。 そのリリースに合わせて、ブルーノートについてあれこれ書いてみようと思いました。まずはブルーノートの歴史を一気におさらいしてみましょう!

¥300

「渋谷系洋盤ディスクガイド100」、はじめます。その1。

こんばんは。フミヤマウチと申します。 90年代にポピュラーミュージックを聴いていた人のなかには、僕のことをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。 90年代。僕はINKSTICK SUZUE FACTORYでお酒を運んだり作ったり、DJ BAR INKSTICKでブッキングを担当したり、オープンしたばかりのオルガンバーで働いたり、タワーレコードでbounceを作ったりしていました。 その一方で、今思えばびっくりするくらい大量のレコードを買ったり、いろんなバンドやアーテ