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初心忘るべからず

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.10

言志録 第十条
『初心とは今である』

【初心忘るべからず】
※世阿弥 「花鏡」奥段

いつも、「初心」何かを始めたときの気持ちを忘れてはならない、
と解釈されているが、本当の意味は違うそうだ。

物事を始めた時の初心

今この瞬間を起点としたときの初心

そして、瞬間の連続である未来における初心

初心とは
過去・現在・未来
全てに存在するのです。

始まりと終わりの連続
不連続の連続こそ人生であると言えます。

人は、一秒前も一秒先も生きられない。

今この瞬間に心を込めて生きること。

これが初心忘るべからず。

言志録 佐藤一斎著 第十条 引用
【原文】
人は須く自ら省察すべし。「天何の故にか我が身を生出し、我れをして果して何の用にか供せしむる。我れ既に天の物なれば、必ず天の役あり。天の役共せずんば、天の咎必ず至らむ」。省察して此に到れば則ち我が身の苟くも生く可からざるを知らむ。
【訳文】
人間は誰でもこのことを反省してみると良い。
"天がなぜ自分を生み出したか、何の用が自分にあるのか、自分は天の物だから必ず天職がある、この天職を果たさねば天罰を受ける"
こう考えると、うかうかとこの世に生きているだけでは済まされない。

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