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【進撃の巨人】劇場版『THE LAST ATTACK』&15周年マガジンを浴びたオタクの感想

10年以上は引きずると決意したアニメ最終回から早くも一年。みなさま引きずり一年目はお元気でしたでしょうか。私は元気です。

2024年11月9日、『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』を鑑賞しました。しかも池袋で行われた舞台挨拶付き!!

今回、あまりにも幸せな体験だったので久しぶりにnoteで感想を書くことにしました。結論を言ってしまうと「あんなに見たはずのに全く別のものに見えた。 初見より感動した」レベルです。感想は当たり前ですがポストクレジットシーンを含むネタバレありです。あと7000字弱あります。

充実の1年間を振り返り

本題に入る前に、アニメ完結後の1年間の進撃コンテンツを軽く紹介します。本当に色々ありましたね。完結したのか怪しいレベル。

10th ANNIVERSARY “ATTACK FES”

Day2でプレミア席が当たったので参加してきました。生白夜アフレコは一生の思い出になりました。ちなみに修士論文の締め切り1週間前で開演直前までPCとにらめっこしてましたね。

卒業アルバムかな?

進撃の日田

諫山先生の故郷である大分県日田市に行きました。街全体が進撃1色でファンは必ず行くべき聖地です。

クラウドファンディングで建てられた銅像

富士急ハイランド ウォール・マリア最終奪還作戦

富士急ハイランドのアトラクションにも乗りました。原作絵がふんだんに使われた建物で良かったですね。

前日には大雪が降りました

Blu-ray最終巻

最終回Blu-rayをジャケ買いしました。アニメ制作を引き継いでくれたMAPPAさんへのご祝儀でもあります。ありがとうございました。

複製台本もセットで

画集FLY & 特別編35巻

画集FLYももちろん買いました。家宝です。リヴァイが幼少期にアッカーマンの力に目覚めたきっかけを描いた特別編35巻も良かったですね。

2万円の価値はある

ベストアルバム『進撃の記憶』

Linked Horizonのベストアルバム『進撃の記憶』特装版も買いました。毎日リピートしています。歌詞カードが巨大なパズルになっている仕掛けもすごかったですね。

キャンペーンにのせられて通常版も買った

15周年記念マガジン

あとで語る15周年マガジンも最高でしたね。1話と138話が同時に収録されているので「いってらっしゃい エレン」の比較ができます。

兵長が黒シャツなの解釈一致すぎる

改めて思うのが、講談社、ポニーキャニオン、こいつら本気で俺達オタクを10年以上引きずらせようとしてるな…

劇場版『THE LAST ATTACK』

ATTACK FES day2のアーカイブ配信の最後に突如発表されたのが完結編の劇場公開でした。全人類が待っていたやつ!アニメ完結のボーナスタイムとも呼べる一年間の総決算に相応しすぎるものですね。

ちょうどそのタイミングでプロジェクターを買ったので、アニメを一から全部見直すことにしました。新シーズンのたびにやってるんですがもう何年連続かわからなくなってきた。

いざ池袋へ

まさかの舞台挨拶付きチケットを当てたので初日はあえて映画を観ず二日目を初見の日に。一日我慢するのはしんどかった…。

グラシネ池袋はデジタルサイネージ撮影用の列があってすごかった

心持ちとしては、テレビで初めてアニメを見たときはどんな映像、演出になるんだろう、主題歌やBGMはどんなんだろうとか、そういうのに興味がよっていました。今回は「ただただ良い環境で良いものを楽しむ」ことに専念しようと思っていました。これがよかった。

始まって最初に出てくるのが「ポストクレジットシーンあります」の説明書き。アメコミ映画でよく見るやつをアメコミ映画以外で初めて見た気がします。そしてポニーキャニオンのロゴが出てくるのですがその後ろで巨人の足音か地鳴らしの音が鳴り響きボルテージを上げてくれます。

本編がはじまり、まずは「いってらっしゃい エレン」のシーン。劇場特有の音響で声が脳に響いてくる感じがしました…!昇天。

ラムジーとハリルのシーンに移るのですが、テレビ版同様「第一章 地鳴らし」みたいなテロップが出ます。映画でもこれやるのかと最初は思いましたが、要所で区切りを入れたほうが一息できる感じがあって逆によかったと思いました。

そして地鳴らし巨人がこちらに近づいてタイトルがドーン!と出るのですが、映画館で観るとまた格別。相変わらずガーディアンズ・オブ・ギャラクシーみたいに急にパッと出てくるなとは思いましたが笑

しかし本当にすごいのはここからでした。

映画体験が良すぎる

これから映画を見る人はぜひ音響が良い映画館に行ってください。正直テレビなどで見るのとは全く別の体験ができます。やばすぎる。(そもそも上映館が多くないのはさておき)

まず圧巻なのが地鳴らし巨人が襲いかかるシーン。巨大な地響きや人々の悲鳴、巨人が蹴り飛ばした瓦礫の破片が落ちてくる音などがリアルすぎる。最前列で見てたらほんとに踏み潰されそうなくらい迫力ありそうです。視界いっぱいに広がる地鳴らし巨人と全方位から聞こえる轟音でその場にいる臨場感をこれでもかと味わえます。

これだけ臨場感のある体験すると、エレンがやったことが改めて最悪の所業であることが印象付けられると思いました。この時点でテレビ版を圧倒的に超えています(元々すごかったけど)。

音といえば他にも、ラムジーが落としたコインがものすごくチャリンチャリン鳴ってたり、飛行艇のプロペラの回転音だったり、立体機動装置のアンカーの射出音だったりもグレードアップしていてリアリティがすごかったです。ミカサがフロックを殺したシーンはリアルすぎて自分が首にアンカー刺されたかと思いました。「道」でのエレン放送もよりリアルに響いていましたね。

地鳴らしの恐ろしさをこれでもかと浴びた直後にやってくるのがハンジが巨人を足止めする決意をする場面。ハンジがリヴァイと最後の会話を交わすシーンでBGMが止まるのですが、映画館だとより一層緩急がついて印象的でした。「心臓を捧げよ」のシーンの効果音がエコーがかかっていて更に良くなっていました(テレビ版はそうじゃなかったはず)。

そしてBGMが『Bauklotze』になるんですがもう分かってても鳥肌が立ちますよね。はじめてボーカル曲が流れる場面ですが映画館の音響で聞くのは最高すぎる…(ここで右隣に座っていたお姉さんが号泣)

ハンジの最期のシーンは一番泣いてる人が多かったと思いますが、わざわざ舞台挨拶にくる面構えの違う同志と同じ空間で映画を見れるという体験をしている。こんなすごいことがあっていいのか。ATTACK FESもそうでしたし、他の作品だとスパイダーマンNWHの先行試写会も一生の思い出ですね。

映画体験でいうと獣の巨人の傀儡が顕現してからアルミンたちが終尾の巨人の背中に降り立つ一連のシーンがもう最高すぎましたね。まず巨人化の光と音の迫力が本当に雷が落ちたみたいに感じます。ドラム缶爆弾の爆発と獣の巨人の投石で散っていく飛行船部隊。映画映えにも程がある。より絶望的になっていました。

そしてアルミンたちのスカイダイビングシーンも効果音やBGMがガンガンに鳴り響いてテンションも最高潮!初見も最高でしたが今回さらに感動しました。大きなスクリーンで見ると立体機動シーンも見やすい。あとパンフレットに書いてありましたが、MAPPA制作スタッフが実際にスカイダイビングをした様子を参考にしたらしいですね。

前後編が繋がることについて

テレビ版では完結編は前編と後編に分かれていましたが、改めて同時に見ると思った以上に前半からのパスを後編で受け取っているのがわかります。

冒頭の「いってらっしゃい エレン」や「どうして泣いてるの?」は後編パートの山小屋でしっかり回収していますし、ほかにもエレンの「ガッカリした」からの「馬鹿だったからだ」、ミカサのマフラー、リヴァイの「ジークは俺が仕留める」「見ててくれ」など、面構えの違う人達は分かっていたとは思いますが、詳しくない人でも改めてわかりやすくなっていましたね。

とくに大きいのがリヴァイの最後の立体機動シーン。WIT STUDIO時代に長きにわたり進撃の立体機動アクションを担当してきた今井さんによる長尺ワンカットの立体機動アクションを映画館で見られるだけでも嬉しいのに、ハンジの立体機動と最期を見届けてからのあのシーンなので余計に胸に来るものがありました。

そしてエンディングの「あの丘の木」のシーン。前編の冒頭でもこの場所から始まり、最後にまたこの場所へ帰ってくる構成が分かりやすくなっています。ほんでもってとどめが主題歌『二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・』ですからね。もうこれ以上の主題歌が存在するのか。これが映画館で聞けるのは幸せにも程があります。ちなみに映画館だとエレン役の梶さんがコーラスに入っているのがわかりやすかったですね。

ポストクレジットシーン

事前に劇場版に合わせて追加シーンがあることは名言されていましたが、みんなの予想通り最後は原作34巻の最後におまけで収録された『進撃のスクールカースト』でした。

内容は原作をそのまま忠実に作ったものでしたが、追加のファンサービスが凄まじかったですね。ウドとゾフィアがいたり、スプレー逆手持ちでキレキレの動きを見せる清掃員がいたり、ニコロがお店を開いていたり。パンフレットによると始祖ユミル親子もいたようですね。もう一回見ないと。

何よりすごいのが背景の書き込みですよね。漫画では殺風景でしたがアニメ化にあたり背景がリッチになっていて驚きました。今回の映画ポスターであったり、スクリーン番号で「13」を表現していたり、舞台挨拶では林監督がとある場所にリーブス商会の看板もあるよと語っていたり。こだわりがつまっていましたね。

一番大きな変化が「あの丘の木」がしっかり描写されたことですね。あれがあるだけで進撃本編とスクールカーストの世界が繋がっているのがわかります。林監督も蛇足感が出ないようにつながりを演出したかったと語っていましたがこう来るとは!木の成長的に本編から2000年くらい経っているのかな? さすがに100年であそこまで成長しないと思う。

あと声優御三方の演技がよかったですよね。早口でまくしたてるオタクアルミン、本編でまず見せない感情を爆発させるミカサ、そんな二人を「お前らと映画見れて楽しかったよ」と諭すエレン。呆れるほどおめでたい理想の世界がそこにはあった

ちなみに舞台挨拶で、「お前らと映画見れて楽しかったよ」は2パターン収録して、一つはミカサとアルミンに語りかけるように、もう一つは映画を見てくれた観客に向けて語りかけるように演じたと語られていました。最終的に後者が採用されたらしく、そういうのが聞けると一層ぐっときますよね。もう一回見よう。

パンフレット

パンフレットもかなり豪華な内容で、MAPPAスタッフやプロデューサー陣、声優御三方の座談会、そして超貴重なSeason1〜3の荒木監督とFinal Seasonの林監督の対談まで!この二人が公で語り合うのはおそらく初めてでは?お互いの作風の違いや良かったところを語り合うのは素敵なことですよね。

アフターパーティーでも語られていましたが、荒木監督が改めて名言したのが、諫山先生はアニメ化の最初の打ち合わせで「この物語は被害者が加害者になる話」「エレンが最悪の復讐者になる話」と語ったエピソード。文字になると改めて恐ろしいというか、最初から物語の展開は決まっていたんでしょうね。頭の中どうなってるんだ。

あと以前のSF考察記事でこんなことを書いていたのですが、

マーレ組が壁を破壊するまでを描いたシーンはアニメ化の際に大幅に省略されましたが、このスルーシーンはしっかり映像化されていたためかなり重要なのかもとは思っていました。おそらく諫山創先生からカットしないでと注文があったのでしょう…。

【進撃の巨人】始祖がもたらす影響には過去も未来も無い?【SF考察】

これ、パンフレットにそのまま同じ内容が書いてあったのでまぁそうだよねって感じです(^^)

総評

先に結論を言ってしまっていますが、改めて「あんなに見たはずのに全く別のものに見えた。 初見より感動した」んですよね。映画館という非日常の特別な空間で最高の映像と音楽を浴び、面構えの違う人達と一緒に映画を体験できた。こんな幸せなことあるか?ってレベルです。この企画を実現してくれたすべての人達に感謝したいです。

15周年記念マガジン

映画公開と連載開始15周年に合わせて発刊された15周年記念マガジンですが、これもまた良かったです。諫山先生や関係者、ファンが選ぶエピソードがぎゅっと凝縮された一冊でファン必携ですね!

最高ポイント

とくに面白かったのが諫山先生や編集者バックさんの裏話と諫山先生への一問一答コーナーです。

裏話では、訓練兵団のキース・シャーディス教官の過去は当初は何も考えておらず、エレンのことを以前から知っていたり立体機動装置がなぜか壊れていたりしたエピソードはすべて未来の自分に丸投げしていた話(結果的にすべてを最高の形で回収できた)、30巻(地鳴らし発動らへん)までは制作メモがなくすべて諫山先生の頭の中で話を組み立てていた話など驚くものが多かったですね。

一問一答は個人的に面白かったものをピックアップしてみます。

  • エレンは現代にいたら苦労して職を転々としていそう

  • 地鳴らし巨人は人の姿に戻り、生き残った人々にリンチされた

  • ハンジは家族と疎遠なイメージ(調査兵団の中でも変人だし確かに…)

  • ミカサはアッカーマンの力を失い運動音痴になった

  • サウナに一番強いのはダズ(自分だけ出ていく度胸がないだけでは…笑)

  • エレンと104期生の道での最後の会話はそれぞれ18ページ分くらいある

  • ファルコとガビは生涯添い遂げた。なおファルコは告白したことを巨人化の影響で覚えていない

  • リヴァイの潔癖症は、自分の中に流れる高貴なものを信じていたから

わたしの好きなエピソード

関係者それぞれが選ぶエピソードTOP3的な企画もあったので、わたしも個人的に3つ選んでみようかなと思います。

1位:第138話「長い夢」

初見時、あまりの衝撃でしばらく動けなくなったことはいい思い出です。一番好きなミカサがあるべき姿を取り戻したときは泣きました。SNSでも阿鼻叫喚でしたよね。まさに進撃の巨人の代名詞である「世界は残酷で、とても美しい」を体現したエピソードだと思います。1巻の「いってらっしゃい エレン」の回収もお見事すぎました。

2位:第100話「宣戦布告」

138話までは不動の1位だった大好きな回です。主人公の変身で絶望的な状況をひっくり返すというお約束をこんな最悪の形で使うとは…!本当に痺れました。エレンが最悪の復讐者になった決定的なエピソードです。

このエピソードは諫山先生もマガジンで3位に挙げられていて嬉しかったですね。「自分でも理由のわからない衝動によるコントロールできない動機、損得勘定なく採算度外視してでもやりたい何か、そういった執着心が最も人を駆り立てる強力な燃料になるのではないか」「これが描きたくて進撃の巨人を描いてきた」と先生の口から聞けて幸せです。自分の解説記事も解釈的に間違っていなさそうですしなお嬉しい。

3位:第69話「友人」

これは自分で書いた解説記事を読んでいただくほうが早いかなと。自分でもよく書けたと思っています。ケニーの「みんな何かに酔っ払ってねぇと やってらんなかったんだなは全てに通ずる名言だと思いますね。

さいごに

アニメ最終回から1年が経ち、劇場版も最高の形で実現し、ようやく一区切り…なんてそんなことは全くありません。

12月にはミュージカルの凱旋公演がありますし(何気に2.5次元デビュー)、富士急ハイランドのレベリオ区決戦を描いた新しいアトラクションも乗りたいし、大分県日田市には定期的に行きたいし、というか「進撃の巨人展 THE LAST ATTACK」とかやってもらってもいいんですよ?? わたしはいつ休めるんでしょうねえ。

いやー、生きててよかった。

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