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良眠?

言葉遣いシリーズ
今回は

「良眠」

これも現場時代から違和感を抱えていまして

最近フォロワーさんからもご質問いただきました

先日の合同セミナーでも
薬剤師の八木先生から
「眠剤」
について講義をしていただきましたが

自分が抱えていた違和感は

「良眠て何?」
です

夜勤をしていて記録を書く際
「良眠」
または
「良眠している」
と書かれているのをよく目にしました

以前には「良眠判子」なるものもあり
良眠と彫られた判子を記録用紙に押していた
なんてものもありました


介護施設で夜間見回りをしている時
その方の状態を見て回りますが

基本的には目視での観察になります

その方が睡眠状態にあるのか
覚醒状態で目を閉じているのか

また睡眠状態にあるとしても
それが良い睡眠状態なのか

見ただけでは分からないと思うんです

それを次の職員へ
「皆さん良眠されてました」
と申し送られます

記録や申し送りは事実を事実として
正確に伝える必要があります

八木先生の講義から
日常生活に支障があるかどうかが重要である
と伺いました

ということは
良眠か良眠でないかは
その場では判断できないはずです

ではどうすれば良いか?
ですが

事実を事実として表現するのが
適切だと思います

目を閉じて横になり休んでいる
いびきをかいている
ベッド上ゴソゴソと体動を繰り返している
口を開けたまま寝息を立てている
etc

その時観察したものを
そのまま表現してはどうでしょうか

施設や利用者によって違いはありますが
夕食後から起床までは10時間程度あります

仮にそのほとんどを睡眠時間だとすると
非常に長時間になります

その時間全てが良眠とは考えにくいですね


職員の方々はよく知っています
深く考えています

「いつもこれくらいの時間に目を覚まされる」
「この時間にナースコールを押されることが多い」
「今日は下剤をこれくらい飲まれているから
 排便があるかもしれない」
「今日の活動量がこれくらいと聞いたので
 お疲れかもしれない」

そう考えながら夜勤をしています

自分自身も疲れているのに
仮眠も取れず眠いのに
家では子どもが寝ているのに

対象者の方が安心して休めるように

少しでも快適に休めるように

他の職員が家族と過ごせるように

一晩中気を抜かずに頑張っているんです

にも関わらず
特に外部の方から評価をされやすいのは
見えている部分です

必死に頑張った一晩の記録が
「良眠」
とだけ書かれている記録からは

その職員が何をしていたのか
利用者がどんな様子だったのかが
読み取れないです

どんな仕事をしているのか

どんな想いをもっているのか

表現を変えることで
評価は変わってきます

介護職が正しく評価されるために
あなたが正しく評価されるために

正しく言葉を遣っていきませんか

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