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224.ネットの誹謗中傷って、どうしてなくならないの?もう、やめて~

1.名誉毀損「ネット中傷有罪判決」


2009年(平成21年)1月30日。自分のホームページの中で、外食店の経営者を「カルト集団」だと中傷したとして、名誉毀損罪で問われていた控訴審の判決が下りた。

「インターネットの個人利用者が書き込む情報に限り、名誉毀損罪の適用を緩めるのは被害者保護の点で相当ではない」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、検察側の求刑通り罰金30万円を言い渡した。

1審判決では、個人がネットに掲載した情報について「信頼性は低いと受け止められており、被害者の反論も容易」として、
①わざと嘘の情報を発信した
②個人でもできる調査も行わず嘘の情報を発信した…場合のみ名誉毀損が成立するという新たな基準を提示した。

自分のホームページに被告が他人の中傷を書き込んだとされる内容について、「事実ではないが、ネットの個人利用者に要求される程度の調査は行っている」と述べ、名誉毀損には当たらないと認定していた。

しかし、控訴審判決では「ネット上すべての情報を知ることはできず、書かれた側が反論できるとは限らない。見る側も、個人の発信する情報を一律に信用性が低いという前提で閲覧するわけではない」と指摘した。
ネットの世界でも然り、他人の名誉について根拠のない中傷はやめるべきだ。
 



2.「ブログ炎上で初摘発された」


 日本のブログ人口は800人(平成20年)を超えたといわれている。この「ブログ」というのは、インターネット上に誰でも開設できる日記形式の簡易ホームページのこと。
閲覧者が意見や感想を書き込むことができるコメント欄のあるものが主流。

閲覧者は匿名で書き込めるようになっている。
そのため、開設者の態度や言動に反感を持つ人から批判や中傷が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が増え、社会問題となっている。

お笑いタレントのスマイリーキクチさんの「ブログ炎上」の事件は記憶に新しい。

この事件は、キクチさんが東京・足立区で起こった女子コンクリート殺人に関与したという趣旨の書き込みが多数寄せられ、キクチさんのブログが炎上し、平成20年8月に警視庁に被害届をだしたというものだ。

これを受けた警視庁は、接続業者 (プロバイダー)に接続履歴の開示を求め、書き込んだ男女18人を特定した。
しかし、これとは別に不特定多数が利用するネットカフェからの書き込みを行った複数の人物がいたこともわかった。

当時のキクチさんのいわれなき中傷はどんなものだったのだろう。

また、キクチさんの場合、自分のブログだけでなく、ネット掲示板「2ちゃんねる」などでも10年前から中傷する書き込みが続いていた。

今回の摘発者はそれらを参考にしてキクチさんを中傷していたという。

中傷内容はひどいもので、芸人にとってはイメージダウンが避けられないほどの内容、
「人殺しがなんで芸人やるんだ」
「死ね、犯人のくせに」
「てめえは何をしたと思っているんだ」
「殺してやる」など、今では考えられないが、あとを絶たない。

短期間に数百件の書き込みをした女性は脅迫行為として名誉毀損容疑で書類送検されている。

キクチさんの事務所は、2002年にホームページ上で「事件とはまったく無関係」と告知したが効果はなかったという。

このブログの中傷は、消しても、消しても、後から書き込まれる状態が続き、2008年4月に書き込み禁止にするとともに「タレントとして名誉が著しく傷つき芸能活動に重大な支障が生じた」として、警視庁中野署に被害届けを提出した。

ネット上での中傷被害は年々増加しており、警視庁の発表によると、2007年は全国の警察への被害相談件数が過去最高の8871件、2008年は上半期だけで5482件になっているという。

 
匿名を背景にエスカレートしていくネット世界の暴力。
これからの時代、さらに増加、複雑化していく恐れがある…。
 

 

3.ネット殺人予告が3倍増「あおりサイト」


 2008年6月に起きた東京・秋葉原の無差別事件はまだ記憶に新しい。

この事件後、2009年の1月末までの8ヵ月間でインターネット上の犯行予告に関する通報が警視庁だけで約2800件に上回っているという。

ひと月当たりの通報は事件前の3倍を超え、8倍を超える月もあったという。警視庁に通報された犯行予告により、全国の警察は82人を摘発し、補導。その3分の1は未成年だったという。

秋葉原の事件後からわずか12日後の6月20日、自宅のパソコンで様々なサイトを閲覧するうちに犯行予告を話題にした掲示板を見つけた東京都内の男性会社員は、
「渋谷で大量殺人します。…と書いたらヤバイだろ」「日本で大量殺人します。これはどう?」(原文のまま)などと書き込む。

その直後、掲示板に反応が殺到し始めたという。

「これはマズイ」「アウトだね」…。

この会社員の書き込みは、犯行予告を集めた別のサイトにも転載されていった。偽計業務妨害容疑で警視庁に逮捕されたのはそれから2ヵ月後。
この男性は罰金50万円の略式命令を受けた。

たが、あれから15年過ぎた今も、同じことが繰り返され続けているのは、どうしてなんだろう?



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※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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