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あなたの知らない経絡の世界~肝経の巻・後編②(肝経と生殖器とDFL)
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こんにちは。Hanaこと玻名城です。
今回は肝経と生殖器とDFLの関係について考えていきたいと思います。
というよりも、過去のゆーのすけさんの記事で肝経と生殖器とDFLの関係について解説するよう宿題をいただいたので考えます。
詳細な肝経の流注はゆーのすけさんの過去の記事で確認ください。
1.ディープ・フロント・ラインと肝経
先にDFLについて簡単に触れておきます。
DFLは「ディープ・フロント・ライン」の略で筋膜のつながりでおなじみアナトミートレインのラインの一つです。
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【ディープ・フロント・ライン(DFL)】
中心部のライン。足底の深層に起始し、下肢内側を股関節前面まで上行し、骨盤を通って脊柱前面まで走り、胸椎の凹部を通って下顎骨と頭蓋底まで走る。
DFLは足趾足底面に始まり、長母趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、膝窩筋膜、大・小内転筋、骨盤隔膜筋膜、内閉鎖筋、腸腰筋、胸腰椎椎体、頚長筋、横隔膜、斜角筋、舌骨上・下筋と「筋膜」がつながります。(※一部省略)
DFLは肝経の流注と重なるラインともいわれています。
足趾に始まり、後脛骨筋(内側に出でくるところと三陰交穴が近いこともいいですね。)、内転筋を通り、骨盤底から腸腰筋に入るところまでは、肝経の流注とDFLはほぼ重なります。
腹部に入った後の肝経の流注は、内臓を通った後に横隔膜を貫き、季肋部、人迎穴の外側、喉と進んでいきます。
DFLも横隔膜、頚長筋、斜角筋、舌骨上・下筋と筋膜のつながりをもっていくので、おおよそ近い流れをイメージできると思います。
それで今回は生殖器との関係も考えていく必要があります。
肝経の流注では下肢内側を通った後、生殖器を巡り、小腹部に入るそうです。厥陰経筋は最終的に「陰器」に結ぶそうです。
ゆーのすけさんの記事でも解説のあるように「陰器」は生殖器であるとともに、生殖器や股関節回りの筋肉の集合ポイント(宗筋)としても考えれるそうです。
そうするとDFLに含まれる骨盤底筋群や腸腰筋は生殖器回りの筋肉として考えてよさそうです。
2.DFLと「肝」
さらに東洋医学でいう「肝」の機能から深く考えてみたいと思います。
特に男性の場合、生殖器の問題はED(勃起不全)。
原因は様々あると思いますが、陰茎海綿体が充血しない。血流が不十分なために勃起しないとみることもできます。
【性反射】
男性の性行動には陰茎の勃起と射精の2つの性反射現象がある。性行動中には自律神経系の活動の切り替えが起こる。まず、副交感神経の活動が亢進して勃起する。その後、交感神経の機能が亢進して射精する。
ゆーのすけさんの記事に引用されている報告に中に「ED患者と比較して、健常者で骨盤底筋の収縮力が高かった」とあります。
骨盤底筋の機能が安定している。しっかりしている。ということは生殖器周辺の血流(筋血流や神経血流)がしっかりしてるとみることができます。
血流を改善し、血流を安定させることができたらいいのですが、様々な要因でそれができなくなってしまうのでしょう。
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