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【読書】『人は成熟するにつれて若くなる』ヘルマン・ヘッセ(著)

生老病死をテーマに書いたヘルマン・ヘッセのエッセイ集。
若さと同様に、老いることを肯定できる人はどれだけいるのだろう。そんなことがふと頭に浮かんだ。

生きていれば誰もが年をとる。ゆえに自分のこの先の人生を考えてみても、年齢に抗うことなどしないつもりだ。それにふさわしい心構えと知恵を持ちながら、人間らしく老いていきたい。

年をとるということそれ自体は、もちろん自然な現象である。そして六十五歳、あるいは七十五歳の男性は、彼が年より若くありたいと望まなければ、三十歳または五十歳の男性とまったく同じように健康で、正常なのである。けれども人は、残念ながらかならずしも自分の年齢と同一の段階にいるとはかぎらない。内面的に年齢よりも早く年をとる人もよくあるし、年齢より遅れている人はもっと多い。そのような人の意識と生活感情は、身体にくらべて成熟していない。

本文より


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