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複利で伸びる1つの習慣 要約


はじめに

ジェームズ・クリアーという男がいる。
小さな習慣が驚異的な結果をもたらすことを世界で最も実感した男の1人だ。
幼い頃に大怪我をし、死の直前に追いやられたが、そこから習慣の力を学び、学業、スポーツ、事業など様々な場面で結果を出してきた。
現在では、ハビッツアカデミーという習慣講座を立ち上げ、
アメリカの新興企業から大企業まで、合計一万人以上に彼の習慣プログラムを卒業させた。

彼自身がこう語っている

「私は1日にして大成功はしていない。上達できた唯一の方法は、小さなことから始めることだ。」

本書より


そう、僕らが武器にすべきは、「一発逆転ではない。人生を常に進歩させる習慣の力」だ。
習慣の力はお金と違って奪われることはない。
しかし、お金と同じように、習慣は複利的に増幅させ、あなたの人生を最大化させるだろう。

僕らが勝つ道は、小さな習慣に頼ることだ。

では、本題へ。

習慣の特性を知る

大きな変化は小さな習慣の結果
習慣には良い習慣と悪い習慣がある。
毎日1%成長すると1年後にはどうなる?
答えは37倍だ。
しかし、これは良い習慣の場合だ。
逆に1%ずつ衰退した場合はどうだ?
答えは0.03だ。(ほぼ0)
一日、二日では何も変わらないようだが、数ヶ月、数年、数十年で計り知れないほどの結果をもたらすのが習慣だ。
だから、「今のあなた」は「過去のあなたの習慣が作り上げたもの」に他ならない。

習慣を理解するための例を挙げる。
NBAの最優秀チームの一つサンアントニオ・スパーズのロッカールームにこんな言葉が掲げられている。

「何をやっても無駄に思えるとき、私は石工がハンマーで石を叩き割るのを見にいく。おそらく100回叩いても、岩にはヒビ一つ見られない。ところが101回目に叩いたとき、岩は2つに割れる。岩を割ったのは最後の1打ではない。それまで全ての殴打である。」

本書より

これは社会革命主義者のジェイコブ・リースの言葉だ。
一見すると、100回目までは無駄のように思えるが無駄ではない。蓄積だ。
これが習慣の特性だ。

目標よりも重視すべきこと
目標はよく重要視される。
「目標をたてることが第一であって、過程はどうでもいい。」
この意見に賛成する人は一定数いるだろう。
しかし、目標はあくまで「方向を定めるもの」だ。
じゃあ質問する。
富士山に登頂するという目標をたてた人と
なにも目標がない人がいるとする。

その2人が同じ道を同じように歩いたらどうなる?

結果は同じだ。

これは極端な例ではあるが、
伝えたいことは、「仕組みや過程に集中すれば結果はでる」ということだ。
だが、目標がなくて富士山の頂上に向かうことはない。目標は「進むべき方向を定めるもの」として理解しておく必要がある。

言い換えると、
結果を作るのは、設定した目標に関係はほとんどない。仕組みだ。

目標の落とし穴

1、成功か失敗かを決めるのは目標でない
前述したように、成功か失敗かを決めるのは目標ではない。仕組み・習慣だ。
オリンピック選手は誰もが金メダルを目標にする。しかし、全員が金メダルを取るわけではない。
2、目標は一時的
目標達成は一時的なものに過ぎない。
目標達成したら気持ちいいし、達成感もすごい。だが、目標達成は一時的な側面をもつことに注意を向ける必要がある。
3、目標は幸福を制限する
目標は達成した時点は幸福を感じるが、それ以外の時間は我慢の連続のように思える。
目標だけに執着せず、目の前のことが目標に向かっているのかを常に、確認、仮説、検証、改善する必要がある。そこで成長を感じることができれば、幸福だろう。
4、燃え尽き症候群
目標達成のあと、全て終わったかのように抜け殻になってしまっては意味がない。受験勉強がいい例だ。もう勉強した後に、そのあとは途端に何もしなくなる。目標が達成されたからだ。長期的な観点で人生を捉えるなら、目標達成の目的の落とし穴にハマってはいけない。常に幸せであるために、常に仕組みを改善し続けることだ。

2種類の習慣

習慣は2つに分けられる。
結果ベースの習慣とアイデンティティベースの習慣だ。
どちらもためになるはずだ。簡単に説明しよう。
結果ベースの習慣は、「タバコを3ヶ月やめれた。」
アイデンティティベースの習慣は、「私は非喫煙者だ」

最終的に目指すのは後者だろう。人生が変わるとはまさにこのことかもしれない。

しかし、最適解はどちらも有効活用すること。

結果からアイデンティティが変わることもあれば、アイデンティティが行動や結果を生むこともある。

結果ベースは語られ尽くされているが、アイデンティティの側面からは目新しく思う。

具体的にどうやってアイデンティティを形成するか。

アイデンティティを形成する2段階プロセス

一、どのようなタイプの人になりたいか決める
二、小さな勝利で自分自身に証明する

まずはどんなタイプの人間になりたいかを決める。遠くの存在の人でもいいが、近くで目標にしている人がいれば、その人の方が真似しやすいだろう。
それが決まれば、あとはその人が振る舞うように自分も振る舞うのだ。
今の場面、あの人ならこうする。あの人ならこの選択はしない。など。
それを繰り返していくうちに、脳に錯覚を起こさせる。最初、脳は疑いから始まる。当然だ。今までと違う行動をしているのだから。
しかし、小さな勝利(過去の自分に対して)を積み重ねることで、脳は、それを信じ始め、やがて完全にアイデンティティとして形成される。

小さな勝利で自分がそういう人であることを証明するんだ。

これまでは習慣の特性や種類を紹介してきた。
ここからは具体的に習慣を形成するプロセスを説明していく。


習慣を形成する4つのプロセス

きっかけ→欲求→反応→報酬

だ。人は絶えず、このサイクルを繰り返している。(意識的にも無意識的にも)

きっかけは、行動の始まりのきっかけ
欲求は、こうしたいという感情
反応は、実際の行動
報酬は、得られたもの

例えば、電気をつけるという習慣は誰しもあるだろう。

きっかけ→部屋が暗い
欲求→見えるようにしたい
反応→電源のスイッチをオンにする
報酬→明るくなり、見えるようになった

すると脳は、「部屋が暗い時は、電気のスイッチをオンにすると、見えるようになる」と覚える。

暗い→スイッチオン→報酬ゲット

身についている習慣は、このサイクルが明確だ。逆に、身につかない習慣は、このどこかに狂いがある。

そういう時は、この4つの法則に従うと良い。

行動変化の4つの法則

①きっかけをはっきりさせる
②欲求を魅力的にする
③行動を易しくする
④報酬を満足できるものにする

これらがきちんと設計された習慣は必ず長く続き、それがアイデンティティへと成長する。

きっかけをはっきりさせるために
・自分の行動を客観視し、無意識にやってることを意識し、認知すること
・漠然とした行動は設定せず、「いつ」「なにを」「どこで」「なにを」する。
・現在の習慣と新しい習慣を結びつける(習慣の積み上げ)
・環境と行動を結びつける(寝室では寝る、自室では仕事)

欲求を魅力的にするために
・悪い習慣をやめることで得られるメリットを強調する
・報酬の実現より、報酬の予測によって人は行動する
(タバコを吸ってるときより、「タバコ吸える!」という予測によって、ドーパミンが放出される。)
・現在の習慣と必要な習慣としたい習慣をセットにする
(コーヒーを飲む(現在)→本を読む(必要)→お菓子を食べる(したい)
・モチベーションを高める儀式を作る
(集中したいときにヘッドフォンをするようにする。すると脳は、ヘッドフォン=集中と認識するようになり、本当に集中できるようになる。)

行動を易しくするために
最善の学習は、思考することではなく行動すること
(質を重視するより、量を重視する方が試行錯誤できる)
習慣化するには、かかった時間ではなく、行った回数によって決まる
良い習慣を引き起こす抵抗を減らす
(運動しやすくするために、部屋ではトレーニングウェアしか着ない)
悪い習慣を引き起こす抵抗を増やす
(スマホの暗証番号を長くする)
最初の2分間に全力を注ぐ
(「運動する」ではなく、「靴紐を結ぶこと」に焦点を当てる)
習慣を自動化するために、テクノロジーに投資する
(浄水器を買う、良い運動靴を買う)

報酬を満足できるものにするために
行動して満足できるものであれば、その行動は繰り返す確率が高い
人間は、未来の報酬より「今の報酬」に価値を見出す
習慣は、「今の報酬」を感じるものである必要がある
今の報酬を感じるのに有効な方法は、「習慣トラッカー」
(報酬を見える化し、蓄積を実感する)
現在の習慣をしたら習慣を記録する
測定にとらわれない。測定が目標になれば、それはもう良い測定ではなくなる。(粉飾決算が良い例)
完璧を目指さない。行動したことがアイデンティティへの一票になる。
(毎日が完璧な必要はない、最初の2分だけでもいい)
やらないことの方がデメリットになるように罰をつくる
(契約を交わし、破ると罰を受ける)

さらなる高みへ

習慣を手にすることができたら、第一ステップはクリアだ。しかし、習慣には落とし穴がある。習慣は、行動の自動化だ。意思決定を減らし、脳のリソースを節約してくれる。裏を返すと、習慣による行動は思考しなくていい。ただ行動を繰り返すことで満足してしまうのは二流だ。本物の一流は習慣を見直し、改善する。これが本当の習慣のパワーなのだ。
同じ習慣を繰り返し、何か問題が起こった時は、習慣を見直し、改善する余地があると言うことだ。
思うような結果が得られなかったら、今の習慣を見直し、どこに問題があるかを発見するのだ。
今の歯磨きで虫歯ができたなら、1から見直し、改善する必要があるだろう。

歯磨きをするタイミング?
ブラッシングのやり方?
フロスのやり方?
歯磨きの回数?
定期検診の頻度か?

これが1%の改善である。
過去の習慣に囚われてはいけない。
いつまでも自分の授業スタイルを守り抜く教師や、頑固な経営者。
彼らはアイデンティティの大部分が「過去のスタイル」で固められている。
変化できない者は次第に淘汰される。

「私は教師だ」→「私は子供の可能性を最大限引き出せる者だ」
「私はCEOだ」→「私は、変化に柔軟に対応し、新しい物を作り出せる者だ」

と置き換えよう。
アイデンティティは小さく保つ。

まとめ

習慣の威力は、1%の改善により複利的に伸びる。習慣は、自身のアイデンティティを形成することへの証明となる。
なりたい自分を決め、その人をイメージさせる行動を取り入れて、脳に思い込ませよう。

習慣のサイクル
きっかけ→欲求→反応→報酬

習慣の4つの法則
きっかけがはっきりしているか
欲求は、魅力的か
行動は、易しいものか
報酬は、満足できるものか

ここに狂いがなければ、その行動は繰り返される。
習慣を強化するために、習慣を見直し、改善しよう。

プロフェッショナルはこれを継続できる人だ。
これを継続できる人がプロフェッショナルだ。

目標達成やゴールテープは必要ない。
ただ、目標に向かい、日々の仕組み、習慣を1%改善することに注力するんだ。それに終わりはない。
改善することで成長することを楽しむんだ。
10年後のあなたを楽しみにしている。








やってみようコーナー

読書を習慣化するために

アイデンティティ→本を読み、新しい情報を取り入れ成果にする人

アイデンティティを証明するための行動→毎日少しでも本に触れ、アウトプットする

きっかけ→知識がない
欲求→知識がないと言う不安を解消したい
行動→本を読む
報酬→新しいことを知れた

読書を毎日の習慣にするために

毎朝触るパソコンの上に本を置いておく(環境)
朝食を終えたらパソコンを触るが
パソコンを触る前に、1章分だけ本を読む(小さく始める)
読み終えたら、パソコン作業を開始する

というルールにしてみようと思う。

現在の習慣→取り入れたい習慣→現在の習慣

これで、朝食→パソコンの結びつきから
朝食→本→パソコンという結びつきを脳に教え込ませる。
その結びつきは回数によって決まる。

まずはこれを意識して、うまくいかなかったら新しいテクニックを取り入れてみることにする。
以上。

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