映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2014年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』は、
NYを舞台に40代の子なし夫婦の奮闘する姿を描くコメディです。クリエイティブな20代カップルや子育て中の友人らに抱く疎外感やら焦燥感。
『イカとクジラ』(2005年)、『マリッジ・ストーリー』(2019年)のノア・バームバックが描く「わかるわ……」が止まらない1本です。
キャスト
・ベン・スティラー(ジョシュ)
ドキュメンタリー映像作家
・ナオミ・ワッツ(コーネリア)
ジョシュの妻
・アダム・ドライバー(ジェイミー)
ジョシュを尊敬するという若手映像作家
・アマンダ・サイフリッド(ダービー)
ジェイミーの妻
映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』の見どころと感想
NYブルックリンで暮らすドキュメンタリー映画監督のジョシュとその妻コーネリアは40代の子なし夫婦。自由な暮らしの一方、仕事の行き詰まりや子育て中の友人らとの関係に疎外感や挫折感を覚えています。
そんなある日、アートスクールで知り合った20代のジェイミーとダービーの夫婦。型にはまらない生き方をする2人に刺激を受けるジョシュとコーネリア。「憧れている」と言われ気を良くしたジョシュはジェイミーの映画製作を手伝うことになります。
ジェイミーはたまたま自分のFacebookに登録してきたケントを題材にしようと提案。が直後、自殺未遂を起こしたケントがアフガニスタンからの帰還兵だとわかり、それをテーマにしたジェイミーのドキュメンタリー映画には多くの注目が集まります。
一方、そんなジェイミーを手伝うジョシュ自身の仕事はすっかり停滞。やがてジェイミーに利用されていると思い始めるジョシュはコーネリアとの夫婦関係もぎくしゃくし始めー。
評)この映画を見て「しょうがないな」と笑えたら、きっと大丈夫
家族や夫婦のリアルな困りごとを描かせたら右に出るものはないノア・バームバック監督。本作も「わかる」が止まりません。
40歳を過ぎ、いろんな成功も挫折も味わって、充分に大人で確固たる自分があるはずなのに「自分にないもの」に気づいて、いやわざわざそれを探して心がグラグラする。
冒頭から流れる音楽はヴィヴァルディの「マンドリン協奏曲ハ長調 RV 425」
この曲といえば映画『クレイマー・クレイマー』(1979年)を思いだす人も多いでしょう。
育児と仕事の葛藤を描いた『クレイマー・-』に対し、あえて子どもを持たず育児と仕事の葛藤のない生き方を選択したこの映画の2人。そんな2人にも「自分らしく生きる」うえでの葛藤があるのよね、とチクリというかホロリとさせる。
40代夫婦を演じるベン・スティラーとナオミ・ワッツがめちゃめちゃ等身大で共感を呼びます。
一方の20代夫婦のアダム・ドライバーとアマンダ・サイフリッド。特にドライバーのデカいくせに人懐っこい感じは、可愛いんだけど厄介だな、とこれまたリアル。
もう若くないな……、と感じ始めた人にはひどく刺さる映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』
この映画を見て「しょうがないな」と笑えたらー、きっと大丈夫ですから。