淀川コーエン 水たまり映画日記

映画と海外ドラマの視聴録的日記

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尊敬リスイン保留中 映画『ワレサ 連帯の男』 積みDVD鑑賞③ 

2024年11月20日 昔、ある先輩と尊敬する人云々という話をしたときに「その人はまだ生きてるから言うことが変わるかもしれん。評価も変わる。死ぬのを待て」と言われた。   たしかに晩節を汚しまくる人も多いし、死後に悪行が暴かれることもあるし、大昔の人だって現代の価値観によって評価が変わり偉人から陥落することだってある。 死後どれくらい待てば安心して「尊敬する人」にリスインしていいのだろう? 映画『ワレサ 連帯の男』(2013年) 1980年代初頭のポーランドで自由の

    • 「実はCIAのー」を笑いたいのに 映画『コンフェッション』 積みDVD鑑賞② 

       2024年11月17日 積んでるDVDの多くはTSUTAYAなどのレンタル落ち。本編の前にほかの映画の予告が長々と入っているしパンフレット的なものもない。ま、本編が見れれば何の問題もないけれど。 そんな拙コレクションの中にもセルDVDがあったりする。いつどこで買ったのか、なぜ買ったのかさえ思い出せない。この日見たのはそんな1本。 映画『コンフェッション』(2002年) 実在のTVプロデューサー、チャック・バリスの自伝に基づく映画。 TVプロデューサーとして数々のバラ

      • メキシコハイテンション 映画『ルドandクルシ』 積みDVD鑑賞① 

        2024年11月14日 少し前からココ(このnoteのことです)の整理をしている。 といっても、「身じまい」とか「終活」とか「身辺整理」といった物々しい話じゃなくて、Wordpressからnote引っ越してきて1年になるので、記事の内容とかリンク切れとか誤字脱字とか、そういう見直しを、というもの。 で、これを機に日記名を「水たまり映画日記」に変更。大意はございません。 「終活」といえば、もうブームが下火らしい。終活のナンダカンダがまわりにも自分自身にも負担なんだと。 たし

        • 『ブレイキング・バッド』から直行の『エルカミーノ』/年末のお楽しみの予約完了

          2024年11月11日 この後あっという間に見終わってしまった『ブレイキング・バッド』 最後にようやく本心を口にしたウォルター。その本心こそが、このドラマのすべてだなと思った。お金のためでもなく、家族のためでもなく、自分がー。クズだとか悪党だとか犯罪者だとか、そんなことは重々わかっている。けれども、道徳心や倫理観すら太刀打ちできない「業」のようなもの。人の心にはそんなものがあるのかもしれない。 で、そのドラマの最終回からつながる映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド T

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          何も起きない閉塞感の向こう側へ 映画『リバー・オブ・グラス』

          2024年11月8日 映画『WANDA ワンダ』を見たあとレコメンドに上がってきたのがこれ。 ザックリいうと”主婦自分探し映画”。「今の自分は本当の自分じゃない、本当の自分を見つけるためー」って、ちょっとどうかしてるとしか思えない状態だけど、ま、主婦じゃなくとも、誰でも一度はそんなことを考えたりするものかもしれない。 ◆主婦自分探し映画といえば、(注:酷評レビューです) 『リバー・オブ・グラス』はなんにも起きないし、どこにも行けない。「食べない、祈らない、恋もしない」ど

          何も起きない閉塞感の向こう側へ 映画『リバー・オブ・グラス』

          未視聴だった自分をシバき倒したい。 『ブレイキング・バッド』な日々

          2024年11月5日 『ブレイキング・バッド』、言わずと知れた傑作ドラマ。恥ずかしながら未視聴でした。 『ナルコス』(コロンビアやメキシコの実在の麻薬カルテルの壮絶ななんやかんや)とか、『オザークへようこそ』(麻薬絡みのヤバい金を資金洗浄する家族のなんやかんや)とか、麻薬モノが好き(ん、大丈夫か)な私。もちろんこの『ブレイキング・バッド』の存在は知っていた。 がんを宣告された高校の化学教師ウォルターが、家族へお金を残すために麻薬を作るというストーリー。「個人で麻薬作り」

          未視聴だった自分をシバき倒したい。 『ブレイキング・バッド』な日々

          晩秋の大人の余裕 映画『マンハッタン・ラプソディ』

          2024年11月2日 秋が深まると(って、ぜんぜん深まってないんだけれど)見たくなるラブストーリー。枯葉が積もるの公園でー、って去年も同じこと書いてる。 これはそんなイメージにちょっと近い映画だった。 映画『マンハッタン・ラプソディ』(1997年) 恋愛経験のない女性と美女とセックス恐怖症の男性による大人のロマコメで、フランス映画『両面の鏡』(1953年)のリメイク。 美しい女性を見るとめまいに襲われてしまう大学の数学教授グレゴリー(ジェフ・ブリッジス)。同じ大学で

          晩秋の大人の余裕 映画『マンハッタン・ラプソディ』

          双子設定は地雷の予感 映画『キラーヒート 殺意の交差』

          2024年10月30日 ちょっと前に見た映画『ビバリーヒルズ・コップ: アクセル・フォーリー』でイイ感じに渋くなっていたジョセフ・ゴードン=レヴィット。 そのジョセフの新作、しかも「しがない探偵」とならば、と期待して見たものの、ちょっとこれは微妙だった。 映画『キラーヒート 殺意の交差』 舞台はギリシャのクレタ島。島を牛耳るファミリーの息子レオがフリークライミング中に転落死した。その死に不審を抱くレオの双子の弟エリアスの妻ペネロペはファミリーの息がかかる地元警察の目を

          双子設定は地雷の予感 映画『キラーヒート 殺意の交差』

          もっと個人的で根源的な困りごととの闘い 映画『WANDA ワンダ』

          2024年10月27日 このキービジュアル、しかも1970年代もの。絶対に好きなヤツなのに何で今まで全く知らなかったんだろ?と思ったら、この映画、長ーいこと「忘れられた小さな傑作」と言われ、ホントに隠れていたらしい。あのイザベル・ユペールほか、いろんな人のいろんな尽力(ザックリでスマン)があって日本での劇場公開は2022年。それが今(2024年10月現在)アマプラで見ることができるという幸運。 ストーリーは、アメリカ、ペンシルバニア州の炭鉱の町で暮らす主婦ワンダが家を追い

          もっと個人的で根源的な困りごととの闘い 映画『WANDA ワンダ』

          こじらせた正義 映画『ラスト・リベンジ』/嬉しい復活/認めたくない復活

          2024年10月24日 経済的事情から一時期映画に出まくっていたニコラス・ケイジ。 これもそんな時期の1本ではあるものの、監督・脚本がポール・シュレイダー(映画『タクシードライバー』の脚本ほか)となれば話は別、のはず。 映画『ラスト・リベンジ』(2014年) CIAベテラン捜査官のレイク。近年は名ばかりの仕事に甘んじついに引退勧告される。が、レイクにはやり残した仕事があった。 かつて自分を拷問したテロリスト、バニールへの復讐のためにある作戦に挑む。しかし、レイク自身、認

          こじらせた正義 映画『ラスト・リベンジ』/嬉しい復活/認めたくない復活

          ようやく映画熱が戻ってきたので、アレを探しはじめる秋 映画『マッシブ・タレント』ほか

          2024年9月11日 9月になったというのに相変わらずの暑さ。その暑さと反比例するようになぜかヒエヒエだった私の映画熱。それがようやくちょっと上がり始めました。 というわけでここ最近見た映画についてザックリと。 『マッシブ・タレント』(2022年) 浪費癖による多額の借金返済のため多くの低予算映画に出まくり"B級映画王"と言われたニコラス・ケイジ。そんなケイジのセルフパロディ的コメディでこれは大当たり! 借金で家族にも愛想をつかされた元大物俳優のニック(愛称)・ケイ

          ようやく映画熱が戻ってきたので、アレを探しはじめる秋 映画『マッシブ・タレント』ほか

          忘れないうちに 海外ドラマ視聴メモ

          2024年8月27日 昨日、夫と車に乗って買い物に行く途中、何かの話をしていたら曲がるべき交差点をうっかり直進してしまった(運転は夫)。 「あ、今のところやったね……」と多少焦ったものの、ナビで道順は修正可能。そう慌てることはない。 が、「で、何の話しよったっけ?」と、その直前に話していた話題をふたりして思い出せない。けっこう盛り上がってたという感覚だけがあって何を話していたのかをまったく思い出せない。 記憶喪失ってこんな状態なのか。いや、もうそろそろそういうお年頃。

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          「罪悪感」……。映画『天の怒り』

          2024年8月17日 今年も墓参りも何もしないお盆が過ぎた。罰当たりなヤツと思われるかもしれないけれど、亡母をはじめご先祖さまには24時間365日、いつでも心の中で感謝している。神様、仏様、どうぞお怒りになりませぬように……。 映画『天の怒り』(2022年) 人気推理作家クロスターに雇われていた女性筆記者のルシアナ。 10年前、ルシアナはクロスターに無理矢理キスをされたと訴えた。即時示談金が支払われ解決するが、クロスターの妻子が亡くなった(精神的に不安定だった妻が幼子を

          「罪悪感」……。映画『天の怒り』

          五輪ロス/ドラマ『黒い蝶』/「あとひとつ」を残す癖

          2024年8月13日 パリオリンピックも終わってしまった。 結局、スケボーストリートが個人的盛り上がりのピークだったけれど、最終日までたっぷり楽しませてもらった。選手、関係者のみなさん、おつかれさまでした。 次は2028年のロサンゼルス。 「ヨシ、そこまでは元気でいよう」と独り言ちたら、夫が「そうやね、ホントそう」と。 初老というにはまだ数年はあるけれど、こうした思いがふとこみ上げてくるお年頃。トム・クルーズ(62歳、お元気!)を見習いたい。 あらかた見終わったハーラ

          五輪ロス/ドラマ『黒い蝶』/「あとひとつ」を残す癖

          愛は地球を救うんです!映画『ムーンフォール』

          2024年8月8日    暑い。もしや太陽が地球に近づい来てんじゃないか、と思うくらい暑い。 というわけで、先日見たのは「月が地球に堕ちてくるぞー!」というSFパニック映画。いろいろ書きたくなった一品です。 映画『ムーンフォール』(2022年) 何らかの異常で月が軌道を外れ、やがて地球に墜ちてくると判明。 その事実を隠し、われ先にと逃げ出す政府関係者。が、NASAより先にこのことに気づいた自称巨大建造物専門家がネットに拡散。世界がパニックとなる。 そんななか、英雄

          愛は地球を救うんです!映画『ムーンフォール』

          どうした!?チャステイン! 映画『355』

          2024年8月5日 前から見ようと思っていたけれど、どうにも評価が芳しくない。いや、人の評価など気にするつもりもないのだけれどー、と思っていた映画を見た。 いや、これはどうしたものか評判通りの駄……、やっぱり人の評価に影響されてしまうのか自分……。 映画『355』(2022年) 南米の犯罪組織が、あらゆるシステムを攻撃できるデジタル・デバイスを開発。そのデバイスが国際テロリストの手に渡り、世界は危機に瀕する。その危機を回避しようと世界中の女性スパイが集結する。 メン

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