映画『マチルダ 禁断の恋』(2017年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『マチルダ 禁断の恋』は、
滅びゆく帝政ロシアを舞台に、最後の皇帝ニコライ2世と美しきバレリーナ、マチルダの恋を描いたストーリーです。
ロシアでは神格化されているニコライ2世の実話に基づくスキャンダルを描いた本作。すべてはマチルダをどう思うか、にかかった映画です。
キャスト
・ラース・アイディンガ(ニコライ2世)
のちのロシア皇帝
・ミハリーナ・オルシャンスカ(マチルダ・クシェシンスカヤ)
人気バレリーナ
・ダニーラ・コズロフスキー(ヴァロンツォフ大尉)
マチルダに恋い焦がれる大尉
・ルイーゼ・ボルフラム(アリックス/アレクサンドラ)
のちのニコライ2世の皇后
・トーマス・オスターマイアー(フィッシェル医師)
王室お抱えの医師
映画『マチルダ 禁断の恋』の見どころと感想
1890年台後半のロシア。まもなく王位を継承するニコライ2世は、世界的に有名なバレリーナのマチルダに一目ぼれします。ライバルの嫌がらせに屈することなく毅然と踊るマチルダの姿に虜になるニコライ。その思いに気づいたマチルダは、翻弄するような態度を取りながらも次第にニコライに惹かれていきます。
が、皇帝とバレリーナは身分違い。ニコライにはイギリス・ヴィクトリア女王の孫娘アリックスとの政略結婚が決まっており、マチルダにも執拗に迫るヴァロンツォフ大尉が。
崩れゆく帝政ロシアと2人のスキャンダラスな恋はー。
評)帝政ロシア崩壊期の実話もの 実話をしのぐ見どころはー
身分違いの恋に引き裂かれる男女の恋ー、よくあるストーリーですが、これがやがてロシア革命によって滅ぶことになる帝政ロシアが舞台、しかも実話ベースというので興味津々だったのですがー。
正直マチルダにちっとも魅力を感じないから困った。マチルダ、結構気が強く周囲を振り回す。美しいいんですよ、とはいえ……。ニコライもただただ優柔不断にしか見えない。
見どころは王室や劇場の舞台、衣装などの美術。これは圧巻です。
ストーリーのほうは実話ベースなのでニコライはアリックスと結婚し、その後家族もろとも虐殺される結末もわかってるからそれほどワクワクもしない。強いて言えば、マチルダについてあれこれ聞き出そうと、マチルダ命!のヴァロンツォフ大尉をフィッシェル医師が拷問し、そのあげくー、のシーンでしょうか。
個人的に興ざめするのは、マチルダ本人はその後も皇族や貴族とのつながりを持ち99歳まで生きながらえたという史実。長生きが悪いというわけではありませんが、悪運が強いというか……。
ロシア国内で上映禁止を求める声が上がったというのも納得の映画です。ぜひロシアの歴史とともに。