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映画『女神の見えざる手』(2016年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画タイトル:女神の見えざる手
原題:Miss Sloane
製作年:2016年 アメリカ・フランス
監督:ジョン・マッデン
映画『女神の見えざる手』は、
銃規制強化法案をめぐり、巧妙な仕掛けで政府を動かしていく敏腕ロビイスト、エリザベスを描いた社会派ドラマです。二転三転する展開。そしてラストには思わず息を呑む最大の仕掛けがー。
主演ジェシカ・チャスティンのクールなカッコ良さも必見の映画です。
キャスト
・ジェシカ・チャステイン(エリザベス・スローン)
敏腕ロビイスト
・マーク・ストロング(ロドルフォ・シュミット)
エリザベスを引き抜くロビー会社CEO
・アリソン・ピル(ジェーン・モロイ)
エリザベスのビジネスパートナー
・ググ・バサ=ロー(エズメ・マヌチャリアン)
エリザベスのチームメンバー
・マイケル・スタールバーグ(パット・コナーズ)
エリザベスの元同僚
映画『女神の見えざる手』の見どころと感想
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エリザベスは政界に名の知れた敏腕ロビイスト。大手ロビー会社コール=クラヴィッツ&ウォーターマン社に所属し、高い実績をあげてきました。そのエリザベスのもとに、銃の強化規制に反対する団体から女性の支援を集めてほしいとの依頼が舞い込みます。
が、自身は銃規制強化に賛成のエリザベスはこれを断り、銃規制強化賛成派のロビー会社の誘いを受け数人の部下を連れて転職します。しかし誤算だったのは、最も信頼するジェーンが会社に残る決意をしたこと。
会社を移ったエリザベスは銃規制強化案の成立に向けてロビー活動を開始します。しかし、執拗に妨害工作を仕掛ける規制反対派。チーム内には裏切り者も。
勝つために手段を選ばないエリザベスはー。
評)二転三転する展開と思わず息を呑むラスト。隙なしの傑作!
ロビイストという日本では今一つピンとこない職務。相手の弱みに付け込んだり、お金や地位をチラつかせたり寝返ったり裏切ったり、そんな政治の裏側にウンザリしてしまうのは、現実もこうなんだろうな、と思わされるからでしょう。「だったら、うまくやってくれよ」という、日本のぬるい現実社会では叶わぬ願いにも、この映画の主人公エリザベスは見事にこたえてくれます。
依頼者の希望を叶えるだけでなく、自身の信念のもとに行動を起こす。けれども正義感を振り回すことはなく、あくまでもロビイストとしての戦略を実行するエリザベス。
冒頭の聴聞会のシーンから、ロビー活動を描く過去にさかのぼる展開も意味深です。エリザベスどうする?どうなる?どうなったんだ?という緊張が解かれることはありません。そして、この長い駆け引きと攻防を終えたラストはカタルシスを感じます。
クールなエリザベスを演じるのはジェシカ・チャスティン。キーマンとなる同僚ジェーンにアリソン・ピル。2人の正反対ともいえるイメージは、映画全体に仕掛けられた表裏、正否、善悪という対比を印象付けるかのよう。映画『女神の見えざる手』、まったく隙のない1本です。