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映画『カティンの森』(2007年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:カティンの森
原題:Katyn
製作年:2007年 ポーランド
監督:アンジェイ・ワイダ

映画『カティンの森』は、

第二次世界大戦下のソ連国内の森で、数千人のポーランド人将校らの遺体が発見された「カティンの森事件」を題材にした映画です。

ソ連とドイツ両国に侵略されたポーランド。戦後も隠ぺいされ続けた事件の痛ましい真相をアンジェイ・ワイダ監督が描きます。

キャスト

・マヤ・オスタシェフスカ (アンナ)
ポーランド人女性

・アルトゥル・ジミイェフスキ (アンジェイ)
アンナの夫 カティンで殺害される

・ヴィクトリア・ゴンシェフスカ (ヴェロニカ)
アンジェイとアンナの娘 

・マヤ・コモロフスカ
アンジェイの母

・アンジェイ・ヒラ (イェジ)
アンジェイの戦友  カティンの生存者

映画『カティンの森』の見どころと感想

1939年、ドイツ、ソ連の両国はポーランドとの不可侵条約を一方的に破棄し侵攻を開始。
アンナとその娘ヴェロニカ(愛称ニカ)を残し、ソ連軍に連行される夫アンジェイ大尉は捕虜として過ごす日々を日記に記し始めます。

連絡のないまま数年が過ぎたある日、アンジェイの帰りを待ち続けるアンナとニカ、アンジェイの母のもとをアンジェイの戦友イェジが訪れます。

カティンの生存者であるイェジの存在は家族に希望と複雑な感情をもたらします。が、いまや親ソのポーランド軍将校であるイェジは裏切り者と糾弾され自死。そのイェジはある人物にアンジェイの日記(手帳)をアンナに届けるよう託していました。

その日記に綴られていた事件の真相とはー。

評)淡々と描かれるラストシーンに言葉う ジェノサイドの真相

歴史背景を少し捕捉しておきましょう。

1945年第二次世界大戦が終戦するとポーランドはソ連の影響下で社会主義国家となります。
「カティンの森」事件は戦時中にポーランドの国力を滅しようとソ連が行った虐殺ですが、「ドイツが行ったもの」とねつ造され、長い間真相解明がなされていませんでした。
しかし1990年に入りソ連が崩壊。東欧諸国の民主化のなかゴルバチョフ書記長(当時)は自国の犯罪と認めました。

この映画には原作として書かれた同名小説(アンジェイ・ムラルチク著)があります。小説がアンジェイの帰りを待つ3人の女性の思いを世代的な違いを含ませながら繊細に描く一方、映画は「カティンの森」で何が起こった凄惨な事実を容赦なく映し出しています。後ろ手に縛られ銃殺されそのまま穴に落とされるー。淡々と描かれる映画のラストシーンには言葉を失ってしまいます。

この事実をやがて知ることになるアンナら犠牲者の家族。ムラルチク自身が「映画と小説は理想的に補い合っている」というとおり、この凄惨な事件の裏にある家族の怒り。自身の父も犠牲者となったアンジェイ・ワイダ監督渾身の1本です。



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