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PERFECT DAYSを見てわかった、わたしがミニマリズムに憧れていた理由

この文章は2024/2/7の日記です。
映画をみて、興奮しながら書きました。
このあと、さらにもう1回見に行って、いまはDVD配信されるのを楽しみに待っています。
書いた当時の興奮は去ったけど、この気づきは何度でも自分の中に取り込みたいので、ここに残すことにしました。

映画「PERFECT DAYS」を観た。
役所広司のインタビュー動画を観たあと、どうしてもこの映画が観たくなって、すぐに見に行った。

https://www.athome.co.jp/cinemadori/12955/

見る前から、「これはたぶん好きな映画だ」と思っていたけど
はじまった瞬間「やっぱり好きな映画だ」とおもった。
終わってからも「大好きな映画だった」おもった。
パンフレットも買って、DVDは発売されたら絶対買おうと思った。

役所広司のインタビュー・映画を見て、気づいたことがあった。

憧れたミニマリズム

「ぼくたちにもうモノは必要ない」が大流行して
ミニマリズムとかミニマリストという言葉が出だしたころ
わたしも強烈にその思想に憧れた。

ミニマリズム関連の本をたくさん読んで、洋服の断捨離本含めていろんな情報を取り込んだ。
少ないお金で生きる人の本もたくさん読んだ。

そして実践した。
いろんなものを捨てまくって、売って、手放した。
スッキリしていく部屋に優越感を覚えた。
「ものを買わない」とか「自分的最小限で生きる」という思想を取り入れて
なんかちょっと、変われた気がした。人生が上向いたような気がした。

でもすぐリバウンドする。

いくら手放しても、SNSで溢れる誘惑に勝てなくて、また新しく色んなものをポンポン買ってしまう矛盾。
ミニマリストたちがSNSで「より良いもの」を求めるために、重複したアイテムを手放して、また買って、それを紹介する記事や動画を見て抱く違和感。

少ないお金で生きても大丈夫とも思えなかった。
正社員の仕事はしんどくても安定している。
結局、お金はあればあるだけいい。

でもしんどい。内面はまったくミニマルじゃない。

どうしてこんなにミニマリズムに惹かれるんだろう。
どうして、なれないんだろう。

長年抱いていたモヤモヤの答えがこの映画にはあった。


ミニマリズムの本質

https://www.athome.co.jp/cinemadori/12955/

トイレの清掃員平山さんの規則正しい生活。
時代の流れに惑わされず、大切にしてるカセットテープと古本
趣味のカメラ、現像した写真
家で大事に育てる植物
行きつけの銭湯、居酒屋、コインランドリー、カメラ屋、古本屋、スナック

誰にも監視されてないのに、手を抜かず、きっちり働く姿

平山さんは「足るを知る」ひとだった。
自分が何で満たされるか、何があれば自分は幸せか
自分のオリジナルの幸せの基準がしっかりとある人だった。

そういう人を「芯がある人」っていうのかもしれない。

パンフレットにも書いてある通り、
平山さんは致し方なくこの質素な生活をしている人じゃない。
恐らく自ら選びとって、この生活をしている。

この世界にいろんな選択肢がある中で
平山さんはこの仕事、この生活を自分で選び取っている。
そして同時に満たされている。

わたしが憧れていたのは「ミニマリスト」じゃなかった。
「足るを知る」人だった。

いまこの瞬間を生きて、満たされているひと。
自分が何で満たされるのか、明確にわかっている人。

わたしは、自分が何で満たされるのか知りたかった。
いまこの瞬間を生きて、満足したかった。

自分を幸福で満たしたかった。
一時ドーパミンを放出するための快楽じゃなくて。

自分の人生に満足したかった。
自分の生き方を自分で肯定したかった。

あれも、これも、と、トレンドを追いかけて、
自分の物差しがないことがしんどかった。

いまわたしが欲しいと思っているモノは、本当にわたしが欲しいモノなんだろうか?
誰かに欲しいと思わされてるモノなんじゃないか。

少し前までなら「平山さんみたいになりたい」と漠然と思っていたとおもう。
また部屋をすっきりさせただろうし、
木漏れ日の写真とか撮り始めたかもね。笑

でも、そうじゃない。
平山さんのルーティンをなぞらなくてもわかる。

わたしが平山さんに強烈に惹かれるのは
内面で、マインドだ。

これまで読んだ本にも「足るを知る」について言及されてたけど
この映画を見て、本質的な意味がやっと理解できた。

これまでの違和感の正体は、そこに辿り着くまでの手段である「ミニマリズム」が目的になっていたからだった。
ものを減らすことに躍起になって、手放してスッキリして、なんか変われた気がしてたけど、中身何にも変わってないから、リバウンドして当たり前だった。

外側ばかり整えても、不安な自分はずっと居座ったままだった。
またモノや誰かがいいと言っている場所やコトで埋めようとする。

わたしが求めているのは
なにも捨てなくても、手放さなくても、
本を読まなくても、いまこの瞬間から取り入れられることだった。

いま、ある環境・ものに感謝する。
そばにいてくれる家族に感謝する。
もっと自分に矢印を向けて、自分が心から求めていることで満たす。

わからないけど、たぶん、
足るを知るから、結果ミニマリストになるんだろう。

ああ、平山さん ありがとうございます。

DVDは絶対に買うけれど、
もう一度映画館で観たいです。


服も、着飾ることも、大好きだけど
自然の中ぼーっとするのがわたしにとって一番幸せ。




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