笑え、笑え、健康なるひとは笑え。病気を知らぬひとは笑え。幸福なるひとは笑え、そして、絶望の淵にあるひとも笑え。
正岡子規「病床六尺」の中の一節だ
(先日の『yes!~明日への便り』)。
1895年、病に侵された身を抱えつつ
日清戦争末期の従軍記者に志願し、
中国から朝鮮半島を巡った子規は、
帰る船中で激しく喀血して重態に陥り、
兵庫県立神戸病院で命をとりとめた。
療養したのち故郷・松山に帰るも、
翌年、脊椎カリエスの手術を受け、
34年の生涯を閉じるまで病と闘う。
「子規」はホトトギスの漢字表記だが、
この鳥の口の中が赤く、まるで血を
吐いているかのようだ、という命名の
意図が悲しい。最後は歩くことさえ
奪われた病床から「笑え」と綴ったは、
それこそが、この世に生きる人間達に
届ける、至高の忠言であったからか。
だから、笑い、たい。