自分自身にも、本当の自分は明かしたくない。
と言ったのは、本木雅弘さんです
(先日の『プロフェッショナル 仕事の流儀』)。
奥様の内田也哉子さんをして
「いまだにずっと違う星に住んでる」
と言わしめたその性格は、
「やっぱり不良になれないな、この人とか、
お笑いはできないだろうな、この人みたいな、
そういうつまんなさを感じるでしょ?」
と制作者に投げかける、
自意識過剰とも言える自己分析に表れていました。
「麒麟がくる」の斎藤道三役の自らの演技に、最後まで納得せず、
「結局、ちまちまちまちま、いろいろなことを
こねくり回しながら」こねくり回すことに自負を抱かず、
むしろそうすることに劣等感を
感じているかのような表情を見せつつも
演技を執拗に追求し続けながら、結局は
「本物のように見える自分」とつぶやいて、
自己肯定から遠ざかる本木雅弘さん。
もちろん俳優としての悩みを
追体験することはできないのですが、
「自分自身にも、本当の自分は明かしたくない」
という冒頭の言葉は、
悩んで悩んで悩み抜いた先にある「自分」には、
いまのところ迫らずに放置している、という
解釈で共感しました、
いや共感したつもりになりました。
人はみな、自分自身に悩み続ける。