続・座標軸 『明暗』の時代の国の形
国の形というマクロ的な話をしたかと思えば、『明暗』のようなミクロ的な話をしたので、話がわかりにくくなってしまったかもしれないと思い、『明暗』が書かれた時代、つまり第一次世界大戦期の日本の国の形を描いてみたい。これでふたつのテーマがドッキングするのではないか。
明治維新後の日本は、基本的には天皇制のA型的国家ではあったが、何しろ、長い鎖国の後なので、O型的要素が特に欠けていた。政治の民主化、産業の機械化、軍隊の近代化、教育の近代化・・・。欧米に追いつけ追い越せで一生懸命O型の真似をし続けた。それで日清、日露のふたつの戦争に勝ち、なんとか一等国の仲間入りをした。そのあとの時代である。
O型的要素を急速に吸収したとはいえ、所詮猿真似である。本当の意味での民主主義でも資本主義でもない。その矛盾が吹き出し、苦しんだ時代といえよう。建前(明)と本音(暗)の食い違いが『明暗』の時代の世の中ではなかったか。
この間アップした下の図と合わせて見ていただければ幸いである。
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